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2006年 06月 23日

日書連が懸賞論文「私の書店論」を来月より募集

日本書店商業組合連合会(日書連)の機関紙「全国書店新聞」の今月11日号での告知によれば、日書連は「私の書店論」というテーマで懸賞論文を7月1日から2ヶ月間公募するそうです。

懸賞論文公募の実施目的は、以下の通りです。

「出版業界はこの10年間、売上げを減らし続け、2005年の出版販売額は2兆1964億円となりました。これは、15年前、1990年の売上げ水準です。業界の冷え込みは町の小売書店を休廃業に追い込む一方、各地にメディアミックスの複合書店や、8百坪、千坪のメガ書店が出現しています。しかし、そのような大規模書店ですら出版物の販売では十分な利益をあげていないのが現状です。こうした出版業界の長期低迷、書店業界の沈滞を打ち破り、町の本屋を再生するにはどうすればよいのか、広く現場からの書店活性化論を募集します。」

応募資格に制限はなく、書店経営者、従業員、業界関係者、研究者、学生、読者というふうに誰でも参加できます。審査委員をつとめるのは、日書連正副会長、指導教育委員会委員、広報委員会委員長、特別委員とのこと。

応募資格に制限がないのならば、審査員も広い層から集めればいいのにと思います。だって、お客様あっての書店でしょう? 読者の望むような書店像というのと、日書連の審査員の皆さんが思い描く「書店再生論」が同じ方向性だったら幸いですが、日書連の見ようとしている未来と読者が望む未来は果たして同じものでしょうか。

「現場からの書店活性化論を募集」しているわけなので、書店員さんからの応募をメインとしているのだという趣旨はもちろんわかります。しかし読者にも応募資格があると謳っているわけで、読者と書店との間の距離感に自覚的な企画なのかどうかがポイントだと思うのです。読者が書いてもいいよ、ということなんでしょうが、ちょっとオマケっぽいかんじがしないかい?

それと、審査委員の中には作家や識者がいるのかしら(別に彼らが読者を代表してくれるとは期待していませんが)。こういうイベントには政治家も参加させたほうがいいような気がします。出版文化の衰退はすぐれて政治的な問題であると私は確信しています。

テーマ、字数、募集期間、応募先などの詳細は以下の通り。

■テーマ:「私の書店論」「書棚の個性化、語りかける書棚」「こうすれば書店は再生する」「書店にとっての生産性向上、効率販売」「私のプロ書店員、カリスマ書店員」「書店と地域との連携」など。
■字数:400字詰め原稿用紙20枚以内、1枚から応募できます。
■募集期間:平成18年7月1日~8月31日まで2カ月間
■応募先:〒101-0062 千代田区神田駿河台1-2 書店会館内 日本書店商業組合連合会「懸賞論文」係  メール宛先info@n-shoten.jp

※応募原稿には論文のタイトルと住所、氏名、書店名(勤務先)、年齢を添えてください。
※インターネットで応募する場合、A4判横書き、1行40字、36行詰めでご応募ください。

審査の結果優秀だった論文には、特選1名(賞金20万円)、入選3名(賞金各5万円)の枠で表彰されるそうです。入選発表は06年10月27日(金)文字・活字文化の日に行われます。

私自身、これまでメルマガやブログを通じて生意気な(しかし一読者としての切実な願望を込めた)訴えをたびたび書いてきましたが、こうやって「懸賞論文」というハードルを前にすると、応募してみたいような、したくないような、複雑な心境です。

執筆者は単独でなければならないという規定はありませんから、共同で執筆するというのも手だと思います。もともと共同作業の中でディスカッションしていくべきテーマでもあります。私も業界仲間を誘って何か書こうかなあ。

応募総数がどれくらいになるかわかりませんが、400字詰め1枚からOKとのことですし、メールで応募もできるので、そんなに敷居は高くないですよね。ドシドシ応募して、盛り上げたい企画です。この企画が盛り上がるならば、それはすなわち本屋さんという存在がまだまだ期待されているということでしょうから。

by urag | 2006-06-23 21:42 | 雑談 | Comments(0)


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