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2006年 06月 03日

「未来」06年6月号の小特集「ジャン=リュック・ナンシー」

月刊PR誌「未来」の06年6月号は、巻頭が「小特集《ジャン=リュック・ナンシー》」となっていて、以下の三つのテクストが掲載されています。

「言葉の筆――《書評》ナンシー『私に触れるな』 」港千尋
「“winke-winke”あるいは一神教の翻訳可能性――《報告》ナンシー来日講演会・討論会」西山達也
「表象とその条件──ナンシー「禁じられた表象」について」森元庸介

これらの内容については現物をご覧いただくとして、ここではこの西山氏と森元氏のテクストや、誌面に掲載されている広告において明かされている、今後のナンシー関連の翻訳刊行物の予定について備忘録的に書き出してみます。

まず、4月半ばのナンシーの来日講演関連では、月刊誌「水声通信」8月号に、東大駒場での討論会の模様が掲載されるそうです。「水声通信」8月号はナンシー特集号になるとのこと。雑誌のメイン特集でナンシーが採り上げられるのは初めてのことではないでしょうか。

さらに、日仏会館での講演は月刊誌『文學界』7月号に採録されるとのこと。

そして翻訳単行本としては、今夏予定で、現代企画室から『アリテラシオン――ダンスについての対話(仮)』が大西雅一郎と松下彩子の両氏の共訳により刊行されます。本書はナンシーとマチルド・モニエの共著で、版元による紹介文では「ナンシーのイメージ論の重要な側面をなす、ダンス・身体表現をめぐる対話」だとのことです。

そして、同じく現代企画室からは、『キリスト教の脱構築』の第一巻"La Declosion"が刊行される予定だそうです。

***

ナンシーの本ではありませんが、注目しておきたい近刊予告が三つほど言及されていました。

ひとつめは、ピエール・クラストルの『グアヤキ年代記』が毬藻充訳で現代企画室から今夏刊行予定だということです。版元による紹介文には「傑出した思想家/人類学者の主著、待望の翻訳。『国家に抗する社会』(水声社)の基礎となった、先住民社会を探索する思想的冒険」とあります。

そして、次の2点は平凡社から刊行予定だそうです。ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『イメージ、それでもなお』橋本一径訳、ジャック・ランシエール『イメージの運命』堀潤之訳。先日言及しましたが、ランシエールはインスクリプトから今夏、『民主主義への憎悪(仮)』が松葉祥一+鈴木康丈訳で刊行予定になっていますよね。

「VOL」創刊号でもランシエールの論文が翻訳されていましたが、ランシエールは日本で今もっとも注目されている哲学者の一人です。アルチュセールとともに『資本論を読む』(ちくま学芸文庫)を執筆した秀才で、訳書もあります。現代思想の棚作りにおいては欠かせない人物です。バリバールやバディウの本のそば、あるいは近くにジジェクやムフ、ラクラウ、ジュディス・バトラーなどがいてもいいと思います。

以上です。
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by urag | 2006-06-03 20:29 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(2)
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Commented by yn at 2006-06-04 00:56 x
そうです、『水声通信』8月号はナンシー特集です。意外な事に、ナンシーの雑誌メイン特集は日本では初めてのことです(もっとも世界的に見てもまださほど実現されてはいないのですが)。駒場でのシンポジウム全文掲載をはじめとして、豪華な特集に仕上げるべくがんばって準備を進めています。今回の『未来』ナンシー小特集は、3本とも読み応えのある優れた文章ばかりで、ナンシーがやはり重要な思想家であることが再確認できました。
Commented by urag at 2006-06-05 19:14
ynさんこんにちは。コメントをありがとうございます。ナンシー特集楽しみですよね。講演会場の写真も掲載されるのでしょうねきっと。


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