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2006年 05月 26日

「読者の視点に立って」?

新文化」のニュースフラッシュによれば、本日開催された第18回通常総会で、日書連の丸岡会長が次のように言明したといいます。

「読者の視点に立って、1.書店マージンの拡大、2.支払いサイトの延長、3.返品未入帳の改善、4.委託・返品期限の延長等で、物流面の改善を図り、組合書店の経営基盤の整備に全力を尽くす」。

これは、書店と取次との間の取引条件の改善が、書店経営を好転させ、ひいては読者の利益にも通じていく、という主張のように見えます。「読者の視点に立って」という言葉のニュアンスを詳しく聞いてみたいところです。

上記の4つのポイントは、取次を介して版元側が協力しなければ実現は難しいと思います。ところが、版元は版元で(主に小零細出版社ですが)取次に取引条件を改善して欲しいと思っています。

書店マージンを拡大するためには、どうしたらいいのでしょうか。取次に頼らず版元と直取引をすれば解決するでしょうか。あるいは取次への版元の卸正味をいっそう下げて、版元への入金をいっそう遅らせたり一部保留して、あれやこれやの手数料や協力費を更に増やして版元に請求し、返品はすべてフリー入帖を基本にして、委託期限を延長し、注文をすべて延勘か長期にすれば、物流および金融が改善するのでしょうか。

丸岡会長の発言はどこに向けられたものなのでしょうか。取次および大手版元にでしょうか。少なくとも弊社のような零細出版社にとっては、上記の改善策がもし版元への一律負担に転化されるとしたら、悲鳴をあげるどころの騒ぎでは済みそうにありません。

大書店と小書店との間の条件格差や、大版元と小版元との間の条件格差は、こうした改善策の中ではいったいいつ解消される見通しなのでしょうか。書店や版元における正社員とアルバイトの条件格差はどうなるのでしょう。そして、こうした議論の中のそもそもいったいどこに「読者」を位置づけようというのでしょうか。どうもよくわかりません。総会ではきっと、もっとディテールのある話だったのでしょう(?)、たぶん。
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by urag | 2006-05-26 22:43 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
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