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2006年 05月 07日

今週の注目新刊(第49回:06年5月7日)

フッサール現象学における物的ノエマ的なものの超越
テオドール・W・アドルノ(1903-1969)著 服部健二(1946-)+青柳雅文(1974-)訳
こぶし書房 06年4月刊 ¥2,625 46判190頁 ISBN:4875592051
■版元紹介文より:「木そのものは燃える」が、「知覚された木」は燃えるか? フッサール現象学と真正面から対決し、独自の思想形成へと歩み始めた最初期アドルノの学位論文を訳出。
■原書:Die Transzendenz des Dinglichen und Noematischen in Husserls Phaenomenologie.

エドワード・サイード OUT OF PLACE
シグロ編 佐藤真+中野真紀子著
みすず書房 06年4月刊 ¥2,100 46判256頁 ISBN:4622072114
■版元紹介文より日本屈指のドキュメンタリー映画作家・佐藤真による渾身のロードムービー『エドワード・サイード OUT OF PLACE』の採録シナリオ全編(画面抜きのショット58点+監督の補足説明)、ロケハンから編集にいたるまでを詳細に綴った監督の制作ノート(撮影風景ほかスチール14点+地図1点)に加え、チョムスキー、バレンボイムほか本編でカットされた膨大な関係者インタビューを復元収録。パレスチナ周辺で何が起こり、何が考えられているかについて明快なメンタルマップを提示する最良のサイード入門書。

ユダの福音書を追え
ハーバート・クロスニー著 関利枝子ほか訳
日経ナショナルジオグラフィック社=発行 日経BP出版センター=発売 06年5月刊 ¥1,995 46判390頁 ISBN:4931450601
■版元紹介文より:1700年前の禁断の書「ユダの福音書」に記されたイエス最後の日々。発見、復元、解読に迫った衝撃のドキュメント。
●「ナショナル・ジオグラフィック日本版」06年5月号でも「ユダの福音書を追う」という特集記事が読めますが、さほど情報量が多いわけでもないので、本書を読まねばなりません。けっこう売れているようで、品切の本屋さんもちらほら。グノーシス系偽典と思しき「ユダの福音書」については先日一言書きました。
●著者のクロスニーには、『イスラムの核爆弾――中東に迫る大破局』(スティーヴ・ワイズマンとの共著、日本経済新聞社、1981年刊)という共著があります。ハーバード卒のジャーナリスト系作家で、CBSのドキュメンタリー番組の製作などにかかわってきた人のようです。

『ヴィーナスの誕生』――視覚文化への招待
岡田温司(1954-)著
みすず書房 06年4月刊 ¥1,365 46判168頁 ISBN:4622083183
■版元紹介文より:美術作品は、私たちの感性と知性の両方を楽しませてくれるものです。また、歴史を理解するとは、知性と同時に想像力を豊かに働かせることでもあります。だから、このようにしてボッティチェッリの作品を語ることは、そのための格好の視点を提供することになるでしょう。絵画の深奥とその文化背景、壮大な世界へ案内します。
●中公新書の一冊として昨年刊行された岡田さんの『マグダラのマリア』は、「ダヴィンチ・コード」ブームで随分売れているそうですね。岡田さんの精力的な執筆&翻訳活動には目を瞠るものがあります。

利己的な遺伝子 〈増補新装版〉
リチャード・ドーキンス著 日高敏隆+岸由二+羽田節子+垂水雄二訳
紀伊国屋書店 06年5月刊 ¥2,940 46判558頁 ISBN:4314010037
■版元紹介文より:生物界を操る利己的遺伝子の真相に迫る、世界の思想界を震撼させた天才的生物学者の洞察。初版刊行30年を記念した、新組・美装の新版(第三版)。
●ドーキンスによる「30周年記念版への序文」と、W・D・ハミルトン、ピーター・メダワー卿、ロバート・レウィンの3名による書評が新たに掲載され、文字の大きい新組みで読みやすく、索引もいっそう充実しているとのことです。翻訳初版本では『生物=生存機械論』というタイトルでした。

24時間の明晰夢――夢見と覚醒の心理学 〔新装版〕
アーノルド・ミンデル(1940-)著 藤見幸雄+青木聡訳
春秋社 06年5月刊 ¥2,940 46判312+15頁 ISBN:4393364864
■帯文より:〈夢の修行〉がもたらす癒しとスピリチュアルな変容! 現実は日常世界と〈夢〉の世界との交流の上に成り立っているというミンデル理論の実践編。仏教、老荘思想、シャマニズム等を援用し、いのちの全体性を回復しようとするプロセス指向心理学の試み。
■原書:DREAMING WHILE AWAKE: techniques for 24-hour lucid dreaming.
●初版本は2001年刊。あえて言っておきますと、SFアニメ「ゼーガペイン」に興味津々な方は、ミンデルの本書から思いがけない冒険を得ることができると思いますよ。私がもし書店員だったとしたら「ゼーガペインを読み解く棚」をでっち上げちゃうところです。

書店ポップ術――グッドセラーはこうして生まれる
梅原潤一(1963-)著
試論社 06年5月刊 ¥1,890 A5判195頁 ISBN:4903122042
■帯文より:売上げデータが満載! 書店も本もこんなに面白い!!  ポップひとつで、売上げが激増!? グッドセラーの仕掛け人が、ポップ製作の裏側を初めて語る。思わず「おっ!」と立ち止まる、梅原ポップを大公開!!
●著者は有隣堂ランドマークプラザ店のフロアマネージャー。文庫を主に担当されているようですね。本書は「ポップ使用前後の販売実績データ」を掲載し、「貫井徳郎氏をはじめ、各出版社・書店の方々の応援コラム『梅原ポップの「ここがスゴイ」』も掲載」しているとのこと。業界人必読といったところでしょうか。ポップは本屋さんによってはまるっきり作らないお店やチェーンもありますが、読者としてはポップに書いてある「本屋さんの肉声」は絶対見るし、惹かれますよね。
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by urag | 2006-05-07 23:10 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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