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2006年 01月 20日

没後十年のドゥルーズ論集とアルバム

二日遅れの投稿ですが、1月18日はジル・ドゥルーズ(1925-1995)の誕生日でした。生きていれば81歳ですか。パリに生まれ、パリに死んだドゥルーズ。昨年11月4日は没後十年ということで、河出さんが「道の手帖」シリーズでガイドブックを編まれたりしました

フランスでも11月にいくつか回顧的な書籍が出ましたが、中でも下記写真の2点は印象的でした。
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Deleuze épars: approches et portraits
Hermann Éditeurs des Science et des Arts, ISBN2-7056-6487-4, 35 euros.

本書はAndré BernoldとRichard Pinhasの編纂になるアンソロジーです。Pinhasさんと言えば、約四年前にドゥルーズの幻の著書『マルクスの偉大さ』について取材させていただいたことを思い出します。

本書の目次は以下の通りです。

"Présentation" André Bernold, Richard Pinhas
"Les différences parallèles. Deleuze et Derrida" Jean-Luc Nancy
"Un mysticisme athée" René Schérer
"Deleuze-Sartre: pistes" Jeannette Colombel
"Images-Deleuze" Roger-Pol Droit
"L'invitation" Pascale Criton
"Deleuze dos à dos et de face" Jean Pierre Faye
"Comment peut-on être deleuzien ?" Arnaud Villani
"L'empirisme comme apéritif (une persistance de Deleuze)" Philippe Choulet
"Mauvaises fréquentations" Richard Zrehen
"Le rêve de la Vallée des Reines" Raymond Bellour
"Locus Altus" Jean-Claude Dumoncel
"Deleuze millénaire, ou Au-delà du tombeau" Charles J. Stivale
"Pays de danseurs, et de rythmes boiteux" Jérôme Cler
"Dialogue entre Hylas et Philonous sur Geer van Velde" André Bernold
"Bibliographie raisonnée de Gilles Deleuze, 1953-2003" Timothy S. Murphy
"Théorie des multiplicités chez Bergson" Extraits en fac-similé d'une conférence de Gilles Deleuze

なかなか充実していると思います。随所にドゥルーズの写真(大半はHélène Banbergerか、Marie-Laure de Deckerによる撮影)がちりばめられ、本書の中ほどには、Simon Hantaïのタブローがカラーで掲載されています。目次にある通り、巻末ではドゥルーズの肉筆原稿を見ることができます。とても勢いのある筆遣いです。思考のスピードに追いつこうとして飛ぶように書いている感じ。

なお、本書に掲載されている写真はほぼ、ポンピドゥー・センター出版部より刊行された以下のアルバム本でも見れます。

Deleuze, un album
Éditions du centre Pompidou, ISBN2-84426-294-5, 19.90 euros.

幼少の頃から晩年までをざっと見通すことができ、日本の読者にはほとんどが初見の写真になるかと思います。友人とともにくつろいでいる場面や家族との写真などのごく私的なものが目立つせいか、タイムマシンに乗って、ごく間近で彼の生涯を見つめるかのような感覚になる、とても良いアルバムだと思います。

満員の教室で、大きな身振りで講義している場面なども印象的です。私は本書でクレール・パルネさんのお顔を初めて見ました。1975年の写真。とても綺麗な女性です。折々に映っているドゥルーズ夫人のファニーさんも素敵な方ですね。

本書には以下の二つのテクストも含まれています。

"Seules les images..." Dominique Païni
"Signaux pour Gilles Deleuze" Hubert Damisch

アマゾン・フランスでは両方をセットに見立てて販促していますが、まさに両方購入して損はないのではないかと思います。ぜひ皆様もどうぞ。(H)
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by urag | 2006-01-20 21:50 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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