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2006年 01月 13日

第三書館VSトーハン

版元69社の連携団体「版元ドットコム」さんの「版元日誌」、皆さんは読んでいらっしゃいますよね。同団体に参加している各版元の社員さんが順番に寄稿している連載で、中小出版社の内側やそこで働いている人々の日常が窺えて、私は毎回楽しみにしています。

今週更新された記事は、第三書館の北川明さんによる「『テロ死/戦争死』は死なず」。同社の新刊『テロ死/戦争死』がトーハンをはじめとする取次各社に委託配本を拒否されて、それにどう対抗したか、という出版人なら当然盛り上がる実話が公開されています。実に痛快な展開。

私はこの写真集の中味を見たわけではないので、本についての感想は書きませんが、取次各社が「拒否」した経過は想像に難くありません。ただ、内容の是非はともかくとして、一社が拒否したことを、その他の取次が拡販のチャンスと捉えなかったのは何とも「残念」です。今や、横並びなんかをしている場合じゃないのではと思うのですが(という言い方はちょっと揶揄に過ぎるかもしれませんけれど)。

取次に新刊の見本出しをしたことのある営業マンなら、恐らく誰しも、心情的には似たような「攻防」を経験したことがあるはずです。私も当然あります。しかしそれにしても、取次の仕入窓口というのはタフな仕事ですね。毎日何十社もの営業マンと対峙し、神経をすり減らしていることでしょう。いつなんどきケンカが始まってもおかしくはない。営業マンも仕入窓口もツライよ、といったところでしょうか。

ちなみに新刊の見本出しというのは、営業マンが新刊を事前注文書などと一緒に取次各社の書籍仕入窓口に持っていき、発売日(取次搬入日)や配本部数を交渉する一連の作業を言います。大手版元は別として、中小の版元にとっては新刊の勝負の行く末がおおよそ決まる「現場」です。版元VS取次の力関係が赤裸々に見えてくる機会なので、読者の皆さんにしてみると興味が沸くところかもしれませんね。

ちなみに北川さんの記事にはこんな一節もありました。「新聞広告代理店からも思いがけない反応があった。一面三八ツに出稿しようとしたら、取次が委託しない本の広告は本ではなくて一般物販扱いだから何倍か高い別料金だというのだ」。これにはさらにびっくり。正直そんなことがあろうとは知りませんでした。腹立たしいことです。(H)
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by urag | 2006-01-13 23:16 | 雑談 | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from ある編集者の気になるノート at 2006-01-15 16:25
タイトル : 最終的に本を「裁く」権利は、読者にある。
仕事に追われて、これらの記事をスルーするところでした。 編集者の端くれとして、まことにお恥ずかしい。 ・『テロ死/戦争死』は死なず(版元ドットコム) トーハン仕入担当者の思いがけない一言を耳にするまで、私は極めて楽観的だった。(注 『テロ死/戦争死』に)収録された写真はいずれも生々しい死の現場ばかりだが、イラク戦争の、あるいは「テロとの戦い」の現場のありさまをストレートに伝える写真ばかりだ。(中略)サマーワの自衛隊の撤退も含めて、全国の書店の棚で話題をさらうのではないか……。 「これは...... more


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