2005年 12月 21日

T・リアリー『死をデザインする』がアップリンクより発売

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私の書斎の「アメリカ棚」の一隅を占めるティモシー・リアリー(Timothy Francis Leary, 1920-1996)の数冊の本たちの傍らに新しく今月加わることになったのが、この『死をデザインする』です。

死をデザインする
ティモシー・リアリー著 栩木玲子(とちぎ・れいこ)訳
アップリンク=発行 河出書房新社=発売 05年12月 本体2286円 B6変形判函入413頁 ISBN4-309-90659-1

■函に印刷されたキャッチコピーより:誰にでもやってくる終幕を迎えるにあたり、計画を立て、遊び心を忘れず、細かく配慮し、しかもエレガントに準備するために。

■目次より:
ティモシー・リアリーによる序文
R・U・シリアスによる序文
第一部 生きること
 1 生の意味って何?
 2 サイバー航行――現代の錬金術
 3 言語
 4 ドラッグ
 5 心理学
 6 突然変異
第二部 死ぬこと
 7 死ぬんだって? じゃあパーティを開こう
 8 道中のための最後のタブー
 9 死に近づくことをデザインする
10 死は究極のトリップだ
第三部 デザインされた死
11 進化メニューから代替テクニックを選ぶ
12 オプションとしての人体冷凍術
13 ナノテクノロジー
14 二一世紀――サイボーグ化とポスト生物学的死のための選択肢
15 ティモシー・リアリーの最終脱出
補遺 友人たちの記憶によるティモシー・リアリーの死のパフォーマンス
訳者あとがき

■原書:"Design for Dying" by Timothy Leary with R. U. Sirius, 1997, Harper Collins.

透明の函に真っ白なペーパーバックという洒落た造本です。デザインされたのは、桐林周布さん(AMANE DESIGN)。アップリンクさんの本はいつも造本が素晴らしく、もちろんコンテンツも個性的で、所有する喜びを毎回感じます。

リアリーの相変わらず「自由」な発言の数々は本書に目を通していただくこととして、巻末の「補遺」に収められたリアリーの38人の友人たちがリアリーから何を「レッスン」として学び、何を「いちばんの思い出」にしているのか、それぞれの興味深いエピソードの中から、最後に掲げられたとても印象的なお話をご紹介します。

「ティムとの大切な思いではそれこそ数え切れないが、今のところほんとうにいちばんの思い出はティムからもらったeメールだろう。それは彼が亡くなって一ヶ月後に届いたものだ。「ロバート、調子はどうだい。あちら側から挨拶をしようと思ってね。…ここは思ってたのとはちょっと違うよ。悪くはないけど混んでるな。…みんな元気で。愛をこめて、ティモシー。」 リアリー博士のあまたある冗談の中で、これは私にとっては最も忘れがたいものだ。」(ロバート・アントン・ウィルソン)

じわっと来るものがありませんか。リアリーって素敵だなあ。死後に友人にEメールを届けるサービスをやっている会社があったと思いますが、私もこういう冗談なら真似してみたいです。

ちなみに本書の下に映っているのは、以下の三冊です。

『神経政治学――人類変異の社会生物学』山形浩生訳、1989年5月、トレヴィル
『フラッシュバックス――ティモシー・リアリー自伝 ある時代の個人史および文化史』山形浩生ほか訳、1995年2月、トレヴィル
『大気圏外進化論』菅靖彦訳、1995年10月、リブロポート

どの本もデザイン、コンテンツともに最高です。私はどれも同時代的に購読してきましたが、現在は絶版なのが残念です。歳をとって得した気分になるのは、若い人と比べて蔵書の厚みが必然的に違ってくるところでしょうか。

古書店で見かけたらぜひ買ってください。このほかに、リアリーが『バルド・ソドル』を朗読している音楽CDなども持っていますが、聞きとおすには正直退屈な代物で(あくまでも私個人の感想)、そこらへんにうっちゃってます。(H) 
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by urag | 2005-12-21 23:00 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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