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2018年 02月 08日

「みすず」読書アンケート、紀伊國屋じんぶん大賞、和辻哲郎文化賞、新書大賞、ほか

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月刊誌「みすず」667号(2018年1/2月号)の読書アンケート特集で、弊社より昨夏に刊行したジャコブ・ロゴザンスキー『我と肉――自我分析への序論』を、廣瀬浩司さんと十川幸司さんが取り上げて下さいました。廣瀬さん曰く「多かれ少なかれハイデガーからの近さと遠さで規定されてきた、フランス現象学の総括の書」(44頁)、十川さん曰く「今年最もインパクトを受けた本」(97頁)と。

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また、今月19日(月)に贈賞式が行なわれる「紀伊國屋じんぶん大賞2018」の記念小冊子ができあがり、紀伊國屋書店さんの店頭で配布開始となっています。「キノベス!2018」とのカップリングの豪華なフルカラー冊子です。一年前に刊行した、星野太さんの『崇高の修辞学』が12位にランクインしており、未來社社長で詩人・批評家の西谷能英さんのコメントが掲載されています。同コメントは紀伊國屋書店さんのウェブサイトでも読むことができます。

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弊社より先月末、W・メニングハウスの訳書『生のなかば――ヘルダーリン詩学にまつわる試論』を上梓された竹峰義和(たけみね・よしかず:1974-:東京大学大学院総合文化研究科准教授)さんが、一昨年のご高著『〈救済〉のメーディウム――ベンヤミン、アドルノ、クルーゲ』(東京大学出版会、2016年)により、第30回「和辻哲郎文化賞」学術部門を受賞されました。竹峰さんの「受賞の言葉」や、選考委員の野家啓一さん、関根清三さん、黒住真さんの選評はこちらで読めます。

なお、先の「みすず」誌では杉橋陽一さんが竹峰さんの共訳書、ミリアム・ブラトゥ・ハンセン『映画と経験――クラカウアー、ベンヤミン、アドルノ』(法政大学出版局、2017年)や、昨年末の訳書であるテオドール・W・アドルノ『模範像なしに――美学小論集』(みすず書房、2017年)などを挙げて「ハンセンの訳書といい、アドルノの訳書といい、エネルギッシュかつ緻密な竹峰義和の仕事ぶりに感嘆する」と絶賛されています。弊社よりまもなく発売となる「多様体」第1号でも竹峰さんの翻訳によるハンス・カイザー『アクロアシス――世界の調和学についての教え 第一章~第四章』をお読みいただけます。

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弊社よりジュディス・バトラーの訳書『自分自身を説明すること』『権力の心的な生』を上梓された佐藤嘉幸さんと清水知子さんがバトラーの近著『Notes toward a performative theory of assembly』(Harvard University Press, 2015)の訳書『アセンブリ――行為遂行性・複数性・政治』を青土社さんから先月刊行されました。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。佐藤さんによる巻末解説「アセンブリ、不安定性(プレカリティ)、行為遂行性(パフォーマティヴィティ)」によれば、本書は「2010年のチュニジア・ジャスミン革命、2011年のエジプト革命に始まる「アラブの春」、同じく2011年に始まるオキュパイ運動の影響下で、アクティヴィストらとの対話を背景として書かれたもの」とのことです。

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青土社さんの「現代思想」2月臨時増刊号は総特集「ハイデガー――黒ノート・存在と時間・技術への問い」と銘打たれており、M・ハイデガーの未訳論考「エルンスト・ユンガーへ」(山本與志隆訳)のほか、弊社でお世話になっている著訳者三氏の論考を読むことができます。初期ハイデガー論である『存在とロゴス』を上梓された阿部将伸さんによる論考「「様態的存在論」をめぐって――初期ハイデガーにおけるナトルプ批判とアリストテレス解釈」、ジョン・サリス『翻訳について』の訳者・西山達也さんによる「翻訳不可能なリズムをめぐって――ハイデガーによるアリストテレス読解の一側面」、ポール・ド・マン『盲目と洞察』の共訳者・宮﨑裕助さんにとよる「プロト脱構築について――ルター、ハイデガー、デリダ」などです。目次詳細は誌名のリンク先でご確認ください。

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「新書大賞2018」に今年も投票させていただきました。ベスト20は、まもなく発売となる「中央公論」2018年3月号に掲載されています。毎度のことですが、ベスト20と重複する私の選書はありませんでした。私は以下の書目を選んでコメントしています。141頁掲載。

『アナキズム入門』森元斎著、ちくま新書
『僕らの社会主義』國分功一郎/山崎亮著、ちくま新書
『フリーメイソン』橋爪大三郎著、小学館新書
『人類の未来』チョムスキーほか著、NHK出版新書
『バルカン』マーク・マゾワー著、中公新書

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by urag | 2018-02-08 12:27 | 広告・書評 | Comments(0)


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