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2005年 10月 18日

来週発売、伴田良輔訳『肉体美大全』東洋書林

a0018105_1124883.jpg来週店頭発売開始となる、ジュリアン・ロビンソン著『肉体美大全』(伴田良輔訳、東洋書林、A5判上製293+9頁、本体2,800円、ISBN4-88721-701-3)をご紹介します。

原著は1998年刊の"The Quest for the Human Beauty"です。全頁にわたって図版が満載で、人間が自らの肉体をいかに美しく見せるために心を砕いてきたか、そのめくるめき多様な形式と実用例を世界各国の文化文明の実際から博引傍証してみせる、たいへん賑やかな本です。これで2,800円は安いなあ。

人類学の本としても確かに面白いですが、ひょっとすると、デザインやアパレル関係の書棚でより多く売れるかもしれません。いわゆる「本籍」よりも別の売場でのほうが売れた、という例はこれまでも色々あります。

たとえば本書の版元である東洋書林さんのほかの例では、『錬金術大全』がコミック売場でバカ売れしたと聞きます。皆さんはもうお分かりかと思いますが、『鋼の錬金術師』の影響です。たしかに、私の書斎に甥と姪が先日遊びに来たとき、錬金術関係の書籍を見つけてはヴィヴィッドに反応していました。それらはごく硬派な研究書だったのですが、関心があるようです。

『新世紀エヴァンゲリオン』がかつて大ヒットしたときには、柏書房の『死海文書の謎』がやはりコミック売場で大売れしました。業界では有名な先例ですね。

東洋書林では『錬金術大全』をかつて人文書売場で販売してもらっていたときには、ゆっくり数年かけて初版を売り切ったそうですが、ブームを受けて新装版にして、コミック売場で展開したら、人文書売場での売上よりも倍多い冊数が短期間で売れたそうです。

今回の『肉体美大全』も、人文書よりほかの売場でもほうが売れるのではないか、と思わせる出来栄えです。サブカル棚でもいいですし、タトゥーやピアッシング、スカリフィケーション等々の身体改造の関連書棚(ってあるのかないのか)、また、さっき述べたとおり、デザイン書やアパレル関連の書棚でも目を惹くだろう商品です。装丁も綺麗で、なおかつインパクトがあります。

伴田さんの編著書や訳書を愛読されてきた方はわかると思いますが、今回も間違いなくマニアックで、面白いです。しかも、しっかり内容があって読ませます。

現代人の「改造」志向についてはたとえば「BME JAPAN」(心臓が弱い方もいると思うのでリンクしません)などを参照されると良いと思いますが、本書『肉体美大全』では、現代だけではなく、洋の東西を問わずそれ以前の歴史や、あるいは古くから続いているエスニックな「改造美」文化を紹介していて、幅が広いです。美というのは文化によって様々な異なる形態のもとに表象されるものなのですね。

美醜の彼岸をも垣間見たい読者には、作品社の『でぶ大全』や原書房の『図説 奇形全書』などをご紹介しておきます。どちらもマジメな本ですが、強烈です。(H)
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by urag | 2005-10-18 23:05 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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