ウラゲツ☆ブログ

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2016年 02月 18日

備忘録(22)

◆2016年2月18日19時現在。
「Jタウンネット」2月18日付記事「つくばの名物本屋が突如閉店...「友朋堂ロス」に襲われる人続出! 地方書店はこれからどうなるのか」が友朋堂さんの閉店を惜しむ皆さんの声をまとめておられます。斎藤環先生曰く「友朋堂復活ボタンが1人1万円で押せるとしたら今なら50連打くらいしてしまう自信がある」。50回! 斎藤先生はこのほかにもこんなことをつぶやいておられました。その1「なんと友朋堂吾妻店が閉店とな。最近ご無沙汰ではあったけど、つくばでは数少ない大型書店だったのに。思えばこの店で『バオー来訪者』を購入したのが荒木信者の入り口だったなあ…」。その2「これ〔「つくばの名書店『友朋堂』の閉店に、つくば民の愛とロマンティックが止まらない。 」〕読んでたら泣けてきた。期末試験が終わってまず向かったのはアンブッシュ(レンタルレコード)、そして友朋堂。自分の本を置いてもらって誇らしかったのは大学内の丸善よりも友朋堂だった」。

また、周知の通り、ひょうたん書店さんの閉店を惜しむ声も「鹿児島のコミック専門店ひょうたん書店さんの閉店の案内とお客さんたちのつぶやき」としてまとめられています。店頭の写真の数々が圧巻です。

ここまでのところ太洋社さんの自主廃業関連での帳合書店の閉店は東京商工リサーチさんによる判明分だけでも:
つくば・友朋堂書店さん・・・店売終了(3店舗)、外商を継続。
鹿児島・ひょうたん書店さん・・・店売終了(1店舗)、通販を継続。
豊橋・ブックランドあいむさん・・・店売終了(1店舗)。
熊本・ブックス書泉さん・・・店売終了(1店舗)、外商を継続。
となっています。むろん、帳合変更を済ませたと伺っている書店さんもいらっしゃって、愛知・岐阜に展開されている某チェーン店さんや、新潟の某チェーンさんについてはすでに他帳合の番線でご発注されているようです。

その一方で、こんな情報を耳にします。
小山助学館鳴門店さん、2月29日閉店予定。
祖師ヶ谷大蔵・文芸書林さん、3月31日で閉店予定
さいたま市・愛書堂書店さん、休業準備に。

栗田のように民事再生にした方が帳合書店さんを救えたのでは、という声もあるかもしれませんが、そもそも民事再生の場合は債権者の大多数の同意が必要なので、栗田民事ですでにダメージを食らった出版界としては、太洋社さんがもし民事再生申請となったとしても支えるのは厳しかったかもしれません。だからこそ自主廃業を目指すと聞いて版元はいったんは安堵したわけですが、こうして街ナカ書店さんが消えていくのを目の当たりにして、絶句せざるをえない状況に陥っています。これが現実だとしても。これが競争原理の結末だとしても。版元とて明日は我が身なのだと気づいています。

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◆2月19日23時現在。
出版社様向け太洋社説明会議事録」(注:議事録自体へのリンクではありません)。説明会を欠席した遠方の版元や記録を要求した版元に送っていると思しき資料、でしょうか。初耳です。

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◆2月22日午前10時現在。
太洋社國弘社長記名の2月22日付文書「中間決算書送付および弊社の状況ご報告」がFAXで届きました。宛名は「お取引出版社様/お取引書店様」で報告書がA4用紙3枚、「貸借対照表(H27年12月31日現在)」1枚、「損益計算書(H27年7月1日から12月31日まで)」1枚。

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◆2月22日午前11時現在。
鹿児島・ひょうたん書店さんの一連のツイートです。

「「☆お客様へご案内☆」
2月20日夜8時より、西田店内にて
最後のご挨拶の場を設けることとなりました
(夜7時頃より入店可)
当店代表・スタッフ一同によるご挨拶
ささやかなお礼と寄せ書きノート等の設置。
イベント・サークル紹介の場と時間
(飛び入り可)を設ける予定です。」

「今回の突然の閉店にあたり
お客様に対してのお詫びと
今までの感謝の気持ちを込めての
ご挨拶の場となります。
また、今後もこの鹿児島での
お客様同士の交流が続くようにとの
願いを込めて
イベント・サークル紹介の場と
お時間も用意いたします。」

「この場を借りて新たな仲間を募りたいという
サークル・イベント等の主催者様がいましたら、
配布物等をご用意のうえお越しください
(自己紹介の時間も作ります)。
なお、当日お車でお越しのお客様は、
恐れ入りますが周辺のコインパーク等をご利用下さい。」

「また、時間については、
2月20日の夜7時頃より入店可、
夜8時頃より開始。以降、
夜10時前後の終了を予定しております。
20日の開催というタイミングでの急ぎの告知となり、
お客様には最後までご迷惑をおかけしますが、
なにとぞよろしくお願い致します。」

そして、関係者と思しき方のツイートと写真。
「これでほんとうに。おわり。」
「「昨日(20日)はお客さんとのお別れ会で、お店には100人近くの人が集まってくれまして。家に帰れたのは夜の2時とかそんなで。ちゃんとみんなにありがとうと言えてよかった。」
「うちの上司も言っとったけど、今回の閉店は、結果としては太洋社に巻き込まれた形ではあるんだけど、太洋社で無かったらここまでこんなに長く続けられなかっただろうというのも本当で。細かい所まで良くしてくれたのよ。」

お別れ会に参加したと思われる方のツイート
「ひょうたん書店お別れ会の冒頭のあいさつで、ネットでは閉店は取次の太洋社せいだという意見もあったが、自由な店づくりをさせてもらったのは太洋社のおかげと感謝の言葉があったし、他の取次に変えて続ける選択肢は、今と同じようにはできないと判断して敢えて閉店を選択したとお話があった。」

同書店ウェブサイトに掲出された「ひょうたん書店スタッフ、感謝のメッセージ」より。

栗之丸さん「遠くにいても繋がってるしこのコミニュティは不滅だ! 」
山之内さん「人生で大切なのはお金もだけど人だと最終日に思い知らされました。キングダムの40巻のとおり人は光です。次につなぐです。」
筒口さん「ただの客の立場から、ひょうたんに関わることになり、なんだかんだで20年。色々とありましたが、思い出されるのは楽しかった記憶ばかりです。いち個人としても、そんじょそこらでは経験できないことばかりで、アニメ・マンガ・ゲーム等の現場の最先端に立つ、一人の当事者として接することができたのは本当にありがたいことでした。」
勝田さん「ひょうたん書店は皆様をはじめ出版社様、弊社取次会社様のご協力のお蔭で30年間営業することができました。皆様のご来店・熱意、出版社様、弊社取次会社様の多大なるご支援がなければこんなにも長く営業することはできなかったと確信しております。弊社取次会社は微力な私共をいつも支え、応援していただきました。小さいながらも皆様に親しまれるお店を作れてたのも弊社取次会社のお蔭だと言っても過言ではございません。お客様・出版社様・取次会社様が一つになってひょうたん書店が作り上げれた事を忘れないで下さい。」

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◆2月22日16時現在。
「東京商工リサーチ」2月22日付速報「[埼玉] 書店経営/愛書堂書店/~太洋社の自主廃業影響で休業へ、影響は7店舗目~」に曰く「愛書堂書店(さいたま市桜区白鍬686-8、事業主:宇山七海子氏)は、2月末で運営する書店「愛書堂書店」を休業する。/創業から約40年の老舗書店で、首都高速埼玉大宮線の与野インターチェンジに近い住宅街で「愛書堂書店」を経営。文庫や雑誌のほか文房具なども取り扱い、周辺地元に固定客層を持っていた。しかし、少子高齢化の影響で次第に来店客が減少したため、店頭小売の営業日を減らし、さいたま市内向けの配達に注力していた。〔・・・〕他の取次業者と帳合変更の交渉を進めたが、条件面で折り合いがつかなかったことや、太洋社に対する保証金の返還を早期に受け、現在検討している新規事業へ投入する方が得策であると判断し、2月末で「愛書堂書店」の全事業(店売小売・配達)を休業することを決断した。/今後について愛書堂書店では、「他の取次業者と再交渉し書店を再開するか、あるいは、書店を閉店した上で貸しスペースなどの書店以外の利用を検討している」としている」。

版元・書店各社に今朝FAXで届いた太洋社の文書については「新文化」2月22日付記事「太洋社、厳しい進捗状況を報告」をご参照ください。

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◆2月22日17時現在。
某書店の現況。写真その1その2その3

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◆2月23日15時現在。

おさらい。「東京商工リサーチ」2月22日付速報「[東京] 書籍取次/(株)太洋社/~取引先へ平成28年6月期中間決算を通知~」に曰く「自主廃業への進捗状況は、取引のある約50社(約350店舗)については帳合変更のめどがついたものの、それ以外の書店は「いっこうに帳合変更が進んでいない状況」(会社側)。これに伴い、28年2月末時点の帳合変更による売掛金の回収実績は約9億400万円にとどまる見通し。帳合の変更が進まない書店に対しては、「帳合変更を諦め、個別取立の強化を検討せざるをえない事態」(会社側)となっている。/太洋社の現状は、2月8日に取引先向けに開催した説明会の報告に比べて財務状況が傷んでいる実態が浮き彫りとなり、「帳合変更に伴って返品された在庫にかかる販売正味金額合計から仕入正味金額合計を差し引いた差額を、取引書店に支払いすることができなくなるおそれがある」(会社側)という。今後については、引き続き帳合変更を進めるほか、出版社にも商品供給の継続を改めて求めている。なお、太洋社は「通知した内容に関してはコメントできない」としている」と。

おさらい。「おたぽる」2月23日付、昼間たかしさん記名記事「大手書店にも経営危機のウワサが……太洋社の自主廃業をめぐり、日本の書店と出版社の苦難は終わらない」に曰く「新たに閉店するのではないかというウワサが飛び交っているのが、首都圏のターミナル駅周辺に多くの店舗を構える大手書店だ。/「この書店では、太洋社の自主廃業を受けて、トーハンに太洋社が担っていた部分の帳合変更を交渉したのですが、不採算店舗で未払いが発生していることを理由に断られたというのです」(出版社社員)/この書店ではすでに、各店舗で新刊がほぼ入荷しないという状態。一時は支援先が見つかったとの話もあったが、不採算店舗の状況を見た支援先が、突如支援を拒否したという話も。いずれにしても、2月中の状況を見て、事業継続か閉店かを迫られる状況になっているという」。コメント欄付のYahoo!ニュース版はこちら

おさらい。「ビジネス・ジャーナル」2月20日付、佐伯雄大さん記名記事「アマゾンと出版社、容赦ない取次「外し」加速…問われる取次の存在意義、存亡の危機か」の末尾に曰く「ある出版社社員は言う。「〔・・・〕ただ、これだけ本が売れない時代に、売れる本だけは、その売り上げを最大化したいという切羽詰まった考えもあります。書店と取次の力が落ちていけばいくほど、出版社はアマゾンに寄りかかっていかざるを得ないという状況になっているのです。それが出版業界を破壊するとしても、業界が新しく生まれ変わるきっかけだと信じて、その道を行くしか選択肢はありません」」。コメント欄付のYahoo!ニュース版はこちら

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◆2月23日16時現在。
今週金曜日26日で営業終了予定の太洋社神田店売の店頭の様子を書店さんがツイッターで写真とともに伝えておられます。その1「さてさて本日は閉店が2/26に迫る太洋社神田店売に行ってきました。結果的には特大のトートバッグパンパンになるほど仕入れました。それぞれのフロアの商品はもう半減しています。がコミック新刊はまだ入荷しています。」その2「(太洋社店売続き)1Fの売れ行き良好書コーナーもまだ残っています。あっ撮影の許可はいただいております。最終日まで雑誌・コミックの新刊は入荷するとのこと。既刊本については徐々に撤去がすすんでおり、あまり期待しないでくださいね。 」コミック専門の書店さんにとって太洋社神田店売の存在が価値あるものであったことが伝わってきます。

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◆2月24日17時現在。
フリーライター・岩本太郎さんが今日ご自身のブログに「”街の本屋さん”が死滅する日(太洋社問題:出版流通はもはや重度の糖尿病患者状態なのか?)」というエントリーを投稿されています。末尾近くに曰く「古くからこの国の出版業界を支えてきた流通システムは、今や動脈のような中央部分を何とか守りつつも、その先の全国津々浦々にある町や村まで「割と」あまねく広く雑誌や書籍を毛細血管のように届けてきたのが、今や重度の糖尿病患者みたいに手足の部分が壊死して切り落としたり、目が見えなくなったりといったのとあたかも似たような状況になっているとは感じていたけど」と。

とても的確な譬えです。あえて露悪的に補足すれば、この毛細血管は一方で好条件版元が書店から血を吸い上げるための管でもあったわけです。版元と書店のあいだにいる取次は重要かつ優秀な中継地点にして調整弁、ハブであり、第三位や第四位はハブであるがゆえに倒れることが許されず、両脇を抱えられて強制的に立たされているのだとも言えます。ある勢力にとっては、ハブが生きているか死んでいるかはどうでもいいのかもしれません、ハブとしてもうしばらく機能し続けてくれさえすれば。ちなみに好条件版元にとっては書店だけでなく、零細版元もまた、調整弁の接続先となります。

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◆2月25日午前11時現在。岩本太郎さんの昨日のインスタグラムに芳林堂書店高田馬場店の入居するビルの外観や看板、店頭の張紙の写真あり。張紙には従来の告知文のほかに「2/3~ 週刊誌入荷ございません」と赤いペンの手書きのメモ紙が無造作に付け足されています。岩本さんのコメント末尾に曰く「ちなみに同店には文具売り場もあるが、店内に貼られた文具安売りセールの案内によると、セール期間は「2月29日まで」となっていた」と。今月末が同書店にとってひとつの区切りになっていることが窺えるかもしれません。

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by urag | 2016-02-18 19:41 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
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