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2015年 12月 03日

備忘録(12)

◆2015年12月3日15時現在。
小田光雄さんの「出版状況クロニクル91(2015年11月1日~11月30日)」が一昨日、そして佐伯雄大さんの記名記事「あの取次最大手、本業赤字転落が激震!出版業界、ついに本格的崩壊開始の予兆」(「Business Journal」12月2日付)が昨日配信され、業界でよく読まれているようです。

小田さんの記事で特に注目したいのは、新潮社の佐藤信隆社長による、図書館での新刊貸出猶予についての提言に寄せて書かれていることです。「町の中小書店と公共図書館の棲み分けの問題、それに連なる公共図書館の蔵書と在り方に関しての論議もなく、各自治体の横並び政策によって出現してきたのが現在の大半の公共図書館の位相と考えられる。それゆえに「ツタヤ図書館」問題は、現在の公共図書館と構造的に地続きなのである」。この指摘に対するTRCや図書館さんの見立てはどうなるのか、気になるところです。また、後段の記事で、現代書林さんをめぐる裁判で無罪が確定した件は、胸に刻んでおくべきことかと思います。

佐伯さんの記事では元取次幹部氏の発言に注目したいです。佐伯さんは来たるべき新たな「正味戦争」を展望しつつ、元幹部氏の次のような言及を最後に引いておられます。「出版界の将来の市場規模は、1兆円くらいではないか。私が入社した頃がそれくらいだった。まだまだ書店が潰れ、取次が潰れ、出版社が潰れていく。今の半分くらいの出版点数とプレイヤーになれば、市場は下げ止まるのではないか」。そうかもしれない、と思う反面、下げ「止まる」かどうかは怪しいとも思います。読書人口は高齢化の中でさらに少なくなるでしょうし、業界全体の縮小は業界を支える関連企業(運送業、印刷製本業、倉庫業、等々)にも打撃を与えます。出版界というのは三者(出版社、取次、書店)のみが支えているものではないわけで、関連企業が衰退すれば出版界の仕事も回せません。その悪循環によって中小版元が死んでいけば、市場はロングテールを失うでしょうし、大型書店の存在意義も問われることになるでしょう。

『FACTA』(12月号)記事「主要147誌『実売部数』大公開!」に曰く、「今年は出版界にとって『終わりの始まり』の年になるかもしれない」とのことですが、「かもしれない」ではなく、2015年には間違いなく終わりへの大きな踏み外しが「あった」、と言うべきかと思います。来年にはさらに怖ろしいことも起こりうるでしょう。

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◆12月4日16時現在。
「新文化」などで報道が出ていますが、紀伊國屋書店新宿本店1Fに日本茶カフェ「紀伊茶屋」ができました。すでにプレオープン(ソフトオープン)済で、明日12月5日(土)がグランドオープン。facebookでは同カフェの店頭写真も公開されています。オープンキャンペーンとして、12月5日から12月11日までのあいだ、新宿本店の商品1000円以上をお買上の方はレシード持参で茶屋全品100円引きだそうです。

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by urag | 2015-12-03 15:41 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
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