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2015年 09月 16日

河出書房新社さんの緊急出版2点:SEALDs本とギリシア本

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民主主義ってなんだ?』高橋源一郎×SEALDs著、河出書房新社、2015年9月、本体1,200円、46判上製200頁、ISBN978-4-309-24732-8
ギリシア デフォルト宣言――ユーロ圏の危機と緊縮財政』ハイナー・フラスベック&コスタス・ラパヴィツァス著、村澤真保呂&森元斎訳、河出書房新社、2015年9月、本体1,400円、46判並製208頁、ISBN978-4-309-24729-8

★2点とも明日9月17日に取次搬入です。今夜にも安保法案の採決が行われようかというタイミングですが、SEALDs本は採決前に読まなければ意味がないという本ではまったくありません。遅すぎるということはないのです。本書は作家の高橋源一郎さんとSEALDsの3人――牛田悦正さん(明治学院大学4年)、奥田愛基さん(同4年)、芝田万奈さん(上智大学4年)が先月行った鼎談の記録で、「SEALDsってなんだ?」と「民主主義ってなんだ?」の二部構成。笑いと活気にあふれていて、面白くて(コンパ行ってもいい?のくだりはさすがに吹きます)、高橋さんとの絡みも絶妙です。政治は政治家が作るものなのではなく、国民が創るものです。「だから終わってないんですよ。民主主義が終わったってことでもない」(174頁)とは奥田さんの発言。反対デモのために国会前に集まる人々に対して、新聞記者から一般市民まで「不勉強だ」とか「稚拙だ」とかいう人たちがいますけれども、「戦争法案」というのはレッテル張りだ、と反論している人々もまた、SEALDsに対しては適当なレッテル張りに終始しているのが現実ではないでしょうか。賛否をどうこう言い募る前に、本書を通じて3人の若者に出会ってみることを強くお薦めしたいです。

★『ギリシア デフォルト宣言』は、Against the Troika: Crisis and Austerity in the Eurozone(Verso, 2015)の翻訳。UNCTADのブレーンを務める経済学者のフラスベックと、ギリシア現与党(急進左派連合)の議員で、ロンドン大学の経済学部の教授を務めるラパヴィツァスの共著で、ギリシアにおける経済破綻の構造と国民投票の背景である、ユーロ圏の危機(欧州通貨同盟の問題点)を知る上で、たいへん勉強になります。全12章構成で、オスカー・ラフォンテーヌの緒言、ポール・メーソンの序文、アルベルト・ガルソン・エスピノサのあとがきが併録されています。「ギリシアの現在は世界の明日の姿だ」という帯文が胸に刺さります。ちなみに河出書房新社さんからは、星野智幸さんの注目作『呪文』が9月10日取次搬入で発売済になっています。手触りに特徴があるカヴァーに金箔で書名が刷られていて美しいです。内容については先日も言及しましたが実に重くて、美麗な装丁とのギャップが怖いくらいです。「いや、これは小説の世界であって現実には・・・」と言いかけてそのあとの言葉が出てこない怖さ。
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by urag | 2015-09-16 18:23 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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