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2015年 09月 11日

注目新刊:中山元訳『存在と時間』全8巻刊行開始

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★中山元さん(訳書:ブランショ『書物の不在』)
カント、ニーチェ、フロイト、マルクス、ウェーバーなど数多くの古典の新訳を手掛けられてきた中山さんがハイデガーの主著『存在と時間』の完訳に着手されました。光文社古典新訳文庫より、なんと全8巻。底本はニーマイヤー社より1953年に刊行された第7版でクロスターマン社全集版も参照されているとのことです。今週発売された第1巻には「1953年、第7版への前書き」から序論「存在の意味への問いの提示」第二章「存在への問いを推敲するための二重の課題。探究の方法とその構図」第八節「考察の概要」までが前半に収められ、後半には訳文の倍近い分量の解説が収められています。『存在と時間』は周知の通り、一昨年に二種類の新訳が登場しています。熊野純彦訳(岩波文庫、全4巻、2013年4月~12月)と、高田珠樹訳(作品社、全1巻、2013年11月)です。既訳ですが、松尾啓吉訳の新装版も今春復刊されました(勁草書房、全2巻、新装版、2015年5月)。このほかにも現在新本で入手可能な訳書には細谷貞雄訳(ちくま学芸文庫、上下巻、1994年)や、原佑・渡邊二郎訳(中公クラシックス、全3巻、2003年)があります。今回の中山さん訳の特徴は何と言ってもその解説の長さです。ここまで長編の解説が翻訳と一緒になっているというのは前例がありません。


★清水一浩さん(共訳:デュットマン『友愛と敵対』)
★大竹弘二さん(共訳:デュットマン『友愛と敵対』、訳書:デュットマン『思惟の記憶』)
★大友良英さん(著書:『ENSEMBLES』)
「現代思想」2015年9月号「特集=絶滅――人間不在の世界」に清水さんの翻訳で、トム・コーエン(Tom Cohen, 1958-)の論文「映画、気候変動、ユートピア主義の袋小路」(92-111頁)が掲載されています。同号では、大澤真幸さん、千葉雅也さん、吉川浩満さんによる討議「絶滅とともに哲学は可能か」を始め、池田清彦さん、長沼毅さん、三中信宏さん、小泉義之さん、山内朋樹さん、桑田学さん、大村敬一さんら国内の研究者による論考やエッセイのほか、レイ・ブラシエ、ユージーン・サッカー、ティモシー・モートン、マイク・デイヴィスらの論文の翻訳が掲載されており、個人的な印象ではここ最近でもっとも先鋭的な特集号であると感じました。また、「現代思想」2015年10月臨時増刊号「総特集=安保法案を問う」では大竹弘二さんが論考「リアリズムを超える民主主義のために」(200-205頁)、大友良英さんがエッセイ「自信を取り戻すということ」(14-15頁)を寄稿されています。こちらの特集号も多数の寄稿者を得て読み応えのある特集号となっています。


★中平卓馬さん(写真集:『都市 風景 図鑑』)
各紙で報道されている通り、今月1日、肺炎のため逝去されました。77歳でした。ご冥福をお祈りいたします。
朝日新聞9月4日17時21分「写真家の中平卓馬さん死去 先鋭的な作品・映像評論
朝日新聞9月5日5時「中平卓馬氏死去 先鋭的な写真家
産経新聞9月4日18時24分「写真家、中平卓馬さん死去 77歳
毎日新聞9月4日19時2分「写真家:中平卓馬さん死去77歳…先鋭的表現、評論活動も
毎日新聞9月5日「訃報:中平卓馬さん 77歳=写真家
時事通信9月4日19時12分「中平卓馬氏死去(写真家)
読売新聞9月5日3時「【訃報】中平卓馬さん=写真家

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なお、例のイベントが今夜行われます。皆様とお目に掛るのを楽しみにしております。懇親会もあり。

◎読書人セミナー「独立系出版社の挑戦――編集・販売・経営

【日時】9月11日(金)19時〜21時(セミナー終了後に懇親会あり)
【場所】読書人スタジオ(地下鉄東西線神楽坂駅より徒歩1分)
【参加費】1000円(ワンドリンク付き)
【講師】小林浩(月曜社取締役)・下平尾直(共和国代表)・小林えみ(堀之内出版/『nyx』担当)
【事前予約】読書人まで(☎03ー3260ー5791)
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by urag | 2015-09-11 13:24 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(2)
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Commented at 2015-09-11 23:33 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by urag at 2015-09-12 11:15
久野広様、ご丁寧なメッセージを賜りありがとうございます。懇親会も含め貴重な交流の場となりました。また機会がありましたらよろしくお願いいたします。


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