ウラゲツ☆ブログ

urag.exblog.jp
ブログトップ
2015年 08月 21日

雑談(16)

◆2015年8月21日19時現在。

紀伊國屋書店さんの本気度が半端じゃないことになっています。紀伊國屋書店さんの8月21日付プレスリリース「村上春樹『職業としての小説家』(スイッチ・パブリッシング刊)の初刷9万冊を買切、全国の書店で発売」(「共同通信PRワイヤー」にも掲載されています)と、「新文化」2015年8月21日付記事「紀伊國屋書店、村上春樹本9万部を買切り、取次・書店へ卸し」をご覧ください。

あまりにも重大な事件なのでプレスリリースや記事の一文ずつを吟味する必要がありますが、今はまず、次の3つのポイントを押さえておきたいと思います。まず、これはネット書店への対抗を目的としているということ。版元、取次、リアル書店といった業界三者を巻き込んだものであること。ここまではプレスリリースから読み取れる通りです。ここから導かれる展望(3つ目のポイント)は、この試みが一定の成果をおさめるならば、今後、人気作家の新作の分捕り合戦は熾烈を極める戦いになる可能性があるということです。

ネット書店というのが具体的にどこを指しているのかは言うまでもないでしょう。どうしてこんな大胆なことが可能になったのか、ネット書店や他のリアル書店はこのことを事前に知っていたのかどうか、ネット書店がこれに対抗する一手を打ってくるのかどうか、気になるところです。詳しくは追って分析したいと思います。

なお、昨日、講談社の運営する「現代ビジネス」では紀伊國屋書店の高井社長のインタヴュー記事「家に良書が300冊もあれば、子どもはそのうちどれかと触れ合って、勝手に賢い子に育ちますよ――紀伊國屋書店 高井昌史社長に聞く」が配信されています。今回の件に直接的な言及はありませんが、「弊社でも、電子書籍やネット販売に注力していますが、やっぱり、書店の店頭ですばらしい本と出会ってほしいですよね」という言葉が印象的です。高井さんの人となりを知る上で参考になるのではないかと思います。

+++

◆8月21日22時現在。

紀伊國屋書店さんの9万部買切の件は、某巨大掲示板でも話題になっています。「負け犬速報」さんでの20時59分投稿のまとめ記事「紀伊國屋書店、Amazonへの対抗策として村上春樹新作の買占めに走る」をご参照ください。様々な反応や意見があって色々と考えさせられます。引用元のスレッドは「紀伊國屋書店、Amazonへの対抗策として村上春樹新作の買占めに走る [441942539]」。

+++

◆8月21日23時現在。

ツイッターでの反応をまとめておられるのが「ニュースタイル」22時28分投稿の「【紀伊國屋書店】村上春樹氏の新刊9割「買い占め」 www」。

紀伊國屋書店さんのプレスリリースや「新文化」では「ネット書店」とだけ書いてあるところを「アマゾン」とずばり書いているのは「日本経済新聞」21日22:26配信記事「紀伊国屋書店、村上春樹氏の新刊「買い占め」 初版の9割、アマゾンに対抗」。流通過程が図式化されており、概観しやすいと思います。この記事に対する巨大掲示板での反応は「暇人速報」さんの「【迷走】紀伊国屋書店がアマゾンに対抗、村上春樹新刊、初版の9割「買い占め」 店頭へ集客戦略」でまとめられています。元スレは「【社会】 紀伊国屋書店がアマゾンに対抗、村上春樹新刊、初版の9割「買い占め」 店頭へ集客戦略」。

【22日15時追記:このほか、日経新聞に対する巨大掲示板のまとめ記事には以下のものがあります。「ガジェット2ch」8月22日付「紀伊国屋書店、村上春樹氏の新刊「買い占め」初版の9割、アマゾンに対抗」(元スレ:「【流通】紀伊国屋書店、村上春樹氏の新刊「買い占め」初版の9割、アマゾンに対抗[8/21]」)、「常識的に考えた」8月22日付「【社会】 紀伊国屋書店がアマゾンに対抗、村上春樹新刊、初版の9割「買い占め」 店頭へ集客戦略」(元スレ:上記同名、先述の「暇人速報」と同様のネタ元)。さらに、まとめ記事はないものの、やや乱立気味のスレッドの中には「【出版】紀伊國屋書店、村上春樹氏新書の初版9割を買い占め アマゾンに対抗 [転載禁止]©2ch.net」というのもあります。また、日経記事やはてブを参照した独自分析には千柿キロさんの「千日ブログ ~雑学とニュース~」8月22日付エントリー「紀伊国屋書店に批判 アマゾン対抗で村上春樹新刊9割買い占め」があります。千柿さんは末尾で「紀伊國屋書店としては、他社のリアル書店に配分するのだから反発を食らうはずがないと考えていたのだと思います。多少文句言われても、「批判は誤解」として強行しそうな感じです」と鋭く分析されている一方、「ただ、今後あまりに反発が大きくなった場合は、紀伊國屋書店が撤回するということもあるかもしれません」と結んでおられます。PRを出してスキームや発売日が決定している以上、今回の新刊については紀伊國屋書店が撤回することはないでしょう。しかし次の一手については、今回の読者の反響を見極めることにはなるのだと思われます。】

今のところ版元のスイッチ・パブリッシングはウェブサイトでもツイッターでも本件に関するコメントはなし。反響は今後大きくなるだろうと予想され、何かしら出さないと逆に色々と勘繰られてしまうわけなので、いずれ何らかの声明が出るものと見ていいかもしれません。

ここまで前例のない販売をするからには、著者である村上春樹さんにもそれなりの事前説明はなされていたはずで、了承もあったと考えるのが妥当でしょう。マスメディアが村上さんにコメントを求めるであろうことが予想できます。

+++

◆8月22日午前2時現在。

紀伊國屋書店さんのプレスリリースは「共同通信PRワイヤー」からの提供で、「下野新聞」「Jタウンネット」「CNET Japan」「dot.」「SankeiBiz」「宮崎日日新聞」などでもすでに配信されています。以下で全文を読みつつ補足してみます。まず曰く「株式会社紀伊國屋書店(代表取締役社長 高井昌史)は、株式会社スイッチ・パブリッシング(代表取締役社長 新井敏記)が刊行する村上春樹『職業としての小説家』初刷り10万冊の内、9万冊を買切り、自社店舗および取次店を介して全国の各書店において、9月10日(木)から販売を開始します」。

初版の9割を買い取るというのもすごいですが、それ以上にすごいのは取次をすっとばして書店が買い取るということです。「版元~取次~書店」の流れが、「版元~書店~取次~他書店」へと変わるというのですから、これはまさに異例なことです。

またPRに曰く「初刷りの大半を国内書店で販売することで、ネット書店に対抗し、出版流通市場の活性化に向けて、具体的な一歩を踏み出します。この試みは、株式会社紀伊國屋書店が今年4月に大日本印刷株式会社(代表取締役社長 北島義俊)と設立した合弁会社「株式会社出版流通イノベーションジャパン」が検討を進めている買切り・直仕入というビジネスモデルの一つのパターンと言えます」。

今回の試みが「出版流通イノベーションジャパン」の前段階のものであるとすれば、当然のことながらゆくゆくは、大日本印刷グループの傘下である丸善、ジュンク堂書店、文教堂書店、図書館流通センター、hontoなどが、紀伊國屋書店と同様に「買切・直仕入」という取次外しの《恩恵》にあずかることになるのでしょう。アマゾンはこれまで着々と直取引版元を増やしてきましたが、版元によってはまだまだ日販や大阪屋など取次に頼る部分がありますから、紀伊國屋書店が取次より川上に立って販売条件をコントロールできるとなれば、その影響力はけっして小さくはありません。

さらにPRに曰く「今回のビジネスモデルは、村上春樹さんの新刊書を紀伊國屋書店が独占販売するのではなく、大手取次店や各書店の協力を得て、注目の新刊書をリアル書店に広く行きわたらせ、国内の書店が一丸となって販売するという新しいスキームとなります」。

「大手取次店や各書店の協力を得て」「国内書店が一丸となって」という文言が気になります。どの書店の誰の協力を事前に取りつけていたのか。国内書店が一丸、という時、具体的にはどの書店のことを指しているのか。その「書店」には先述のDNPグループが含まれていると考えるのが妥当でしょう。

紀伊國屋書店の今回の戦略のポイントは、アマゾンや取次よりも川上に立つ、という点と、音羽・一ツ橋・角川の引力圏とは別の版元と組む、という点にあると思われます。気になるのは、スイッチ・パブリッシングがアマゾンと直取引をすでにしているのかどうかです。直取引をしているにしても、この書籍を取引から外すことは可能です。外していないとしたら、紀伊國屋書店には初版本をアマゾンより多く仕入れたというアドバンテージがあるのみで、戦略としては不徹底ですから、いささかそれは考えにくいです。

+++

◆8月22日午前3時現在。

続いて「新文化」記事全文を読解してみます。曰く「紀伊國屋書店はネット書店への対抗策として、スイッチ・パブリッシングが9月10日に発売する村上春樹氏の新刊「職業としての小説家」(本体1800円)について、初版10万部のうち9万部を買切り、全国のリアル書店や取次会社に流通する」。ここまではプレスリリース通りですね。

また曰く「4月に大日本印刷と設立した㈱出版流通イノベーションが検討している「買切・直仕入ビジネス」の一環として取組む」。プレスリリースでは「一環」ではなく「「株式会社出版流通イノベーションジャパン」が検討を進めている買切り・直仕入というビジネスモデルの一つのパターンと言えます」と言っているわけなので、微妙にニュアンスが違います。あくまでも今回の試みは紀伊國屋書店単独のアクションであり、出版流通イノベーションジャパン(PMIJ)に将来的に繋がる線を引いた、というものでしょう。

さらに曰く「卸先は紀伊國屋書店またはスイッチ・パブリッシングに注文した書店のほか、日販、トーハン、大阪屋。その他の取次会社には仲間卸しで供給される模様」。「またはスイッチ・パブリッシングに注文した書店のほか」というと、紀伊國屋書店以外にも直取引で卸す書店があるようにも読めますが、「日経新聞」図式では、初版10万部のうち、9万部を紀伊國屋書店、5000部がネット書店、あとの5000部は版元の取置在庫だったはずなので、紀伊國屋書店以外の本屋さんにはあくまでも「版元~紀伊國屋~取次~他書店」という流れになるのではないかと想像できます。

続けて曰く「取引条件は非公開。紀伊國屋書店と取次会社間では多少の返品枠があるというが、全流通段階で買切りとなる。初版10万部のうち、ネット書店には5000部流通される」。取次の先にいる他のリアル書店への卸正味は、今回の目的と大義から見て、さらに買切という条件から見ても、通常より高いとは考えにくいですね。同様に、取次の取り分も通常より小さいとも想像しにくい。だとすると、正味を下げたのは版元だと考えるのが順当だろうと思われます。スイッチ・パブリッシングから取次への通常の卸正味が60%台後半だとしたら、今回はスイッチから紀伊國屋への正味はそれより確実に低いと考えるべきでしょう。そうなると、今回の買取で紀伊國屋書店のマージンは取次経由よりも少なくとも10%以上多くなると見て良いでしょう。

最後に曰く「8月21日、会見に当たった藤本仁史取締役は、「書店への満数出荷と書店マージン率の向上を目指していく。これはテストではなく、リスクを負った事業」と話した」。演習ではない。実戦であると。これは意図するとしないとにかかわらず、どこか宣戦布告のように響かざるをえません。「書店への満数出荷と書店マージン率の向上」を目指すには、現行の取次体制と再販制度では限界があります。版元も取次もマージンを減らせないなか、定価販売の枠内で書店がマージンを広げるためには、取次を外すしかなくなります。また、書店への満数出荷を確実なものにするためには、版元から直接大量に買い付けて、配本数を版元や取次のコントロール下から奪取することが必要なわけです。

+++

◆8月22日午前3時30分現在。

PMIJ(出版流通イノベーションジャパン)については、「東洋経済ONLINE」2015年3月20日付の鈴木雅幸氏記名記事「紀伊國屋とDNP、アマゾンに対抗する意図――大手書店グループのライバル両雄がタッグ」をご参照ください。質疑応答での高井社長の発言の端々に、銘記すべきポイントがあります。「スピード感は大事。できるものから進め、年内から順次実施していきたい」。「当然、この合弁会社の提言が、それぞれの親会社に及ぼす影響は大きい」。「両社で各々のブランドを提供しながら、電子やネット事業の共同事業を通して顧客をリアル店舗に誘導させる仕組みを構築していく。リアルとネットの両方を持つハイブリッド書店としての強みを構築していく」。「本だけの商売では厳しくなっている。すでに、生活用品を置いたり、喫茶店を併設したりする書店も現れた。書籍が軸だがそれ以外の商品も扱い、幅広い顧客層が楽しめる憩いの場として、書店を知のテーマパークにしていきたい」。

+++

◆8月22日午前4時現在。

次に「日経新聞」記事を読んでみます。曰く「紀伊国屋書店は21日、インターネット書店への対抗策を発表した。9月刊行予定の人気作家、村上春樹氏の著書の初版10万冊の9割を出版社から直接買い取り、自社店舗のほか他社の書店に限定して供給する。アマゾン・ドット・コムなどネット書店の販売量は5千冊にとどまる。紀伊国屋書店は売れ残りリスクを抱えるが店頭への集客につながると判断した」。他社の書店、とはこの場合、リアル書店のことかと思われます。

インターネット書店と一口に言っても、アマゾンのほかにもhontoや楽天ブックス、セブンネットショッピング、エルパカブックス、復刊ドットコム、等々あります。このうちhontoはDNPグループに入るので、紀伊國屋書店さんの今回の作戦における直接的なターゲットではないですね。「日経新聞」の図式では版元とネット書店の間に取次が介在していません。スイッチがアマゾンと直取引をしているのかどうかは現時点では不明なので何とも言えません。5000冊ていどはネット書店ではあっと言う間に捌けてしまうというのであれば、ネット書店を使っていたお客様もあるいはリアル書店の店頭に足が向くのかもしれませんが、どんな結果になるのかは蓋を開けてみないと分からないです。藤本取締役が言う通り、まさに「リスクを負った事業」であるわけです。

「新文化」でも報じられたようにこの本は買切なわけなので、売り切る自信がある書店さんは仕入れるでしょうが、果たしてどれくらいの数の書店さんが仕入れるのか。現場としては図らずも友軍となりつつあるのかもしれないDNPグループ傘下の丸善、ジュンク堂、文教堂は必ず仕入れるのでしょうし、TRC(図書館流通センター)も積極的に仕入れるでしょうから、図書館には副本も含め潤沢に入荷する余地はいつも以上にはあるのでしょう。

また曰く「〔・・・〕紀伊国屋書店は買い取る9万冊のうち3万~4万冊を自社で、残りを他社の書店に供給する意向だ。狙いについて紀伊国屋書店は「初版の大半を国内書店で販売しネット書店に対抗する」と明言した」。版元から紀伊國屋書店が9万部を買い取って、そこから6~7万部を日販、トーハン、大阪屋に流すと。で、取次3社から買切条件で、発注した書店にのみ卸されると。例えば50~60%で紀伊國屋書店が買い取ったとしたら、本体1800円×9万部×正味50~60%×消費税で、8748万円~1億497万6千円が買取価格です。返品枠があるにせよ、9万部のうち6~7万部が取次3社に買切で卸されるので、紀伊國屋書店の実際の買取価格は3000万~4700万円あたりの幅でしょうか。

続けて曰く「紀伊国屋書店の買い取りでスイッチ・パブリッシングは返品リスクを減らせる。同社は残った1万冊の半分を販促イベント用に取り置くなどするためネット書店には5千冊しか渡らない。紀伊国屋書店は増刷する場合に同様の仕組みを採用するかどうか検討している」。ネット書店が5000冊を完売したら、当然追加発注を版元に掛けるでしょう。紀伊國屋書店サイドが9万部を売り切るよりかは、ネット書店での完売が早いかもしれない可能性は大いにありえる気がします。その場合、見切り発車で紀伊國屋書店が2刷を買い占めうるのかどうか。スイッチが重版を当面保留することをあらかじめ前提にしない限り、販売スピードで勝るかもしれないネット書店を紀伊國屋書店が押さえつけておくことは不可能なようにも思えます。まあこれも蓋を開けてみないと分かりませんが。もしスイッチが重版を保留するとしたら、在庫面では当面、紀伊國屋書店らリアル書店がネット書店より優位に立つことになりますね。

最後に曰く「〔・・・〕紀伊国屋書店は4月に大日本印刷と設立した共同出資会社でも、出版社と直接取引や買い取りの拡大などに取り組む考え。10月にも10社超の出版社と買い取りの実証実験を始める。アマゾン側も6月に一部の書籍を値引き販売した。業界で主流の定価販売を揺さぶる戦略を取っている」と。「10月にも10社超の出版社と買い取りの実証実験を始める」――何ですって? この10社超がどういう面々なのが気になるところです。この面々がアマゾンと直取引していないのかどうか。また大阪屋の件で楽天とタッグを組んでいる版元ではないのかどうか。それによって今回の綱引きの大局が見えてくるかもしれません。

今日にはまた別の新聞報道があるかもしれません。随時情報を収集するとともに、今回の一件が出版社にとってどう見えるのか、追って要点をまとめたいと思っています。

+++

◆8月22日13時現在。

「時事通信」8月22日00時47分配信記事「村上春樹氏の新著、9割買い取り=紀伊國屋書店、ネットに対抗」は特に目新しい情報はなし。Yahoo!ニュースに提供されている同記事ではコメント欄やFacebook、Twitterでの反響が要チェック。コメント欄でのコメント数と投降者数を見る限りでは同じ投稿者が複数コメントしている様子が窺えます。トップコメントでは、今回の書店活性化戦略に対する懐疑的な意見が優勢なようです。「もう地方には車で30分ぐらい走らないと書店に行けない所もあるんですよ。嫌でもネット通販に頼らないと本も買えない」という声は大変現実的な問題です。リアル書店へと誘導するその仕方に読者の望まない《無理やり感》が漂うのは、紀伊國屋書店さんとしても意図するところではないにせよ、買占めという方法がネガティヴに見えている方もいるという側面はいささか損ではあります。

なお上記時事通信記事に対する某巨大掲示板での反響は「【経済】 紀伊國屋書店、村上春樹の新著の初版10万冊のうち9万冊を買取、ネットに対抗し「リアル書店」の活性化を目指す新たな取り組み [転載禁止]©2ch.net」で読むことができます。

「朝日新聞」8月22日10時33分配信の守真弓氏記名記事「村上春樹新刊9割買い取り 紀伊国屋書店、ネットに対抗」にも特に目新しいところはありません。ただし、紀伊國屋書店のコメントとして「街の書店に、注目の新刊がなかなか行き渡らない現状がある。ネット書店に対抗し、全国のリアル書店が一丸となって出版流通市場の活性化をはかりたい」という文言を引用しているのが他紙との違いでしょうか。これがプレスリリースの要約ではないとしたら、誰の発言なのでしょう。藤井取締役なんでしょうか。個人的な感想ですが、「朝日新聞」さんは栗田民事再生の件(2015年6月26日19時44分配信の守真弓氏記名記事「出版取次の業界4位、栗田出版販売が再生法適用を申請」)にしても今回の件にしても記述が若干薄い気がして残念です。竹内誠人記者による複数のリブロ池袋本店記事に比べると明らかに物足りないです。お二人の記者の所属部局が違うのかもしれません。

+++

◆8月22日15時現在。

「FNN」が8月22日13:25配信のニュース動画「紀伊國屋、村上春樹氏の新作9万部買い取り ネット販売に対抗」を公開しています。動画に映っているのは紀伊國屋書店新宿本店ですね。特に目新しい情報はなし。

「産経ニュース」8月22日12時49分配信記事「村上春樹さんの新刊9割を買い取り 紀伊国屋書店がネット対抗策」に曰く「米アマゾン・ドット・コムなどのインターネット書店に対抗し、注目の新刊書を全国の書店に広く行き渡らせることが狙い。〔・・・〕同書店は「独占販売するのではなく、国内の書店が一丸となって販売する新しいスキーム(計画)」としている」と。

「The Huffington Post」8月22日14時02分配信記事「村上春樹の新刊を紀伊國屋書店が「9割買い取り」その理由は?」は、「朝日新聞」を参照しているようなのですが、独自の方向性を意識しすぎたのか、少し筆が走りすぎています。曰く「話題となりそうな書籍を買い占めることで、「紀伊國屋に行かないと売っていない」という状況を作るのが目的」。紀伊國屋書店以外のリアル書店も置くことになるわけなので、「紀伊國屋に行かないと売っていない」わけではありません。これはたぶん訂正依頼が入ることでしょう。


+++
[PR]

by urag | 2015-08-21 19:21 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://urag.exblog.jp/tb/21569121
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< 雑談(17)      新規開店情報:月曜社の本を置い... >>