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2015年 07月 09日

栗田出版販売の民事再生に関する心配事あれこれ(7)

◆7月9日午前0時現在。

栗田の事業再建を支援するスポンサー候補であり、栗田の取引先への信用補完を(栗田自身によって)期待されている出版共同流通株式会社(SKR)について、その会社概要や事業内容をあたらめて確認しておきます。SKRは栗田自身も株主である会社で、他の株主には他取次のほか、大阪屋の大株主である音羽と一ツ橋も名を連ねています。大会社が株を持ちあい、信用を補完し合うといういわばホークラックスもといセーフティネット。取締役には先頃、栗田の社長を退任すると発表された山本さんのお名前があります。

会社概要
会社名:出版共同流通株式会社
本社所在地:東京都千代田区神田駿河台4丁目3番地
設立:2002年4月15日
代表取締役社長:中山剛
事業内容:書籍・雑誌等出版物等の物流業務の請負。出版物等の返品データの収集と計算事務処理の代行
資本金:1億円
株主:日本出版販売株式会社、株式会社大阪屋、栗田出版販売株式会社、株式会社日教販、株式会社太洋社、株式会社講談社、株式会社小学館、株式会社集英社
事業所:蓮田センター、所沢センター、新座書籍センター

役員一覧
代表取締役会長・古屋文明
代表取締役社長・中山剛
常務取締役・吉川浩
取締役・長田浩
取締役・小倉淳
取締役・大竹深夫
取締役・山本高秀
取締役・國弘晴睦
取締役・安西浩和
取締役・髙田誠
監査役・河野隆史
監査役・兼子信之

挨拶
出版共同流通は出版取次5社の提携により誕生した情報物流プロデュース企業です。従来、「返品」という言葉はマイナスのイメージを伴って語られてきました。読者に巡り合えなかった本が、書店から出版社へ戻っていく。しかし、雑誌や書籍が求める読者の元に届けられるためには、誤差としての返品が必ず発生します。出版流通全体を活性化するためには、返品まで含めた物流が潤滑に流れていく必要があります。私たちはそこに注目しました。/2002年4月、出版共同流通は、日販、大阪屋、栗田出版販売、日教販、太洋社の取次5社が取扱商品の返品に関する物流業務で業務提携し誕生しました。書店・出版社・取次間における返品業務の効率化を図るべく「無伝票返品システム」を確立し、返品流通に画期的なイノベーションをもたらしました。現在は、独自の物流・配送ノウハウと出版流通のインフラ、そして会社設立以来積み重ねてきた協業経験を最大の武器に、新たな事業展開にも積極的に取り組んでいます。私たちは、流通ネットワークとコラボレーションで物流イノベーションを実現します。

沿革
2002年04月 会社設立
2002年10月 出版物無伝票返品システムを開発・書店導入開始
2002年12月 蓮田センター操業開始
2002年12月 雑誌返品処理開始(蓮田センター)
2003年11月 コミック返品処理開始(蓮田センター)
2003年12月 所沢センター操業開始
2003年12月 文庫返品処理開始(所沢センター)
2005年04月 書籍返品処理開始(所沢センター)
2006年04月 事業開発室を設立し新規事業(8コード誌の流通事業、フリーペーパーラック事業等)に着手
2006年11月 セルCD・DVD返品処理開始(蓮田センター)
2009年04月 出版物販売代行・販売促進事業開始
2010年12月 フリーペーパーラック事業から撤退

企業理念
出版共同流通株式会社は2002年4月、「共に手を携えて業界改革を実現する」という志のもと、出版取次5社により設立されました。/雑誌を皮切りに導入した「透明性のある高精度な無伝票返品システム」は、 その対象ジャンルをコミック・文庫・書籍全般へと拡大させてまいりました。/すべてのジャンルへの無伝票返品システムの導入は、書店様の業務の効率化・ 返品入帳の迅速化に寄与するのみならず、単店・単品レベルの返品データの 収集により、業界SCMの構築にも大きな貢献をしてまいります。/また、事業開発室では出版流通のネットワークのインフラを活用したあらたな 事業に取り組んでおります。/弊社の構築するネットワークの特徴は(1)全国をカバーできる広範さ、 (2)あらゆるチャネルへの対応、(3)早く、確実で、安価ということにあります。/この利点を十二分に活かし、多様な顧客のニーズに柔軟に対応した事業展開を めざしております。現在ではこのネットワークを活用し、フリーペーパー共同 ラック事業、地方出版物・直販出版物の流通事業、出版ダイレクト便事業を 全国規模で展開しております。

出版共同流通ビジョン
(1)出版共同流通は、本業を返品物流とし、お取引先に対して、正確、迅速、安全、低コストなディストリビューションを提供し、返品物流のリーディングカンパニーとしての信頼に応える。
(2)出版共同流通は、コラボレーションの可能性を追求し、協業事業の領域を広げ、当社のValueを高める。
(3)出版共同流通は、ロジスティクスと流通ネットワークで、新たな事業基盤確立に向けて邁進する。

事業案内
物流請負事業・・・出版物の物流業務請負を基軸に、弊社のFA仕分システム、データ処理システム等の物流ノウハウを生かした事業の拡大を目指すと共に、物流倉庫拠点の拡大、輸配送網のネットワーク構築へのプロデュース等により総合物流商社としての機能を高め、物流全般を視野に入れた事業展開を目指します。出版物無伝票返品システム。セルCD・DVD返品処理、在庫管理事業。【事業案内ムービー

メディア関連事業・・・出版共同流通株式会社 事業開発室では出版流通のインフラを最大限に活用し、新たなネットワークの構築を目指し、新規事業に取り組んでおります。出版取次が不扱いの紙メディア(8コード誌・販促物等)の流通事業をベースに既存の出版取次、配送業者にはまねのできないきめ細かいサービスをご提供いたします。出版物販売代行事業(直販誌販売代行事業、テストマーケティング事業、書店営業サポート事業)。地方出版物流通事業(首都圏・東海・関西 約4,000軒をカバーする販売網)。出版ダイレクト便事業(出版ダイレクト便、出版メール便)。

環境について
エコロジーへの取り組み・・・“限りある資源”の有効活用が強く訴えられている現在、出版共同流通では古紙化という紙のリサイクルの推進を中心に、輸送における物流の効率化、さらにはCO2の抑制など、環境への配慮にも積極的に取り組んでおります。
 再資源化へのアプローチ・・・(1)雑誌、書籍の古紙化推進。(2)CD、DVDの破砕による再資源化推進。
 CO2抑制取組み・・・(1)流通工程の効率化によるムダな輸配送コスト、流通コストの削減。(2)折りたたみコンテナの使用による廃棄物の削減。

蓮田センター・・・ベーリングマシンによる古紙化。製紙会社へ送られ再資源化(書店→蓮田センター→古紙会社→製紙会社)

所沢センター・・・段ボールを使わず、再利用可能な折りたたみバケットを利用。

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◆7月9日17時現在。

星雲社を発売元とする出版社で上場企業の「アルファポリス」(コード番号:9467 東証マザーズ)が、代表取締役社長である梶本雄介さんのお名前で、「準大手出版取次会社の民事再生手続開始申立に伴う当社債権に与える影響についてのお知らせ」という7月9日付の文書を適時開示情報閲覧サービス「Tdネット」を通じて公開されています。「適時開示情報閲覧サービスに記載されている内容は、著作物として著作権法により保護されており、株式会社東京証券取引所に無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます」とあるので、引用いたしませんが、概要としては、栗田に対する債権はないこと、アルファポリスさんの有する債権への影響はないこと、業務予想の変更がないこと、等が書かれています。また、星雲社に何かがあった時には担保権を行使して栗田から債権を回収する、とも記載されてます。アルファポリスは星雲社との間に「は債権譲渡担保契約」を締結しているので、と。同文書はアルファポリスさんのサイトのIR情報でも公開されています。同社IR情報では6月30日付で「支配株主等に関する事項」という文書もアップされています。

栗田に関するリリースを出した上場版元は今のところ、インプレスホールディングスさんとアルファポリスさんの2社のみかと思われます。栗田の支払手形と買掛金を足すと出版界では最大の債権者となるKADOKAWAはまだ何も発表していませんが、別件では本日付で「KADOKAWA・DWANGO 教育事業開始――デジタルネイティブ時代の「ネットの高校」設立準備~ネットの双方向学習や、著名人による課外授業を展開~」というプレスリリースを公開して、話題となっています。

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◆7月9日22時現在。

読売新聞7月9日19時02分更新の記事「主婦と生活社、ライターらに消費増税分不払い」で、「女性週刊誌「週刊女性」や男性誌「LEON」などを出版する主婦と生活社(東京)が、原稿料などの消費増税分をライターらに支払っていなかったとして、公正取引委員会は9日、消費税転嫁対策特別措置法に基づき、同社に再発防止を勧告した」と報道されています。

公正取引委員会による勧告「(平成27年7月9日)株式会社主婦と生活社に対する勧告について」によれば、「公正取引委員会は,株式会社主婦と生活社(以下「主婦と生活社」という。)に対し調査を行ってきたところ,消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(以下「消費税転嫁対策特別措置法」という。)第3条第1号後段(買いたたき)の規定に違反する行為が認められたので,本日,消費税転嫁対策特別措置法第6条第1項の規定に基づき,同社に対し勧告を行った」とのことです。違反事実の概要や勧告の概要を見ることができるほか、印刷用のPDFをダウンロードできます。

読売新聞の記事の続きはこうです、「発表によると、同社は、委託契約しているライターやカメラマンら約140事業者に支払う原稿料や撮影料などについて、消費税率が5%から8%に上がった昨年4月以降も、引き上げ分計約1300万円を上乗せせずに支払っていた。同社は不払い分をすべて支払ったといい、「勧告を真摯に受け止め、法令順守を社内で周知する」などとコメントした」。

すでに不払い分は支払ったのことですが、このタイミングでの勧告というのはなんとも。栗田の例の名簿では同社の債権は手形と売掛を足すと結構な額です。

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◆7月9日23時現在。

「栗田出版販売 読書クラブ(@kuritadokusyo)」は、「栗田出版販売㈱の社員を中心とする「本」好きが集まる読書クラブ」。あの日以降のツイートは深読みしても仕方ないものの、何かを訴えている気がしないでもなく、まあそいつは気のせいだしそんな風に見るべきじゃないとは思っていても、それとなく見守っている次第。本好きSEさんの連投と、無署名の別のかた。

6月28日(日)
『地球の長い午後』(ブライアン・W・オールディス 早川書房)
太陽が膨張し、地球を含む太陽系の寿命が迫っている遥か遠い未来の地球を舞台とする本書の設定は、私たち人間の営みがいかにちっぽけなものにすぎないかをつくづく思い知らせてくれる。(本好きSE)

6月30日(火)
お金がすべてだとは思いたくない。でも、お金を使って何をするのか、という姿勢はとても大切なもの。『銀二貫』(高田郁 幻冬舎)を読むと、ふとそんなことを思う。(本好きSE)

6月30日(火)
――国を出てゆく。それは強迫観念、昼も夜もアゼルの頭を離れない狂気のようなものだった。――タハール・ベン・ジェルーン『出てゆく』(早川書房)
とにかく国を出たいという願望。だが、そこまで重大な決意をしてまでやりたかったことが何なのかが見えてこないという悲劇。(本好きSE)

6月30日(火)
そんなに本が読みたいか。なら、けっして終わらない、無限に増殖し続ける『砂の本』(ホルヘ・ルイス・ボルヘス)を心ゆくまで味わうといい。(本好きSE)

7月1日(水)
『エコー・メイカー』(リチャード・パワーズ 新潮社)
姉を姉として認識できない弟と、弟のために尽くしているのに姉だと認めてもらえない姉――理不尽といえば、これほど理不尽なこともあるまい。戻らない日常への回帰願望が、本書のタイトルと響きあって感慨深い。(本好きSE)

7月1日(水)
『ボトムズ』(ジョー・R・ランズデール 早川書房)
「ボトムズ」とは「最底辺」であり「どん底」の意。光の指さないどん底の闇に蠢くのは、人間を受け入れない自然の陰湿な闇であり、また人の心に巣食う残酷さ、非道さという名の闇でもある。(本好きSE)

7月1日(水)
『逃亡くそたわけ』(絲山秋子 中央公論新社)
いろんな問題をとりあえず棚上げして、とにかく今は逃げる――後先考えない男女二人の患者の、精神病院からの逃亡劇のある種の暢気さは、自分も含めた人間のいい加減さの賛歌でもある。(本好きSE)

7月3日(金)
『叫び声』(大江健三郎 講談社文芸文庫)
計画していたヨット旅行が頓挫する――ただそれだけの話だが、語り手たちをヨット旅行へと駆り立てていたのが、漠としてとらえどころのない「恐怖」であることが興味深い。まさにわけもわからず叫びだしたくなる作品。(本好きSE)

7月3日(金)
『血と骨』(梁石日 幻冬舎)
他人は全て敵か獲物。叩きのめし、奪い、犯すという関係しか築けず、極道ですら怖れる金俊平の心に渦巻くのは、クソのような世のなかの理不尽さや不条理に対する、けっして言葉にできないほの暗い憤怒の感情である。(本好きSE)

7月4日(土)
@kuritadokusyo (本好きSE)さん、怒涛のコメントすごいです。ちょっと一息、こんな本はいかが? 「ぶたのたね」(佐々木マキ著・絵本館)。ブタより足が遅いオオカミくんのお話しです。マラソンしているゾウさんの足音が聞こえたら、一緒に走るのも良いかも・・・

7月6日(月)
――体重が問題なら落とせばいい。体力が問題なら蓄えればいい。自分の弱さが問題ならねじふせればいい。だが、目が見えないということは、解決すべき問題じゃない。(中略)受けいれ、馴染んでいく以外に手がない事実だ。――『梟の拳』(香納諒一)より(本好きSE)

7月7日(火)
『神は死んだ』(ロン・カリー・ジュニア 白水社)
「何千という死の一つ」として死んでしまう神。だが、人智の及ばない大きな苦難を前に、神を求め、祈りを捧げる人々は尽きない。人はいつだって弱く、自分以外の誰かに自分の言動の責任をとってもらいたがっている。(本好きSE)

7月7日(火)
『吉野弘詩集』(吉野弘 角川春樹事務所)
とりあえず、結婚することになった知人にはこの本を贈ることにしている。もちろん、「祝婚歌」のあるページに栞を挟んでおくのは必須。(本好きSE)

7月7日(火)
『君たちに明日はない』(垣根涼介 新潮社)
とりあえず、「一身上の都合」で会社を辞めることなった知人にはこの本を贈ることにしている。ちゃんと読んでくれたかどうかで今後の付き合いが大きく変化するのが難点。(本好きSE)

7月9日(木)
『とせい』(今野敏 中央公論新社)
ヤクザが出版社を経営するという話だが、いわゆる中間管理職が苦労するのは会社員もヤクザも同じという点と、その出版社が倒産間近な不良債権である点がミソ。どうせ潰れる会社なら、むしろヤクザにやらせてみたほうがまだマシかもしれない。(本好きSE)

7月9日(木)
『桐島、部活やめるってよ』(朝井リョウ 集英社)
桐島がバレー部をやめた理由を知ろうといろいろ考えを巡らせるが、どの説明もしっくりこない。さんざん悩んで行き着く先が、じつはタイトルのもつ投げやりな雰囲気だったりする。そういう意味で、この本のタイトルは秀逸だ。(本好きSE)

7月9日(木)
本を売る人である前に本好きだなぁと改めて思う。難しいこと考えずにこんな時支えてくれる物の一つも本だと思う。これからも楽しくやりましょ〜maru

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by urag | 2015-07-09 13:54 | 雑談 | Trackback | Comments(4)
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Commented by urag at 2015-07-10 09:08
こんにちは。コメントありがとうございます。鍵をかけておられないようなので、当面のところこちらで非公開にさせていただきますこと、お許しください。様々なご配慮、胸に沁みます。
Commented at 2015-07-10 12:36 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2015-07-10 12:37 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by urag at 2015-07-10 15:02
ありがとうございます。綱引きは続く、といったところでしょうか。溜息が出ます。


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