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2005年 07月 31日

輝かしきその書物、『リゾーム』

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『パイデイア』誌の総目次を作成され、続いて『GS』、『ルプレザンタシオン』、『批評空間』と次々補完されるご予定の山本貴光さんがやがて着手されるだろう伝説の月刊誌『エピステーメー』。その輝かしい一頁をめぐる支援です。aquiraxさんが日本語訳初版本のきちんとしたスキャン画像は提供されると思うので、私は、原本、日本語訳初版、復刻増補版を三つ並べてみました。

"RHIZOME: Introduction"
par Gilles DELEUZE et Félix GUATTARI,
1976, Paris: Les Éditions de Minuit.
※アランソンの印刷所Corbière et Jugainにて1976年2月に印刷。発売は3月だったようだ。

『エピステーメー:創刊二周年記念・十月臨時増刊号:リゾーム』
著者:G・ドゥルーズ/F・ガタリ
翻訳・編集:豊崎光一
発行日:昭和52年(1977年)10月10日
発行所:朝日出版社
編集者:中野幹隆
造本者:杉浦康平/鈴木一誌 (協力:長沢忠徳)
印刷所:凸版印刷株式会社
定価:600円
※巻末に、豊崎氏と中野氏の対談「翻訳から編集へ」を収録。

『リゾーム・・・・序』
著者:G・ドゥルーズ/F・ガタリ
翻訳・編集:豊崎光一
発行日:昭和62年(1987年)6月25日
発行所:朝日出版社
編集者:中野幹隆/赤井茂樹
造本者:杉浦康平/谷村彰彦 (協力:鈴木一誌)
印刷所:凸版印刷株式会社
定価:1200円
帯文(表1):80年代の思想シーンを規定したドゥルーズ・ガタリの戦闘的パンフレット、待望の覆刻・増補版『リゾーム・・・・序』。
帯文(表4):『リゾーム・・・・序』の最もコンスタントな欲望・動きの一つは、あらゆる全体性、統一性への、したがって文化への、永久的な反抗のそれだ。その爽快なアナルシー。「気狂いピエロ」のように。
※巻末に、豊崎氏と中野氏と赤井氏の対談「Dix ans aprés -- 十年後」を追補。

ご存知のようにこの『リゾーム』はやがて『千のプラトー』(原著1980年、日本語訳1994年)の序文として収録されますが、『リゾーム』単独でも十分すばらしいです。日本語版『リゾーム』は、ドゥルーズ/ガタリのテクストに加え、様々な著者の別のテクストや図版が引用され、精神分析関連の用語解説が付され、訳者による刺激的なまえがきと、訳者+編集者による対談を収めており、その卓抜な組版・造本デザインもあいまって、原書の強度をより増幅させています。

『リゾーム』という小冊子の持つポテンシャルをここまで化学的・カオス的に発展させたのは、他国語版では見られず、日本語版が唯一の例であるといっていいと思います。何年経っても古びません。いまなお読者を誘惑しうる「危険な」書物です。古書店で見つけたら迷わず購入されることをお奨めします。(H)
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by urag | 2005-07-31 02:41 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(2)
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Commented by 山本貴光 at 2005-07-31 22:17 x
Hさん、拙ブログをご紹介くださりありがとうございます! 思想誌書誌作成プロジェクト、これを機にどんどん進めてまいりたいと思います。

今回の『リゾーム』日本語訳初版のように、雑誌によっては自分の手元に揃っていないものもあるため、Hさんのご協力を仰ぐことがあろうかと思います。その折はどうぞよろしくお願いします :-)

それにしてもいつも拝見しながら思うのですが、Hさんが掲載される書物の画像(とりわけある書物の原書と訳書を並べたもの)は、見るだけで当該書物を手にとりたくなってしまいます。
Commented by aquirax at 2005-08-01 09:39 x
なァんだ、当然ながらHさんお持ちじゃないですか(笑)。私ごときが出る幕じゃありませぬ。是非山本さんとご協力いただき、われらの蒙を啓かれんことを祈念致します。楽しみにしております!


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