「ほっ」と。キャンペーン
2015年 05月 31日

注目新刊:工作舎版『ライプニッツ著作集』第II期が刊行開始、など

a0018105_2152320.jpg

◎工作舎版『ライプニッツ著作集』第II期が刊行開始

ライプニッツ著作集 第II期[1]哲学書簡
G・W・ライプニッツ著 酒井潔・佐々木能章監修 山内志朗ほか訳
工作舎 2015年5月 本体8,000円 A5判上製448頁+別丁8頁 ISBN978-4-87502-463-7

帯文より:待望のライプニッツ著作集第II期全3巻スタート! 学者の共和国&サロン文化圏を形成した手紙を精選。

目次:
【第1部】学者の共和国[レスプブリカ・リテラリア]
1 ヤコプ・トマジウスとの往復書簡[1663-1668]
 1-1 ライプニッツからヤコプ・トマジウスへ 増山浩人訳
 1-2 ライプニッツからヤコプ・トマジウスへ 増山浩人訳
 1-3 ヤコプ・トマジウスからライプニッツへ 増山浩人訳
 1-4 ライプニッツからヤコプ・トマジウスへ  山内志朗訳
 解説「若きライプニッツの思想的萌芽」 山内志朗
2 ホッブズ宛書簡[全][1670-1674]
 2-1 ライプニッツからトマス・ホッブズへ 伊豆藏好美訳
 2-2 ライプニッツからトマス・ホッブズへ 伊豆藏好美訳
 解説「デカルト主義克服への〈梯子〉」 伊豆藏好美
3 スピノザとの往復書簡とスピノザ注解
 3-1 ライプニッツからスピノザへ 町田一訳
 3-2 スピノザからライプニッツへ 町田一訳
 3-3 シュラー氏の書簡からの情報:ライプニッツ注解 上野修訳 
 3-4 スピノザからオルデンバーグへの三通の手紙:ライプニッツ注解 町田一訳
 3-5 ベネディクトゥス・デ・スピノザの『エチカ』について 朝倉友海訳
 解説「スピノザとの長い対決の始まり」 上野修
[別丁]ライプニッツ[&スピノザ]手稿
  1&2 スピノザからライプニッツ宛書簡 1671年11月9日、ハーグ
  3 スピノザ『エチカ』への書き込み 1678年
  4&5 マルブランシュ宛書簡(草稿) 1712年1月
  6 ベール宛書簡(草稿) 1702年8月19日、ベルリン
4 初期アルノー宛書簡[全][1671]
 4-1 ライプニッツからアルノーへ 根無一信訳
 解説「アルノーへの初コンタクト」 根無一信
5 マルブランシュとの往復書簡[全][1676-1712]
 5-1 ライプニッツからマルブランシュへ 梅野宏樹訳
 5-2 マルブランシュからライプニッツへ 梅野宏樹訳
 5-3 ライプニッツからマルブランシュへ 梅野宏樹訳
 5-4 ライプニッツからマルブランシュへ 梅野宏樹訳
 5-5 マルブランシュからライプニッツへ 梅野宏樹訳
 5-6 ライプニッツからマルブランシュへ 清水高志訳
 5-7 マルブランシュからライプニッツへ 清水高志訳
 5-8 ライプニッツからマルブランシュへ 清水高志訳
 5-9 マルブランシュからライプニッツへ 清水高志訳
  〔ライプニッツによる〕付録/考察
 5-10 ライプニッツからマルブランシュへ 清水高志訳
 5-11 ライプニッツからマルブランシュへ 清水高志訳
 5-12 ライプニッツからマルブランシュへ 清水高志訳
 5-13 マルブランシュからライプニッツへ 清水高志訳
 5-14 ライプニッツからマルブランシュへ 梅野宏樹訳
 5-15 ライプニッツからマルブランシュへ 梅野宏樹訳
 5-16 マルブランシュからライプニッツへ 梅野宏樹訳
 5-17 ライプニッツからマルブランシュへ 梅野宏樹訳
 解説「「真理への愛」の交歓」 清水高志
6 ベールとの往復書簡[全][1687-1702]
 6-1 ライプニッツからベールへ 池田真治訳
  付録 前の反論に含まれていた偽推理をG.G.L.〔ライプニッツ〕氏に示したC.〔カトラン〕神父様の短い批判
 6-2 ライプニッツからベールへ 池田真治訳
 6-3 デカルト氏の自然法則を支持する『学芸共和国通信』1687年6月号第1論文中のC〔カトラン〕神父様の批判に対するL〔ライプニッツ〕氏の回答 池田真治訳
 6-4 ライプニッツからベールへ 池田真治訳
 6-5 ライプニッツからベールへ 池田真治訳
 6-6 ベールからライプニッツへ 谷川雅子訳
 6-7 ライプニッツからベールへ 谷川多佳子訳
 6-8 ライプニッツからベールへ 谷川多佳子訳
 6-9 ベールからライプニッツへ 谷川雅子訳
 6-10 ライプニッツからベールへ 谷川多佳子・谷川雅子訳
 解説「学者の共和国における議論と交流」 谷川多佳子
第1部「学者の共和国」解説 酒井潔
 1 収載書簡の選定と編成
 2 書簡にみる最初期から中期へのライプニッツの思想形成
 3 「学者の共和国」とは何か
 4 ライプニッツ哲学書簡の特徴
 5 収載書簡一覧[文通開始年、アカデミー版とゲルハルト版]
 6 収載のポリシー
【第2部】サロン文化圏
1 ハノーファー選帝侯妃ゾフィーとの交流
  コラム「ハノーファー選帝侯妃ゾフィーについて」 大西光弘
 1-1 ライプニッツからゾフィーへ 大西光弘・橋本由美子・山田弘明訳
  コラム1-1「1696年11月4日付ゾフィー宛書簡の経緯」 大西光弘
 1-2 ライプニッツからゾフィーへ 大西光弘・橋本由美子・山田弘明訳
 1-3 ライプニッツからゾフィーへ 大西光弘・橋本由美子・山田弘明訳
  コラム1-3「1700年6月12日付ゾフィー宛書簡の経緯」 大西光弘
   ゾフィーからの書簡(1)1700年6月2日
 1-4 ライプニッツからゾフィーへ 大西光弘・橋本由美子・山田弘明訳
  コラム1-4「1701年11月30日付ゾフィー宛書簡の経緯」 大西光弘
   ゾフィーからの書簡(2)1700年6月16日
   ゾフィーからの書簡(3)1701年11月21日
 1-5 ライプニッツからゾフィーへ 大西光弘・橋本由美子・山田弘明訳
  コラム1-5「1705年10月31日付ゾフィー宛書簡の経緯」 大西光弘
2 ゾフィー・シャルロッテ宛書簡
  コラム「プロイセン王妃ゾフィー・シャルロッテについて」 大西光弘
 2-1 ライプニッツからゾフィー・シャルロッテへ 大西光弘・橋本由美子・山田弘明訳
 2-2 ライプニッツからゾフィー・シャルロッテへ 大西光弘・橋本由美子・山田弘明訳
  コラム2-2「ゾフィー・シャルロッテ宛書簡の経緯」 大西光弘
   ゾフィー宛書簡要約/ゾフィー・シャルロッテ宛書簡要約
 2-3 ライプニッツからゾフィー・シャルロッテへ 大西光弘・橋本由美子・山田弘明訳
3 マサム夫人との往復書簡
  コラム「マサム夫人について」 大西光弘
 3-1 マサム夫人からライプニッツへ 大西光弘・橋本由美子・山田弘明訳
  コラム3-1「1704年3月29日付マサム夫人からの書簡の経緯」 大西光弘
 3-2 ライプニッツからマサム夫人へ 大西光弘・橋本由美子・山田弘明訳
 3-3 ライプニッツからマサム夫人へ
  コラム3-3「1704年6月30日付 マサム夫人宛書簡の経緯」 大西光弘
 3-4 マサム夫人からライプニッツへ 大西光弘・橋本由美子・山田弘明訳
  コラム3-4「1704年11月24日付マサム夫人からの書簡の経緯」 大西光弘
 3-5 ライプニッツからマサム夫人へ 大西光弘・橋本由美子・山田弘明訳
  コラム3-5「1705年7月10日付マサム夫人宛書簡のその後」 大西光弘
第2部「サロン文化圏」解説 佐々木能章
 ・貴婦人たちとの華やかさに包まれた誠実な知的空間
 ・サロン文化の興隆
 ・ゾフィーとゾフィー・シャルロッテ母娘との深い興隆
 ・父カドワースと寄宿人ロックを背景にしたマサム夫人との往復書簡
 ・思想の表現法を鍛錬する
 ・編集方針
 17・18世紀ヨーロッパ王朝・諸侯系図[第1期第6巻・巻末図改訂版]
総解説「ライプニッツ哲学書簡の醍醐味」 酒井潔
 ・群を抜く書簡数
 ・書簡が著作に先行! ライプニッツ全集(アカデミー版)の構成
 ・対話的思考のプロトコル
 ・当時の郵便事情
 ・学術交流にはたす役割
 ・ライプニッツ書簡の偉大な遺産
 ・ライプニッツの文通プラクシス
 ・ディスクルス、ストラテジー、インフォメーション
 ・マルチ・リンガル ライプニッツと17世紀ドイツ
 ・「世界への門」 象徴的資産・資源としての情報
事項索引
人名[著者名]索引
監修者・訳者紹介

★発売済。第I期全10巻(1988~1999年)に続く第II期全3巻の刊行開始です。版元紹介文に曰く「スピノザ、ホッブズら1300人もの哲学者・数学者・神学者、さらには政治家や貴婦人たちと手紙を交わしていたライプニッツ(1646-1716)。その書簡を精選し、バロックの哲人の思想形成プロセスや喜怒哀楽を甦らせる」とあります。上記目次は版元さんが公開している情報に書籍現物の詳細を加えたものです。

★第I期は函入、グレーの本文用紙を使用されていましたが、第II期はカヴァー装で、本文用紙は白です。自筆草稿などの図版頁は第I期『弁神論』(第6~7巻)で使用されていた黄色の用紙が今回の第1巻で使用されています。造本は第I期を杉浦康平さんが手掛けられ、第II期では工作舎アートディレクターの宮城安総さんと小倉佐知子さんが担当されています。第II期は第I期のいくつかの特徴を引き継ぎつつ、新世紀に相応しいクールなデザインに仕上がっています。なお、第I期に付されていた月報「発見術の栞」は第II期では作成されていないものの、第1巻にはライプニッツの肖像をあしらったノベルティのカードが挟み込まれています。

★第II期第1巻「哲学書簡」は、哲学者や王族、貴族と交わした書簡を収めています。多言語を操り、積極的に交流を試みたライプニッツの話術ならぬ手紙術や手紙作戦とでも言うべきものの意義についてはそれぞれの解説で明らかにされており、たいへん興味深いです。なお、「ホッブズ宛書簡」「初期アルノー宛書簡」「マルブランシュとの往復書簡」「ベールとの往復書簡」は、原典であるアカデミー版やゲルハルト版で印刷されたすべての手紙が訳出されています。手紙だけでなく、例えばスピノザ『エチカ』の定義・公理・定義への評価や留保の論評が読めるのも読者の関心を惹くところではないかと思います。

★書簡は第I期でも、第2巻「数学論・数学」にはガロア、ホイヘンス、オルデンバーグ、ニュートンへの手紙が収録され、第3巻「数学・自然学」ではヨハン・ベルヌイやスローンへの手紙、第8巻「前期哲学」ではアルノーとの往復書簡やゾフィー・シャルロッテへの手紙、第9巻「後期哲学」ではデ・フォルダーやデ・ボス宛書簡の抄訳、クラークとの往復書簡、第10巻「中国学・地質学・普遍学」ではド・レモン宛書簡が訳出されてきました。単なる筆まめなのではなく、知的活動として書簡というメディアを最大限に利用していたわけで、書簡集を読むことなしにライプニッツを理解することはできないと言えそうです。

★「『モナドロジー』300周年の新展開」と銘打たれた第II期は今後、来年に第2巻「法学・神学・歴史学――人間の幸福・公共の善・神の名誉のために」、再来年に第3巻「技術・医学・社会システム――豊饒な社会の実現に向けて」が刊行予定とのことです。第II期の紹介リーフレットはこちらからPDFで閲覧できます。

★工作舎版『ライプニッツ著作集』第I期全10巻の構成は以下の通り。▲は美函なし、◆は版元品切です。幸いなことに、品切巻は新装版(函なしカヴァー装)で再刊する計画があるようです。

[1] 論理学 澤口昭聿訳 1988年11月 本体10,000円
[2] 数学論・数学 原亨吉ほか訳 1997年4月 本体12,000円 
[3] 数学・自然学 原亨吉ほか訳 1999年3月 本体17,000円▲
[4] 認識論[人間知性新論…上] 谷川多佳子ほか訳 1993年8月 本体8,500円◆
[5] 認識論[人間知性新論…下] 谷川多佳子ほか訳 1995年7月 本体9,500円▲
[6] 宗教哲学[弁神論…上] 佐々木能章訳 1990年1月 本体8,253円
[7] 宗教哲学[弁神論…下] 佐々木能章訳 1991年5月 本体8,200円▲
[8] 前期哲学 西谷裕作ほか訳 1990年12月 本体9,000円◆
[9] 後期哲学 西谷裕作ほか訳 1989年6月 本体9,500円
[10] 中国学・地質学・普遍学 山下正男ほか訳 1991年12月 本体8,500円

★なお第II期の刊行を記念して、現在、ジュンク堂書店池袋本店4F人文書売場哲学思想新刊コーナーの一番上の棚でコーナーが展開されています。また、神保町の書泉グランデ4F思想書売場では、棚の中の1段を2本分でフェアを開催中。お買い上げ特典として特製のしおりとカードがついてきます。工作舎さんよりいただいた店頭の写真を以下に掲載します。

・ジュンク堂池袋本店
a0018105_21983.jpg

・書泉グランデ
a0018105_2110561.jpg

a0018105_21102621.jpg

a0018105_21104175.jpg

◎藤原書店さんの季刊誌『環』が第I期終刊

環 vol.61:第Ⅰ期終刊』藤原書店、2015年5月、本体3,600円、菊大並製440頁、ISBN978-4-86578-028-4
〈増補新版〉資本主義の世界史――1500-2010』ミシェル・ボー著、筆宝康之・勝俣誠訳、藤原書店、2015年5月、本体5,800円、A5上製568頁、ISBN978-4-89434-796-0
石牟礼道子全句集 泣きなが原』石牟礼道子著、黒田杏子解説、藤原書店、2015年5月、本体2,500円、B6変上製256頁、ISBN978-4-86578-026-0

★3点とも発売済。「歴史・環境・文明」をめぐる学芸総合誌「環」は2000年1月に第0号が刊行され、以来15年にわたり季刊雑誌として継続されてきました。今回の第61号の刊行をもって第I期終刊とのことです。同業者には想像しやすいのですが、書籍出版をメインにしている版元にとって雑誌運営というものは季刊と言えどもかなりの手間がかかるもので、それを15年間も継続されてきた藤原書店さんにはただただ畏敬の念を覚えます。第61号では2本のシンポジウム「なぜ今、移民問題か」「今、なぜ石牟礼道子か」での鼎談録や各種インタビュー、座談会、エッセイなどのほか、藤原書店さんの創業25周年記念の祝賀会で行われた記念講演や対談、識者から寄せられたのメッセージが掲載されています。また巻末には「環」のバックナンバー装目次と人名索引が160頁ものヴォリュームで併載されています。この総目次は1200円の単独小冊子としても分けてもらえるそうなので、ご希望の方は藤原書店さんの営業部までお問い合わせください。

★藤原書店さんでは今月、ミシェル・ボー『〈増補新版〉資本主義の世界史――1500-2010』や、『石牟礼道子全句集 泣きなが原』なども刊行されています。前者の原書はフランスのスイユ社から1981年に刊行され、その後改訂と増補を重ねてきたHistoire du capitalisme : de 1500 à nos joursで、日本語版の初訳は1996年6月刊行でした。2010年に第8章が追加された原書新版(第6版)が出たため、日本語訳でも増補改訂版として今回の出版に至った次第かと思います。帯文はこうです。「「資本主義500年史」を描いた名著、待望の増補決定版刊行! 9・11事件、リーマンショックなど、2000年代の世界史的“大反転”をどう位置づけるのか? ブローデルの全体史、ウォーラーステインの世界システム論、レギュラシオン・アプローチを架橋して資本主義の500年史を統一的視野のもとに収め、初版刊行以来大好評を博した書に、世紀の転換期を挟む約20年の展開を論じた一章を加筆した決定版」。増補改訂版にあたり、第III部「資本主義の世界的「勝利」と大転換」の第7章「二十世紀末――世界史の大転換期か」が「二十世紀末――世界の大反転の始まりか?」として全面修正され、第8章が「2000-2010――地球規模の大動乱の始まり」として新たに訳出されています。また、巻頭には「日本語増補新版への序文――資本主義の歴史について」という新しい序文が著者から寄せられています。著者のミシェル・ボー(Michel Beaud, 1935-)さんは近年日本でもよく読まれだしたトマ・ピケティ(1971-)に比べると親子ほどの歳の差があるヴェテラン経済学者で、既訳書『大反転する世界――地球・人類・資本主義』(筆宝康之・吉武立雄訳、藤原書店、2002年)も藤原書店さんから刊行されています。

★『石牟礼道子全句集 泣きなが原』は作家の半世紀にわたる全句を収録した一冊で、幻の句集と言われた『天』(天籟俳句会、1986年)も収められています。書名になっている「泣きなが原」は大分県と熊本県にまたがる涌蓋山(わいたさん)の山麓にある地名だそうで、こんな一句があります、「おもかげや泣きなが原の夕茜」(189頁)。あとがきには「九重高原、特に「泣きなが原」という薄〔すすき〕原の幽邃ばうつくしあに魅入られたのが、俳句を作るきっかけになった」(228頁)とあります。巻末には黒田杏子さんによる味わい深い解説「一行の力」が付されています。そこで引かれている高銀さんや上野千鶴子さんとの対談での石牟礼さんの言葉にたとえようのない重みを感じつつ、一句一句に込められた思いを想像します。「われひとり闇を抱きて悶絶す」「色の足りぬ虹かかる渡るべきか否か」「向きあえば仏もわれもひとりかな」。それぞれ2013年夏、2015年冬、2015年春に詠まれた句です。

+++

★このほか、ここ最近では以下の書籍との出会いがありました。

戦時ストライキ』マーティン・グラバーマン著、北川知子訳、こぶし書房、2015年5月、本体2,400円、4-6判上製226頁、ISBN978-4-87559-302-7
日本哲学原論序説――拡散する京都学派』檜垣立哉著、人文書院、2015年5月、本体3,500円、4-6判上製284頁、ISBN978-4-409-04107-9
賢く決めるリスク思考――ビジネス・投資から、恋愛・健康・買い物まで』ゲルト・ギーゲレンツァー著、田沢恭子訳、インターシフト発行、合同出版発売、2015年6月、本体2,200円、46判並製416頁、ISBN978-4-7726-9545-9
死者との邂逅――西欧文学は〈死〉をどうとらえたか』道家英穂著、作品社、2015年5月、本体2,400円、46判上製330頁、ISBN978-4-86182-533-0
サリーのすべて』アルノ・ガイガー著、渡辺一男訳、作品社、2015年5月、本体2,600円、46判上製344頁、ISBN978-4-86182-532-3

★特記したいのは『戦時ストライキ』です。原書は、Wartime Strikes: The Struggle against the No-Strike Pledge in the UAW during World War II (Bewick Edition, 1980)。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。帯文に曰く「WWII戦時総動員体制下、労働組合の国策協力「ストライキ凍結宣言」を打ち破ったアメリカ労働者の闘い」。「はじめに」によれば本書は「ストライキ凍結宣言をめぐって全米自動車労働組合(UAW)と一般組合員コーカスで繰り広げられた闘争の顛末」を記し、それを踏まえて「労働者階級の意識を分析」したもの。コーカスとは派閥や会派のこと。戦時下におけるいわゆる「山猫スト」(一部の組合員が指導部の承認を得ないまま決行するストライキのこと)を分析した古典です。著者のマーティン・グラバーマン(Martin Glaberman, 1918-2001)はアメリカの運動家・歴史家で、自身もデトロイトの自動車工場で働いた経験があるそうです。かの活動家・社会理論家C・L・R・ジェームズのアメリカ時代における弟子にして盟友でした。原書の版元はほかならぬグラバーマンが1970年代に創立した出版社で、ジェームズの著作をはじめアメリカの労働運動関連の書籍を刊行したと言います。
[PR]

by urag | 2015-05-31 21:10 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://urag.exblog.jp/tb/21294963
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< 重版出来:バトラー『権力の心的...      まもなく発売:熊野訳『判断力批... >>