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2005年 07月 11日

季刊誌「パイデイア」の誌名の由来

竹内書店版「ブランショ著作集」の計画について先日書きました。今日はその予告が掲載されていた季刊誌「パイデイア」の誌名の由来を明かす文章を以下に引用します。これは創刊号から三号まで掲載されていた文章です。第二号と第三号では、編集後記と同じページに並んで掲載されていました。記名はありませんが、文責はおそらく編集者の安原顕氏と推測されます。

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パイデイア(ギリシア語「教育・文化・教養」)
A「パイデイアとは一体何ですか。」
B「原義は子供(〔単〕パイス、〔複〕パイデス)を教育することでしたが、次第に意味が広がって、青年・成人の教育、さらにはその結果たる教養・学問・芸術をも包含するようになりました。また、子供の教育に鞭が必要なことは今も昔も変わりませんが、それから派生して〈懲罰〉の意味まで生じたのは面白いことです。」
A「昔の教育はざそかし野蛮なものだったのでしょうね。今は鞭などとんでもありませんから。」
B「それが大違い。もちろん今から考えると古くさいところもありますが、青年たちの学園生活などは現代人がうらやましく思う点も多かったんですよ。知育と体育を車の両輪とする人格形成と、何ものをもおそれぬ合理精神。授業は、先生1人に生徒数人というのが原則でした。それに師弟関係はともに寮生活をおくるため、まるで父子・兄弟の間柄のようだったんですよ。イソクラテスの学校などには、敬愛する師友とも別離の辛さに、卒業したくない、故郷に帰りたくないと泣いたり、駄々をこねたりする生徒もしばしばあったそうです。プラトンのアカデミアもきっと同じようなものだったのでしょう。このような教育から生み出された当時の文化・教養を現代の人々はどれだけ凌駕していると言えるでしょうか。」

***

誌名の由来や創刊の辞(「パイデイア」には創刊の辞はありませんが)、編集後記といったものはいつでも興味深いものですね。(H)
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by urag | 2005-07-11 19:05 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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