2015年 01月 29日

注目新刊:大竹弘二×國分功一郎『統治新論』太田出版、など

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★大竹弘二さん(訳書:A・ガルシア・デュットマン『思惟の記憶』、共訳:A・ガルシア・デュットマン『友愛と敵対』)
國分功一郎さんとの対談本『統治新論――民主主義のマネジメント』が太田出版さんから刊行されました。全5章立てで、巻頭の「はじめに」を大竹さん、巻末の「おわりに」を國分さんがお書きになっておられます。第一章「主権を超えていく統治――特定秘密保護法について」は季刊誌『atプラス』19号(2014年2月)の特集「公開性と秘密」に掲載されたお二人の対談「主権を超えていく統治――国家の肥大症としての特定秘密保護法」へ加筆訂正したもので、第二章「「解釈改憲」から戦前ドイツへ」、第三章「主権概念の起原とその問題」、第四章「新自由主義の統治をめぐって」、第五章「立憲主義と民主主義再考」は語り下ろしとのことです。帯文に曰く「国家といかにつきあうか。主権、憲法、民主主義、新自由主義……を歴史的な根源から問い直す、二一世紀の政治哲学!」と。書名のリンク先から試し読みが可能です。


★ジャック・デリダさん(著書:『条件なき大学』)
★西山雄二さん(訳書:J・デリダ『条件なき大学』、共訳:『ブランショ政治論集』)
★宮崎裕助さん(共訳:P・ド・マン『盲目と洞察』)
★西山達也さん(訳書:J・サリス『翻訳について』)
★ロドルフ・ガシェさん(著書:『いまだない世界を求めて』)
★清水一浩さん(共訳:A・ガルシア・デュットマン『友愛と敵対』)
★郷原佳以さん(共訳:『ブランショ政治論集』)
★柿並良佑さん(共訳:L・サラ-モランス『ソドム』)
★渡名喜庸哲さん(共訳:L・サラ-モランス『ソドム』)
★門間広明さん(訳書:M・ブランショ『謎の男トマ』)
★上野俊哉さん(著書:『アーバン・トライバル・スタディーズ』)
昨年11月に早大で開催された「デリダ没後10年シンポジウム」での講演録を中核にした一冊が発売されました。『現代思想』2015年2月臨時増刊号「総特集=デリダ――10年目の遺産相続」です。弊社でお世話になっている著訳者の皆様関連の情報のみを以下に抜き出します。目次全体は特集名のリンク先をご覧ください。

「ハイデガーをめぐる対談」J・デリダ+D・ジャニコー(聞き手)/西山達也訳
「デッドレターとしての哲学」東浩紀+宮﨑裕助(聞き手)
「デリダ最盛期」M・ナース/宮﨑裕助+島田貴史訳
「脱構築〈の〉力」R・ガシェ/清水一浩訳
「L’enfant que donc je suis、あるいは、猫のエピソードはなぜ「自伝的」なのか」郷原佳以
「超‐主権的なWalten(ヴァルテン)の問いへ――ジャック・デリダ『獣と主権者Ⅱ』」西山雄二
「エクス・レクス――ジャック・デリダの死刑論セミネール」G・ベニントン/清水一浩訳
[ハイデガー]自己伝承と自己触発 デリダの『ハイデガー』講義(1964-1965) / 亀井大輔
「パラレルな差異――ドゥルーズ&デリダ」J-L・ナンシー/大池惣太郎+柿並良佑訳
「屹立状態の哲学」C・マラブー/西山雄二訳
「呼びかけとしての友愛、哀悼としての友愛――ジャック・デリダの友愛論におけるアリストテレス的伝統について」宮﨑裕助
「現象を救うこと――レヴィナス、デリダとメシアニズムの問い」S・マルジェル/渡名喜庸哲訳
「デリダ著作目録2014」宮﨑裕助+島田貴史

同臨時増刊号では弊社にとって初めてとなる本文中への全面広告を打っております。また、結果的にたまたま連続したのですが、青土社さんが刊行されている雑誌のもう一方の柱である『ユリイカ』2015年1月号「特集=ゴダール2015」の表4にも1/2広告を出しました。同号では新連載として、柏倉康夫さんによる「[新訳]ステファヌ・マラルメ詩集」が始まっており、「乾杯 他四篇」が掲載されています。マラルメ詩集の既訳を複数読み比べられた方ならよくお分かりになると思うのですが、柏倉さんの訳は抜群に読みやすく咀嚼しやすいもので、連載が続いていずれ単行本化されることが今から待ち遠しくてなりません。

柏倉さんの連載第2回として「窓 他七篇」が掲載された『ユリイカ』2015年2月号「増頁特集=俳優・高倉健」の巻末にある「われ発見せり」の欄では、弊社先月刊、ブランショ『謎の男トマ』の訳者・門間広明さんが「ただ生きているだけ」を寄稿されています。ドゥボール、アガンベン、ブランショを参照項にした、サバイバルと抵抗をめぐる興味深いテクストです。

また『現代思想』2015年2月号「特集=反知性主義と向き合う」では、弊社刊『アーバン・トライバル・スタディーズ』の著者である上野俊哉さんが「反知性主義に抗うためのいくつかのアイディア」と題したテクストを寄稿されています。反知性主義の三大特徴を挙げて時事問題を分析しつつ、別の生き方と考え方を提示されています。同号ではジュンク堂書店難波店店長の福嶋聡さんも寄稿されており(「憎悪・排除・批判――闘技場としての書店は、今」)、書店人として、一言論人として毅然と声をあげられています。「知性は、どれだけ知っているかによって量られるものではなく、自分が何を知らないかをどれだけ知っているかで量られる。知性とは、知っていることの量ではなく、知ることへの意欲の強度である。自らの知を完璧と思いこみ、「正義」に囚われて他者を排除する人たちは、知性から最も遠い」(228頁)。

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以下は書評情報です。「図書新聞」2015年1月31日号(3192号)の「書店員、オススメの一冊」で、東京堂書店神田神保町店の文芸書担当・清都正明さんが弊社先月刊、ブランショ『謎の男トマ』について、長文の書評「文学と死とことばと」を寄せられています。「地下の闇に降りていくシーンと、アンヌ死後のトマ独白のシーンに絶対的な夜、自分をもうひとつの生存へと呼びよせるような、死者の声が鳴り響くとりわけ音楽的オメージの豊穣を新版よりまして感じることができた」と評していただきました。清都さん、ありがとうございます!

また、昨年末の「共同通信」配信記事「今年の収穫」では、アート部門を椹木野衣さんがベスト3冊の中に『間章著作集III さらに冬へ旅立つために』を挙げてくださっています。「狭義の評論をはるかに超え、前衛芸術全般に向けられた熾烈な言説が、権威を得て弛緩した音楽家に容赦なく投げかけられる。本巻は亡くなる直前の講演記録を含め、多様な手法の批判活動を網羅。かつて批評はこのようなものでもありえたのだ」と評していただきました。同著作集はたいていは音楽書売場に置かれるのですが、人文書の哲学思想書売場で展開してくださっている書店さんもあります。とても嬉しいです。
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by urag | 2015-01-29 18:17 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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