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2014年 09月 28日

2014年10月の注目近刊書

★今回は来月刊行予定の近刊書の中から注目の本(再刊書も含む)をピックアップします。全部はさすがに買えませんが、チェックはしなければなりません。あとあとになって「え、そんな本があったっけ!」ということにならないようにしたいと思います。

◎2014年10月の注目新刊(価格は税別)

01日『アル・ゴア 未来を語る――世界を動かす6つの要因』アル・ゴア著、枝廣淳子監訳、中小路佳代子訳、角川マガジンズ、1800円
04日『夜想#カフカの読みかた』山村浩二ほか著、ステュディオ・パラボリカ、1500円
06日『ドイツ団体法論 第1巻 ドイツゲノッセンシャフト法史 第2分冊』オットー・フォン・ギールケ著、庄子良男訳、信山社、14,000円
07日『出版人に聞く(15)鈴木書店の成長と衰退』小泉孝一著、論創社、1,600円
07日『宮廷人の閑話――中世ラテン綺譚集〔De Nugis Curialium〕』ウォルター・マップ著、瀬谷幸男訳、論創社、5,500円
08日『現代哲学』バートランド・ラッセル著、高村夏輝訳、ちくま学芸文庫、1,600円
08日『解釈としての社会批判』マイケル・ウォルツァー著、大川正彦+川本隆史訳、ちくま学芸文庫、1,200円
08日『精神と自然――ワイル講演録』ヘルマン・ワイル著、ピーター・ペジック編、岡村浩訳、ちくま学芸文庫、1,600円
08日『梁塵秘抄』植木朝子編訳、ちくま学芸文庫、1,300円
08日『真剣に話しましょう――小熊英二対談集』小熊英二ほか著、新曜社、2,400円
09日『吉本隆明全集〈4〉1952-1957』晶文社、6,400円
10日『経済学41の巨人――古典から現代まで』日本経済新聞社編、日本経済新聞出版社、2,400円
10日『新装版 雪の結晶――小さな神秘の世界』ケン・リブレクト著、矢野真千子訳、河出書房新社、1,600円
10日『江戸の性語辞典』永井義男著、朝日新書、760円
10日『わが半生』W・チャーチル著、中公クラシックス、2,500円
10日『貧困の哲学(上)』ピエール=ジョセフ・プルードン著、斉藤悦則訳、平凡社ライブラリー、1800円
10日『新装版 初期ギリシア哲学』ジョン・バーネット著、西川亮訳、以文社、7,000円
10日『平等の方法』ジャック・ランシエール著、市田良彦ほか訳、航思社、3,400円
10日『ワードマップ 現代アメリカ――日米比較のなかで読む』渡辺靖編、新曜社、2,400円

★まずは10日まで。不覚にも第1分冊が今月発売されていたのを見逃していたのが、ギールケ(1841-1921)の主著『ドイツ団体法論』(全4巻)の第1巻『ドイツゲノッセンシャフト法史』(原書1868年刊、日本語訳全4分冊予定、信山社)。初版部数はそう多くはないと思われるので、もたもたしないで購入しておかねばなりません。庄子良男(しょうじ・よしお:1943-)先生は東北学院大学教授、千葉大学教授、筑波大学大学院教授、早稲田大学大学院教授を経て、2007年より駿河台大学法科大学院教授。大著への途方もない挑戦に圧倒されます。一方『吉本隆明全集』は順調に第3回配本。こちらも全集を編むという途方もない挑戦が続きます。


13日『革命のつくり方――台湾ひまわり運動:対向運動の創造性』港千尋著、インスクリプト、2,200円
14日『吉本隆明の経済学』中沢新一編著、筑摩選書、1,800円
14日『「知の技法」入門』小林康夫+大澤真幸著、河出書房新社、1,500円
14日『美しい知の遺産 世界の図書館』ジェームズ・W・P・キャンベル著、ウィル・プライス写真、桂英史監修、河出書房新社、8,800円
15日『こんにちは、ユダヤ人です』ロジャー・パルバース+四方田犬彦著、河出ブックス、1,600円
15日『何を怖れる――フェミニズムを生きた女たち』松井久子編、岩波書店、1,400円
16日『ノイマン・ゲーデル・チューリング』高橋昌一郎著、筑摩選書、1,600円
16日『快楽について』ロレンツォ・ヴァッラ著、近藤恒一訳、岩波文庫、1,200円
16日『ノストラダムス 予言集』P・ブランダムール著、高田勇・伊藤進編訳、岩波書店(岩波人文書セレクション)、3,000円
17日『学生よ〔1848年革命前夜の講義録〕〈新版〉』ジュール・ミシュレ著、大野一道訳、藤原書店、2,700円
17日『自然主義と宗教の間――哲学論集』ユルゲン・ハーバーマス著、庄司信ほか訳、法政大学出版局(叢書・ウニベルシタス)、4,800円
20日『本の底力――ネット・ウェブ時代に本を読む』高橋文夫著、新曜社、1,600円

★次に20日まで。中沢さん、四方田さん、小林さん、大澤さん、港さんといった1950年から1960年までに生まれ、ニューアカ・ブームを含む黄金の80年代を経てかれこれ30年から40年近く第一線を走っておられる先達が揃って新刊を上梓されます。少しジャンルは異なりますが、高橋昌一郎さんも世代的に一緒です。70年代生まれの若手にとっては師匠にあたる世代で、世間的に言えばいわゆる「グランドジェネレーション」にあたります。この世代をビジネス・ターゲットにする大手小売は存在しても、本屋さんはないですね。割と真剣な話、文化戦略としてGG向けの複合書店をイオンが作ったらいいのに。

★話は変わりますが、千代田区内幸町のジュンク堂書店プレスセンター店で来たる11月1日から2日に、「ジュンク堂に住んでみる」モニターツアーが行われる予定ですね。参加できるのは3組6名まで。18歳以上が対象で参加費は無料。最低1冊の書籍か雑誌を買ってくれとのことです。9月30日まで募集中で応募多数なら抽選。なんと大胆な企画でしょうか。詳細情報とお申し込みはこちら。静まり返った夜の店内はけっこう寒そう。防寒対策をしっかりして、背の高い書棚に囲まれながら新刊の『美しい知の遺産 世界の図書館』などを眺めるのはいかがでしょうか。


21日『高野山』松長有慶著、岩波新書、880円
21日『ケルト紋様の幾何学』アダム・テットロウ著、山田美明訳、創元社(アルケミスト双書)、1,200円
22日『沖縄の傷という回路』新城郁夫著、岩波書店、本体2,600円
22日『オルフェウスの声――詩とナチュラル・ヒストリー』エリザベス・シューエル著、高山宏訳、白水社(異貌の人文学)、6,000円
22日『かたちの理由――自然のもの、人工のもの、様々なかたちの成り立ちを知る』クリストファー・ウィリアムズ著、小竹由加里+梶浦真美訳、ビー・エヌ・エヌ新社、2,200円
23日『神なき宗教――「自由」と「平等」をいかに守るか』ロナルド・ドゥオーキン著、森村進訳、筑摩書房、2,100円
24日『啓蒙思想2.0――政治・経済・生活を正気に戻すために』ジョセフ・ヒース著、栗原百代訳、NTT出版、3,000円
24日『知識欲の誕生』アラン・コルバン著、築山和也訳、藤原書店、2,000円
24日『フランクフルト学派――ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ』細見和之著、中公新書、840円
24日『マルブランシュ――認識をめぐる争いと光の形而上学』依田義右著、ぷねうま舎、8,000円
25日『菜根譚』湯浅邦弘著、角川ソフィア文庫(ビギナーズ・クラシックス)、800円
25日『いと高き貧しさ』ジョルジョ・アガンベン著、上村忠男+太田綾子訳、みすず書房、4,600円
29日『デリダ伝』ブノワ・ペータース著、原宏之+大森晋輔訳、白水社、10,000円
30日『サルトル読本』澤田直編、法政大学出版局、3,600円
30日『生そのものの政治学――二十一世紀の生物医学、権力、主体性』ニコラス・ローズ著、檜垣立哉監訳、法政大学出版局(叢書・ウニベルシタス)、5,200円
30日『われわれが生きている現実――技術・芸術・修辞学』ハンス・ブルーメンベルク著、村井則夫訳、法政大学出版局(叢書・ウニベルシタス)、2,900円
30日『アドラシオン――キリスト教的西洋の脱構築』ジャン=リュック・ナンシー著、メランベルジェ眞紀訳、新評論、2,700円
30日『68年5月とその後――反乱の記憶・表象・現在』クリスティン・ロス著、箱田徹訳、航思社、3,800円
31日『現代の経済思想』橋本努編、勁草書房、5,500円
31日『必要の理論』L・ドイヨル+I・ゴフ著、馬嶋裕+山森亮監訳、勁草書房、3,500円

★最後に30日まで。シューエル、ドゥオーキン、コルバン、アガンベン、『デリダ伝』、ブルーメンベルク、ナンシー、等々とめくるめく怒涛の新刊攻勢です。上記7冊を買うと税別でも3万円を超えますから(消費税8%が重いこと!ましてや10%なんて・・・)、給料日以降に実際に刊行されているかどうか確認しつつ、読みたい順番も考えつつ購入、といったところでしょうか。アガンベンと言えば、10月下旬刊行予定で、アレックス・マリー『ジョルジョ・アガンベン』(高桑和巳訳、青土社、2,400円)も予定されています。なんと、シリーズ「現代思想ガイドブック」の約8年ぶりの新刊です。2006年12月刊行の、ニコラス・ロイル『ジャック・デリダ』(田崎英明訳)で日本語版は完結したものと思っていましたが、この先どんなラインナップが続くのでしょうか。

by urag | 2014-09-28 23:56 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)


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