2014年 06月 23日
★近藤和敬さん(著書:『カヴァイエス研究』、訳書:カヴァイエス『論理学と学知の理論について』) 物理学者の松野孝一郎さん(長岡科学技術大学名誉教授)が提唱し、理論生命科学者の郡司ペギオ幸夫さん(早稲田大学教授)が発展させた、新しい思考様式「内部観測」をハブ概念とした領域横断型のウェブ雑誌「E!」を、上浦基さん(東京電機大学理工学部助教)、澤宏司さん(日本女子大学附属高等学校教諭)、竹之内大輔さん(株式会社イーライフ、シニアコンサルタント)、水越康介(首都大学東京大学院ビジネススクール准教授)と共同で2014年6月20日に創刊されました。エウレカ・プロジェクトのウェブサイトから創刊#1号をダウンロードできます。近藤さんは同号に「あたらしさについて」という架空対談形式のテクストを寄稿されているだけでなく、組版デザインも手掛けておられます。 E! vol.1 澤宏司責任編集 エウレカ・プロジェクト 2014年6月 無料 PDF85頁 ISSN2188-756X 版組デザイン=近藤和敬 WEBプランニング(Eureka Project)=園原譲(フリーランス) 表紙・グラフィックデザイン=高村舞(東京大学大学院修士課程、建築学) 企画協力=高際俊介 目次: エウレカ宣言Ⅰ 巻頭言 【6-7】 内部観測 The Origin|松野孝一郎×上浦基【8-31】 松野×上浦対談解題〈内部観測〉が居酒屋で使われる、そのときまでに、世界は。|上浦基【32-33】 機械と人間のオチのない物語をめぐって――将棋電王戦から考える|久保明教【34-41】 天才と凡人とそのあいだくらい|水越康介【42-49】 わたしと世界が触れるとき|齋藤帆奈【50-55】 あたらしさについて|近藤和敬【56-73】 論理の時間、論理と時間(Ⅰ)ラッセルの形式、ヒルベルトの計画|澤宏司【74-83】 執筆者プロフィール一覧 【84】 エウレカ宣言Ⅱ 巻末言 【85】 ★川合全弘さん(訳書:ユンガー『追悼の政治』『労働者』) ロシア政治思想史の研究者、京都大学名誉教授の勝田吉太郎さん(かつだ・きちたろう:1928-)さんが1968年に潮新書(潮出版社)の一冊として上梓された『ドストエフスキー』が、加筆訂正されて再刊されました。勝田さんは川合さんの恩師であり、川合さんは今回の再刊に際し編集協力に当たられています。 ドストエフスキー 勝田吉太郎(かつだ・きちたろう:1928-)著 第三文明社 2014年4月 本体3,500円 四六判上製函入360頁 ISBN978-4-476-03326-7 帯文より:人間とは何か――この根源的な問いに、ドストエフスキーは巨大な精神力を注いだ。近代文明に翻弄された現代人が新たな文明を模索する一書。 目次: 第一章 近代小説とドストエフスキーの手法 第二章 人間学――社会主義社会の蟻塚と人間的自由 第三章 自由の悲劇的弁証法 第四章 全体主義権力の論理と心理構造 第五章 ヒューマニズムの危機 第六章 宗教と倫理――弁神論の問題 第七章 悪の共同体 第八章 ナショナリズムと神 むすび あとがき ドストエフスキー略年表 著作目録 ★ジャック・デリダさん(著書:『条件なき大学』) 井筒俊彦さんに宛てられた1983年7月10日付の書簡「〈解体構築〉DÉCONSTRUCTIONとは何か」丸山圭三郎訳、初出=「思想」1984年4月号に掲載、原文「Lettre à un ami japonais (1985) 」は増補新版『プシュケー』第Ⅱ巻、ガリレ、2003年収録)が、河出書房新社さんの「道の手帖」シリーズの最新刊「井筒俊彦」に再掲載されています。2014年は井筒俊彦さんの生誕百年に当たります。内容詳細は以下の通りです。 井筒俊彦――言語の根源と哲学の発生 安藤礼二+若松英輔責任編集 河出書房新社 2014年6月 本体1,600円 A5判並製224頁 ISBN978-4-309-74053-9 版元紹介文より:東西の叡智を一身に体現する世界的思想家・井筒俊彦の可能性に迫る。 目次:(既出テクストの再掲載には★印を付します) 【特別対談】安藤礼二×若松英輔「コトバの形而上学――井筒俊彦の生涯と思想」 【インタビュー】高橋巖「エラノスで会った〈非〉学問の人」 (聞き手=安藤礼二・若松英輔) 【井筒俊彦を読む】 大江健三郎「井筒宇宙の周縁で――『超越のことば』井筒俊彦を読む」★ 田口ランディ「『意識の形而上学――「大乗起信論」の哲学』を読む」 吉村萬壱「下から」 池田晶子「『意識と本質』を読む」★ 日野啓三「言い難く豊かな砂漠の人」★ ジャン・コーネル・ホフ「井筒哲学を翻訳する」(野口良次訳) 【特別収録】ジャック・デリダ「[書簡]〈解体構築〉DÉCONSTRUCTIONとは何か」 (丸山圭三郎訳)★ 【井筒哲学の可能性】 中沢新一「創造の出発点」★ 安藤礼二「呪術と神秘――井筒俊彦の言語論素描」 若松英輔「光と意識の形而上学――井筒俊彦とベルクソン」 中島岳志「「東洋の理想」の行方――大川周明と井筒俊彦」 山城むつみ「井筒俊彦とロシアと文字と戦争と」 上野俊哉「スピリチュアル・アナキズムに向かって」 【井筒哲学の基層】 河合俊雄「井筒俊彦とエラノス精神」 末木文美士「禅から井筒哲学を考える」 頼住光子「井筒俊彦と道元」 池内恵「井筒俊彦の主要著作に見る日本的イスラーム理解」★ 納富信留「井筒俊彦とプロティノス」 澤井義次「井筒俊彦とインド哲学」 【井筒俊彦と東洋哲学】 鎌田東二「詩と宗教と哲学の間――言語と身心変容技法」 野平宗弘「地球社会化時代の東洋哲学――井筒俊彦とファム・コン・ティエン」 松枝到「「読む」ことの教え――井筒俊彦から受け取ったこと」 永井晋「〈精神的東洋を索めて〉――光の現象学」 井筒俊彦 略年譜 ※なお、河出書房新社さんでは「道の手帖」シリーズのほかにも、大西巨人さんをめぐるアンソロジーを発売されたばかりです。また、今月の講談社文芸文庫の新刊では大西さんの『地獄変相奏鳴曲――第一楽章 白日の序曲/第二楽章 伝説の黄昏/第三楽章 犠牲の座標」が発売されています。 大西巨人――抒情と革命 河出書房新社編集部編 河出書房新社 2014年6月 本体2,300円 A5判並製256頁 ISBN978-4-309-02300-7 目次:(既出テクストの再掲載は★印) 【エッセイ】 いとうせいこう「リアリズムへの神聖喜劇」 小沢信男「汚い原稿の美しさ」 【大西巨人 単行本未収録エッセイ選解題(山口直孝編)】 「ヒューマニズムの陥穽――「ネオ・ユマニスム」の旗手としての荒正人について」★ 「K少尉的なもの」★ 「二つの書物――「あられ酒」と「追憶」と」★ 「対馬の上島・下島」★ 「古い記憶の水鏡――短歌一種、詩二編について」★ 【対談】 大西巨人×武井昭夫「21世紀の革命と非暴力――新訳『縮図・インコ道理教』をめぐって」★ 大西巨人×柄谷行人「畏怖あるいは倫理の普遍性」★ 大西巨人×吉本隆明「“大小説”の条件――『神聖喜劇』をめぐって」★ 大西巨人×大岡昇平「変貌する「戦後」を問う」★ 【大西巨人 初出で読む「俗情との結託」解題(山口直孝編)】 「俗情との結託――『三木清に於ける人間の研究』と『真空地帯』」★ 「雉子も鳴かずば打たれまい――民科芸術部会のこと、『真空地帯』批判(「俗情との結託」)の二つの反批判(?)のこと、シャーロック・ホームズ的推理のこと、その他」★ 「『真空地帯』問題――会本来の使命発展のために・Ⅳ」★ 【論考】 山口直孝「疾走する「たわぶれ心」――大西巨人におけるフモールの展開」 絓秀実「さらに踏み越えられたエロティシズムの倫理――—大西巨人の場合」★ 井口時男「「正名と自然」再び」 倉数茂「大西巨人の聖史劇(ミステリー・プレイズ)」 友常勉「〈党〉と部落問題」 千野帽子「大西巨人を読んでめんくらうこと」 【『神聖喜劇』論】 石橋正孝「大西巨人における暴力の問題」 田島正樹「革命的主体について――『神聖喜劇』論」★ 宮野由梨香「神聖喜劇』の彼方へ」 橋本あゆみ「「別の長い物語り」のための覚書――『精神の氷点』から『神聖喜劇』へ」 【作品ガイド】 「精神の氷点」(堀川労) 「神聖喜劇」(橋本あゆみ) 「天路の奈落」(生住昌大) 「地獄変相奏鳴曲」(坂口博) 「三位一体の神話」(楠田剛士) 「五里霧」(堀川労) 「迷宮」(内田友子) 「二十一世紀前夜祭」(堀川労) 「深淵」(内田友子) 「縮図・インコ道理教」(坂口博) 「地獄篇三部作」(坂口博) 大西巨人略年譜(齋藤秀昭)
by urag
| 2014-06-23 16:10
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