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URGT-B(ウラゲツブログ)

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2014年 06月 06日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん

2014年6月14日(土)リニューアルオープン
丸善松本店:図書850坪、文具200坪
長野県松本市深志1-3-11 コングロM B1F~2F
大阪屋帳合。JR篠ノ井線松本駅駅前のコングロMビル地下1階から地上2階合計1050坪で、2011年より営業されてきた店舗がリニューアルオープンします。減床ではなく、コミック売場訳150坪を同ビル3Fに新規オープンするアニメ・ホビー特化店「文教堂JOY」380坪に移すためです。これによりむしろコミック以外の売場のボリュームアップを図るというのが今回の肝です。弊社には芸術書主要商品のご発注をいただきました。増強されるのは、芸術、実用、地図、児童書の4分野のようです。芸術書を増やしていただけるというのがとてもありがたいですね。

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一方閉店情報です。旅の本の専門店「BOOK246」(港区南青山1-2-6 Lattice aoyama1F)が老朽化したビルの建て替えに伴い、契約満了ということで4月15日で閉店されました。また、「喜久屋書店熊本店」(熊本市中央区下通1-3-10 ダイエー熊本下通店6F)が、ダイエーの閉店売却に伴い、5月11日に閉店。ここ数年、入居するビルの事情による閉店が増えているように感じます。全国のあちこちで建物やインフラの老朽化が進み、並行して不況による商業施設の閉鎖撤退も進んでいるこんにち、入居するにもリスクが必ず伴うわけです。しかし土地建物が自前の新規書店というのも恐らくは敷居が高い話なのでしょう。

最後に帳合変更です。書籍、文具雑貨、レンタル/セルCD・DVDを扱う滋賀県拠点の複合店チェーン「サンミュージック」さんが3月1日より、帳合を太洋社からトーハンに変更されました。サンミュージックさんのウェブサイトの会社概要ではまだ主要取引先の中に太洋社の記載が残っていますが、完全に全店舗が切り替えになったようです。太洋社さんはここ数年の「帳合戦争」に巻き込まれ、喜久屋書店がトーハン帳合になり、さらには今般、中堅チェーンもトーハン帳合になったわけです。報道されているように、業界第5位の太洋社さんでは「出版社への支払金額を確定する買掛金システムでトラブル」が4月末に発生しました。その後遺症が5月末もまだ残っている御様子です。以前あった本社移転の話も本決まりにはなっていないようですし、今後の動向に注目が集まっています。

業界第3位の大阪屋さんも今春「講談社、小学館、集英社、大日本印刷、楽天、KADOKAWAの計6社の出資」を受け、新社長に講談社出身の大竹深夫さんが就任されたほか、小学館や集英社から相談役が選任され、現在「適正な決算の実行と収益改善を踏まえた新生・大阪屋」を目指しておられる最中です。大阪本社は移転が完了済。想像をたくましくすれば、こうした版元からのテコ入れによって、取次業界の再編が起こりうるのでしょうか。帝国データバンクが昨年10月に発表した「出版業界2012年度決算調査」を元にして計算すると、第1位の日販に拮抗しうるのは、第2位のトーハンと第3位の大阪屋の売上をあわせた場合です。ここにさらに、大阪屋と流通面で提携している業界第4位の栗田や、トーハンの元副社長が現在社長を務める業界第8位の中央社が加われば、単純計算では日販を凌ぐ売上になります。むろんこのような統合が起こりうるなどとは考えにくいですけれども、生き残りを考えるならばどんな組み合わせにせよ、上位全社を巻き込んだ再編は必至かもしれません。

鍵となりうるのは帝国データバンクのリポート上では取次に分類されているTRC(第5位)の今後でしょうか。現在はDNP傘下であり、日販や太洋社帳合で商品を調達しています。太洋社は業界第6位。かつてはTRCはトーハンと付き合っていましたが、帳合戦争の発端のひとつであったトーハンの後継人事問題が影響し、日販に帳合変更。ギクシャクしていたトーハンには現在、講談社の野間省伸社長が相談役に復帰。入り組んだ関係が再編へと解きほぐされていくことはあるのでしょうか。

by urag | 2014-06-06 14:45 | Comments(0)


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