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2014年 03月 30日

2014年4月の注目単行本と文庫本

増税前、年度末、新学期・・・慌ただしい日々です。これでは楽しいエイプリル・フールも準備できたものではありません。3月いっぱいまでの注目新刊はまたあらためてご紹介するとしまして、今回は来月の注目新刊(単行本と文庫本)を列記します。

◎2014年4月注目単行本新刊(新書を含む)

01日『レヴィナス著作集1 捕囚手帳ほか未刊著作』ロドルフ・カラン+カトリーヌ・シャリエ監修, 三浦直希ほか訳、法政大学出版局
03日『グローバルな複雑性』ジョン・アーリ著、吉原直樹監訳、法政大学出版局
04日『規則の力――ウィトゲンシュタインと必然性の発明』ジャック・ブーヴレス著、中川大・村上友一訳、法政大学出版局
05日『絵入簡訳 源氏物語(三)』小林千草・千草子著、平凡社
07日『行動の構造』上下巻、滝浦静雄・木田元訳、加國尚志解説、みすず書房(始まりの本)
07日『この道、一方通行』ヴァルター・ベンヤミン著、 細見和之訳、みすず書房(始まりの本)
09日『ジジェク、革命を語る――不可能なことを求めよ』スラヴォイ・ジジェク著、中山徹訳、青土社
09日『マーニー教』ニコラス・J・ベーカー=ブライアン著、青木健訳、青土社
10日『電子戦の技術 拡充編』デビッド・アダミーほか著、河東晴ほか訳、東京電機大学出版局
17日『上野千鶴子の選憲論』 上野千鶴子著、集英社新書
18日『第一ポップ時代』ハル・フォスター著、中野勉訳、河出書房新社
18日『道徳感情論』アダム・スミス著、村井章子・北川知子訳、日経BPクラシックス
19日『新訳ベルクソン全集5 精神のエネルギー』アンリ・ベルクソン著、竹内信夫訳、白水社
21日『ジャッキー・デリダの墓』鵜飼哲著、みすず書房
22日『こころは体につられて(下)』スーザン・ソンタグ著、デイヴィッド・リーフ編、木幡和枝訳、河出書房新社
22日『バルテュス』クロード・ロワ著、與謝野文子訳、河出書房新社
24日『新版アリストテレス全集3 トポス論/ソフィスト的論駁について』岩波書店
24日『デザインの自然学――自然・芸術・建築におけるプロポーション〔新・新版〕』ジョージ・トーチ著、多木浩二訳、青土社
25日『増補版 承認をめぐる闘争――社会的コンフクトの道徳的文法』アクセル・ホネット著、山本啓・直江清隆訳、法政大学出版局
27日『レヴィ=ストロース』カトリーヌ・クレマン著、塚本昌則訳、白水社(文庫クセジュ)
28日『文芸誌編集実記』寺田博著、河出書房新社

『レヴィナス著作集』は全三巻予定の第1巻。版元さんの紹介文によれば「戦前から戦後期に書かれた哲学的な覚え書きや小説作品、講演原稿などの未刊テクスト群を集成する著作集、待望の邦訳刊行! 初巻には、捕虜収容所時代の手帳や論考をはじめ、『全体性と無限』準備期の哲学雑記を収録」とのこと。リクールによる『別様に―エマニュエル・レヴィナスの『存在するとは別様に、または存在の彼方へ』を読む』(関根小織訳、現代思潮新社)や、合田正人編『顔とその彼方――レヴィナス『全体性と無限』のプリズム』(知泉書館)が刊行されたばかりで、レヴィナス関連の新刊がにぎわいを見せています。

竹内信夫さんの個人全訳である白水社版『新訳ベルクソン全集』は全7巻+別巻1構成で、来月は第5回配本の第5巻が刊行。残るは第6巻『道徳と宗教の二つの源泉』、第7巻『思考と動くもの』、別巻「人名・書名索引,用語解説集」となります。岩波版『新版アリストテレス全集』は早くも第4回配本。旧版全集では「トポス論/ソフィスト的論駁について」は、第2巻「トピカ/詭弁論駁論」として収録。

今年はデリダ没後10年ということで、鵜飼さんが単著のデリダ論を上梓されます。ジャッキーというのはデリダの愛称ではなくて親が名付けた本名。本書に続いて今年は何点かデリダの訳書も刊行されるようです。『デザインの自然学』は、ハンガリーに生まれ米国で活躍した建築家にしてデザイナーのGyörgy Dóczi(1909-1995) の主著『The power of limits: proportional harmonies in nature, art, and architecture』(Shambhala Publications, 1981)の訳書の再刊かと思われます。初訳は1994年刊、新装版が1997年に出て、さらに新版が1999年に刊行されたロングセラーです。英語読みのジョージは、ハンガリー語では「ギョールギュ」に近い音になるかと思います。

さ来月、5月上旬と聞きますが、いよいよ、ジャン=クロード・レーベンシュテイン『猫の音楽――半音階的幻想曲』(森元庸介訳、勁草書房)が刊行されるようです。


◎2014年4月注目文庫本新刊

01日『私訳 歎異抄(仮)』五木寛之著、PHP文庫
05日『遺伝子の川』リチャード・ドーキンス著、垂水雄二訳、草思社文庫
09日『パスカル 数学論文集』ブレーズ・パスカル著、原亨吉訳、ちくま学芸文庫
09日『列島の歴史を語る』網野善彦著、ちくま学芸文庫
09日『資本主義から市民主義へ』岩井克人著、三浦雅士聞き手、ちくま学芸文庫
09日『総天然色 廃墟本remix』中田薫著、中筋純写真、ちくま文庫
10日『賃労働と資本/賃金・価格・利潤』マルクス著、森田成也訳、光文社古典新訳文庫
10日『インタヴューズ』全2巻、クリストファー・シルヴェスター著、新庄哲夫訳、文春学藝ライブラリー
11日『デカルト哲学』小泉義之著、講談社学術文庫
11日『わたしの哲学入門』木田元著、講談社学術文庫
11日『イザベラ・バードの旅『日本奥地紀行』を読む』宮本常一著、講談社学術文庫
11日『密教とマンダラ』頼富本宏著、講談社学術文庫
16日『宗教座談』内村鑑三著、岩波文庫
23日『ここにないもの』野矢茂樹著、中公文庫
23日『ケネディ演説集』高村暢児編、中公文庫
23日『13日間 キューバ危機回顧録』ロバート・ケネディ著、 毎日新聞社外信部訳、中公文庫

驚くべきことに光文社古典新訳文庫では5月新刊に、スピノザ『神学・政治論』(全2巻、吉田量彦訳)が予告されています。版元さんの紹介文に曰く、「本書でスピノザは、聖書のすべてを絶対的真理とする神学者たち批判し、哲学と神学を分離し、思想・言論・表現の自由を確立しようする。『エチカ』と並ぶスピノザの主著を、画期的に読みやすい訳文と豊富な訳注、詳細な解説で読む。待望の新訳!」とのことです。これを端緒にしてスピノザの新訳文庫が増えていくと素晴らしいですね。
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by urag | 2014-03-30 00:28 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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