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2014年 03月 13日

本日搬入新刊:デリダ=シクスー、吉本全集、カルージュ新訳

弊社出版物の著訳者の皆様の最近の御活躍をご紹介します。

★ジャック・デリダさん(著書:『条件なき大学』)
★郷原佳以さん(共訳:『ブランショ政治論集』)
1998年にガリレから刊行された『Voiles』の訳書がついに刊行されました。本日取次搬入と聞いていますので、週明けから順次書店店頭で発売開始になるものと思われます。シクスーの短いテクスト「サヴォワール」、デリダのテクスト「蚕――他なるヴェールに刺さった(無)視点」、そして訳者の郷原さんは解説「「蚕」、あるいは、脱構築の告白」を書かれています。カバーと挿絵に使われているドローイングはエルネスト・ピニョン-エルネストによるものです。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。

ヴェール
エレーヌ・シクスー/ジャック・デリダ著 郷原佳以訳
みすず書房 2014年3月 本体4,000円 A5変型判(タテ200mm×ヨコ148mm)208頁 ISBN978-4-622-07811-1

カバー裏紹介文より:ともにアルジェリアに生まれ育ち、生涯の特別な友である二人が、ヴェールについて、自伝的・遺言的に応答を交わした。まずシクスーが、短いテクスト「サヴォワール」で口火を切る。強度の近視の女が手術を受け、はじめて「目で世界に触れる」。奇蹟の瞬間に訪れたものとは何か。続いてデリダが「サヴォワール」を受けて、卓抜した論を展開する。ブエノス・アイレス、サンティアゴ、サンパウロ……飛行機の中で、二人の人物がひたすら語り合う。ヴェールとタリートについて、技術と自然について、審判について、そして真理について。鍵となるのが、テクストの表題である「蚕」だ。自らの分泌物で自らを隠し、変成を遂げるこの小さな虫は、伝統的真理概念に潜り込み、密やかに真理の糸を産出する。〈その成熟はただ一回しか起こらないが、それがかつてそうであったところのものになるために、与えられた時間をすべて要求するだろう。私はけっして、あなた方にそれを物語ることはないだろう。〉 性的差異の論理を根本から書き換え、デリダの到達点を告げる、恐るべきエクリチュール。


★アントニオ・ネグリさん(著書:『芸術とマルチチュード』)
★毛利嘉孝さん(著書:『文化=政治』、共訳:クリフォード『ルーツ』、ギルロイ『ブラック・アトランティック』)
昨年来日したネグリさんの講演が一冊にまとまりました(発売済)。三章構成で、第I章は、2013年4月12日に国際文化会館岩崎小彌太記念ホールで行われたシンポジウムでのネグリさんの講演とそれに対する姜尚中さんの応答、そしてお二人の対談(通訳は三浦信孝さん)が収録されています。第II章は同年4月6日に日本学術会議大講堂で行われたシンポジウムでのネグリさんの講演と、それに対する市田さん、上野さん、毛利さんの応答を収めています。厳密に言えば、ここまでの四氏の応答は、当日口頭発表されたものを書き起こしたものではなくて、原稿を圧縮したものではないかと思われます。第III章はすべて書き下ろしで、ネグリさんによる「アベノミクスと『風立ちぬ』」のほか、白井さんと大澤さんの論考を収めています。ネグリさんのエッセイは彼のパートナーであるジュディット・ルヴェルさんによるイタリア語からのフランス語訳が底本です。宮崎駿さんの『風立ちぬ』はごく簡単に触れられているに過ぎないので、念のため注意を喚起しておきたいと思います。

ネグリ、日本と向き合う
アントニオ・ネグリ+市田良彦+伊藤守+上野千鶴子+大澤真幸+姜尚中+白井聡+毛利嘉孝著 三浦信孝訳
NHK出版新書 2013年3月 本体820円 新書判240頁 ISBN978-4-14-088430-0

カバーソデ紹介文より:2013年、ついに来日を果たしたアントニオ・ネグリ。彼は、3・11後の日本をどう見たのか? 原発問題・領土問題・アベノミクスなど日本の課題、米国・EU・中国・南米など現代の世界情勢、日本におけるマルチチュードの可能性について、率直に語る。日本を代表する知識人によるネグリへの〈応答〉も多数収録。世界有数の知性と日本の知性がぶつかりあう刺激的な一冊!

目次:
序 アントニオ・ネグリの現在(伊藤守)
I 「東アジアのなかの日本」と向き合う
 グローバリゼーションの地政学(アントニオ・ネグリ/三浦信孝訳)
 応答 東アジアの「冷戦」と「熱戦」(姜尚中)
 対話 東アジアのナショナリズムとリージョナリズム(アントニオ・ネグリ×姜尚中)
II 「3・11後の日本」と向き合う
 3・11後の日本いおけるマルチチュードと権力(アントニオ・ネグリ/三浦信孝訳)
 応答1 「社会的なもの」の行方(市田良彦)
 応答2 日本のマルチチュード(上野千鶴子)
 応答3 3・11以降の反原発運動にみる政治と文化(毛利嘉孝)
III 原発危機からアベノミクスまで、「日本の現在」と向き合う
 アベノミクスと『風立ちぬ』――日本から帰って考えたいくつかのこと(アントニオ・ネグリ/三浦信孝訳)
 「原子力-主権国家体制」の行方(白井聡)
 絶対的民主主義への道はどこに?(大澤真幸)

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本日13日に取次搬入となる新刊には注目書が2点あります。弊社関係の著者ではありませんけれども、ご紹介します。都内の超大型書店でしたら早ければ明日には並び始めると思いますが、多くの書店さんでは週明け以降の店頭発売になると思われます。どうしても早く、誰よりも早く買いたいんだ、という方は版元さんにお電話されるか、紀伊國屋書店新宿本店もしくは八重洲ブックセンター本店に問い合わせると良いかもしれません。

吉本隆明全集(6)1959-1961
晶文社 2014年3月 本体6,500円 A5変型判712頁 ISBN978-4-7949-7106-7

帯文より:長く深い時間の射程で考えつづけた思想家の全貌と軌跡。60年安保を挟む「戦後世代の政治思想」「擬制の終焉」などの政治思想評論、作家論、エッセイ群と詩を収める。

★本日取次搬入の新刊です。待望の『吉本隆明全集』(全38巻、別巻1)の第一回配本です。A5判より天地が10ミリほど短く、手になじむ大きさです。帯は二重に巻いてあり、写真の帯の下には収録作品とその引用、そして今後の刊行予定などが記してあるもう一枚の帯があります。表紙は茶色のクロス装に墨箔で書名や版元名を捺し、白いシンプルなカバーをかけたままでも取っても書架に映える美しさです。単行本未収録2篇(「腐食しない思想をもて されば希望は諸君のうちにある」1960.4.25;「感想――『銀行員の詩集』」1960.11)を収め、政治の時代へと向かう1960年前後の吉本さんの歩みを、評論や詩など多様な作品群から一望できます。月報は全8頁、高橋源一郎さんの「産み落とされた日」と、ハルノ宵子さんの「父の手」の2篇のエッセイが収められています。なお、全集の刊行を記念して全国主要書店でブックフェアが予定されているほか、ゴールデン・ウィークには以下のイベントが行われます。

トークセッション“吉本隆明のDNAをどう受け継ぐか”
出演:中沢新一×内田樹×茂木健一郎×宇野常寛
スペシャルゲスト:よしもとばなな

日時:2014年5月1日(木) 19:00開演(18:30開場)~21:00終演
会場:新宿・紀伊國屋ホール(紀伊國屋書店新宿本店4F)
料金:1,800円(全席指定・税込)
前売:キノチケットカウンター(紀伊國屋書店新宿本店5F 受付時間10:00~18:30)
電話予約:紀伊國屋ホール03-3354-0141(受付時間10:00~18:30)
主催:紀伊國屋書店、晶文社

※3月17日(月)より、チケット発売・電話予約受付。
※10歳未満のお子様はご入場いただけません。
※イベント当日に全巻を予約されたお客様に特典として吉本隆明さんの特製ポートレートを進呈します(後日発送)。
※全集刊行記念ブックフェアを人文書売場にて開催予定です。

内容:詩、文学から政治、哲学、宗教、国家、共同体、心的現象、言語、家族、性愛、さらにはテレビ、マンガなどのサブカルチャーまで、およそ人間がかかわるあらゆる分野のことがらについて考え抜いた吉本さんの膨大なお仕事から、いまわたしたちが学べることは何か。中沢新一氏、内田樹氏、茂木健一郎氏、宇野常寛氏という異なる世代の4人のパネリストに、それぞれの吉本体験を振り返ってもらいつつ、そのDNAをどう次世代へ引継ぐのか、大いに語っていただきます。

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《新訳》独身者機械
ミシェル・カルージュ著 新島進訳
東洋書林 2014年3月 本体3,600円  A5判上製320頁 ISBN978-4-88721-816-1

帯文より:デュシャン=カフカから発火する性愛と死の〈装置〉論を、ルーセル、ジャリ他が磨ぎ澄ました不朽の尖鋭文学の鏡面上に乱反射させた、唯一者による〈シュルレアリスムの実践〉! 無限の平面球形図を象る眼と思考の表象光学が、仮想現実と人造人間を体験する世紀を迎えた今、新たに解き放たれる。
推薦文(高山宏):愛の挫折がうむ異様絢爛の機械幻想――現代文学で最強の衝撃力あるテーマに初めてという強度と偉大な射程で肉薄した永遠の名作再び。マルセル・デュシャン伝説のオブジェ〈大ガラス〉を強烈焦点にロマン派からモダニズムへと前代未聞の一大系譜が形成されるのを前にただ呆然。深層心理学、神話学、文学の結託が火花を散らした1950年代に始まったテマチック(主題)批評の破壊力は千年紀が改まった今なお、いや今こそ読む者を圧倒する!

★本日取次搬入の新刊です。伝説的書物が新訳で再刊されました。初訳本は高山宏さんと森永徹さんの共訳で1991年にありな書房から『独身者の機械――未来のイヴ、さえも・・・』として刊行されました。今回の新訳本では、高山さんご自身が推薦文を寄せておられます。目次詳細はこちらをご覧ください。ちなみに旧訳では高山さんの解題は「永遠に新しいシュルレアリスムの実践」と題されていました。今回の新訳では新島さんによる解説「ミシェル・カルージュと独身者機械」が巻末に収められています。人形や機械など、人間以外の対象に寄せられる独身者の愛情というのは、現代社会の分析でも新たに援用できるテーマだと思います。美しい図版の数々とともに堪能して下さい。

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by urag | 2014-03-13 14:42 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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