2014年 03月 05日

本日取次搬入:カネなし生活本第二弾『スエロは洞窟で暮らすことにした』紀伊國屋書店

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スエロは洞窟で暮らすことにした
マーク・サンディーン著 吉田奈緒子訳
紀伊國屋書店 2014年3月 本体1,800円 46判並製328頁 ISBN978-4-314-01113-6

帯文より:お金は幻想である――にせものの人生は、もうたくさんだ。10年以上一切のお金をかせぐことも、受け取ることも、使うこともせず、アメリカ・ユタ州モアブの洞窟で暮らす男、ダニエル・スエロ。彼が、うつ病や海外放浪を経て、ゲイである自分を受け入れ、何も持たない生き方を選ぶことで自由と心の平安を得るまでの軌跡を描き出したノンフィクション。

版元プレスリリースより:アメリカの西部ユタ州に住むダニエル・スエロは、三十九歳のときに全財産三〇ドルを電話ボックスに置きざりにして以来、現在にいたるまでの十数年間、一切のお金をかせぐことも、受け取ることも、使うこともせずに暮らしています。本書は、保守的なキリスト教原理主義の家庭に育ったスエロが、大学で進歩的な思想に目ざめた後、社会福祉や海外援助の現場で世の中の矛盾に直面し、うつ病、自殺未遂、国内外放浪をへて、ゲイである自分を受け入れ、ついにお金と不安を同時に手ばなすにいたった道のりを綴ったノンフィクションです。見返りを期待することなく無償で与える〈贈与経済〉にもとづいて〈今ここ〉に生き、明日を思い煩うことのない彼の生き方は、文化のちがいを超えて、日本に生きる私たちにも「自由」とはなにか、「幸せ」とはなにかを問いかけてきます。

目次:
第一部
1 再会
2 峡谷の暮らし
3 生い立ち
4 食と健康
5 青年時代
第二部
6 新天地へ
7 仕事
8 モアブ
9 恋愛
10 アラスカへ
第三部
11 お金という幻想
12 東方、そして家に帰る
13 簡素な生き方
14 山の中腹にて
謝辞
訳者あとがき

★本日取次搬入の新刊です。原書は、The Man Who Quit Money(Riverhead Press, 2012)。著者の友人であるダニエル・スエロが様々な人生経験と放浪生活を経て、無所有無一文の洞窟生活へとたどり着く半生が描かれています。血湧き肉躍る冒険譚というよりは、あちこちでひどい目や悲しい出来事にぶち当たる、苦難や失敗や挫折の連続が明かされています。しかしそうした経験の中で彼の人生は研ぎ澄まされていき、彼が読む東西の名著古典や様々な考え方を持つ人びとや集団との出会いによって、さらに彼の内面は磨かれていきます。読者はスエロや著者とともにこの世界の様々な「ほころび」を目の当たりにし、自分自身の生き方と向き合うことになるでしょう。世の中のしくみに乗っかって生きている「ごく普通の」私たちは、バラバラにほどけていくしかない世界の「ほころび」とともに自分自身の生きる意味すらあとかたもなくほどけて見失ってしまうかのような不安感や無力感に襲われますが、スエロはそうした危機の中でこそ自分をもう一度見出しています。その姿から読者は励ましを得ることができるのではないかと思います。

★本書は数年前ベストセラーとなったマーク・ボイル『ぼくはお金を使わずに生きることにした』に続く紀伊國屋書店さんの「カネなし生活」本の第二弾です。ボイルさんの本ではスエロさんは「米国に住むカネなしの同志」として紹介されています。紀伊國屋書店さんでは今後、ボイルさんの近著『カネなし宣言』を翻訳出版されるそうです。


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by urag | 2014-03-05 14:19 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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