2005年 05月 15日

今週の注目新刊(第4回:05年5月15日[番外編])

他社版元さんの新刊で、要チェックだなと感じた本を、毎週末、リストアップします。このほかにもたくさん素晴らしい本はありますが、自分がぜひ購読してみたいと思った書目に絞ります。

書誌情報の見方と配列は次のようになっています。

書名――副題
著者、訳者など
版元、本体価格、判型サイズ、頁数(本文, 本文とは別立ての巻末索引や巻頭口絵など)
ISBN、発行年月
■は、図書館流通センターさんのデータを引用&活用した内容紹介。
●は、私のコメントです。

今週は点数が多いため、文庫新書編、単行本編、番外編と三部門に分けます。最後は番外編。番外編は、「必ずしも購入したいわけではないが、私が書店員だったら、こんな取り合わせを考える」といった、下世話な選書です。

***

死体検案ハンドブック
的場梁次+近藤稔和+田中圭二+ほか編著
金芳堂 本体6500円 タテ21cm 368p
4-7653-1185-6 / 2005.05.
■現場で役立つ情報、特に写真や資料を豊富に備えた死体検案のノウハウを中心に掲載。初心者からベテランまで、いつでも、どこでも、どのような場面でも必要とされる事項を網羅する。
●純然たる医学書ですが、研究者以外に需要があると予想できます。本書をもしサブカルチャー棚に置く書店員さんがいたら、相当のセンスだと思います。キーワードは法医学。

樹海の歩き方
栗原亨(1966-)著
イースト・プレス 本体1500円 タテ21cm 230p 付:樹海完全マップ(1枚)
4-87257-437-0 / 2005.05.
■誰もが知る自殺の名所、「帰らずの森」とも呼ばれる不可侵の地。「方位磁針が回り続ける」「幻の遊歩道が存在する」等、あらゆる謎を実地調査し、最深部への探索方法までも網羅した完全ガイド。遺体の写真を掲載した袋綴付き。
●いわずと知れた著名な廃墟探検家さんですが、この袋とじは流通的にはアリなのか?

エチオピア黙示録――野町和嘉写真集
野町和嘉写真・文
岩波書店 本体6200円 タテ31cm 191p
4-00-008079-2 / 2005.04.
■きわめて特異なキリスト教文化に支えられたエチオピア高原の厳しい暮らしと、飢餓や戦乱の記憶を写しとる。多難な時代を生き抜いた人びとの、光と闇の記録。
●日本人には想像しにくい、生きることのリアルな困難さ。

マネキン
林雅之著
パロル舎 本体3600円 タテ27cm 1冊(ノンブルなし)
4-89419-035-4 / 2005.05.
■写し出されたマネキンの表情は、「光の空間」では決して見せることのない、より深い美と穏やかさを湛えている。汚れたマネキンは、人に愛され続けた証明である。究極のマネキン美に迫った写真を収載。
●生命なきものに宿るなにものかを見るために。映画『イノセンス』やベルメールの主題につながる?

***

サブカル棚でこそ、生命とはなにかを考えさせる様々な思想書や科学書を展開してほしいですね。たとえば、宇野邦一さんの『〈単なる生〉の哲学』平凡社とか、小泉義之さんの『生殖の哲学』河出書房新社とか、フーコーの『性の歴史』全3巻・新潮社とか、小社のアガンベン著『アウシュヴィッツの残りのもの』とか。ベルタランフィの『一般システム理論』みすず書房とか、ヴァレラの『身体化された心』工作舎とか、ヴァイツゼッカー『生命と主体』人文書院とか。養老孟司さんや布施英利さんの本とか。

以上、今回は1812点の新刊のなかから選びました。(H)
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by urag | 2005-05-15 22:42 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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