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2005年 05月 15日

今週の注目新刊(第4回:05年5月15日[文庫新書編])

他社版元さんの新刊で、要チェックだなと感じた本を、毎週末、リストアップします。このほかにもたくさん素晴らしい本はありますが、自分がぜひ購読してみたいと思った書目に絞ります。

書誌情報の見方と配列は次のようになっています。

書名――副題
著者、訳者など
版元、本体価格、判型サイズ、頁数(本文, 本文とは別立ての巻末索引や巻頭口絵など)
ISBN、発行年月
■は、図書館流通センターさんのデータを引用&活用した内容紹介。
●は、私のコメントです。

今週は点数が多いため、文庫新書編、単行本編、番外編と三部門に分けます。まずは文庫編。いつもより多めに拾っています。

***

マルクス入門
今村仁司著
筑摩書房(ちくま新書533) 本体720円 タテ18cm 238p
4-480-06233-5 / 2005.05.
●ただいま「マルクス・コレクション」刊行中、という時節柄もあるので。

こまった人たち――チャペック小品集
カレル・チャペック(1890-1938)著 飯島周編訳
平凡社(平凡社ライブラリー538) 本体1100円 タテ16cm 276p
4-582-76538-6 / 2005.05.
■ひょんなことから平穏な日常が一変してしまう人間社会の不条理を、ユーモアと鋭い批評眼で綴る傑作集。スペイン市民戦争やナチスドイツの台頭、歴史上の侵略者を皮肉る寓話や警句は、混迷を深める世界に生きる全人類必読!
●カフカ(1883-1924)と同時代、同じ国(チェコ)で活躍した作家として読んでみる。世紀転換期のプラハ。

純粋理性批判(中)
イマヌエル・カント(1724-1804)著 原佑訳
平凡社(平凡社ライブラリー539) 本体1800円 タテ16cm 559p
4-582-76539-4 / 2005.05.
■「カント全集 第5巻」(1966年、理想社)の補訂版。 全3巻。

論理哲学論考
L.ウィトゲンシュタイン著 中平浩司訳
筑摩書房(ちくま学芸文庫) 本体840円 タテ15cm 230p
4-480-08920-9 / 2005.05.
●またまたまたまた新訳ですか。

藤本隆志+坂井秀寿訳『論理哲学論考』法政大学出版局、1968年、本体3000円、ISBN:4-588-00006-3
山元一郎訳『論理哲学論』中公クラシックス、2001年(1971年『世界の名著(58)』)、本体1200円、ISBN:4-12-160010-X
奥雅博訳『論理哲学論考――ウィトゲンシュタイン全集(1)』大修館書店、1975年、本体価4000円、ISBN:4-469-11011-6

という3つの定番があったところへ、今世紀になって、

黒崎宏訳『『論考』『青色本』読解』産業図書、2001年、本体3300円、ISBN:4-7828-0137-8
野矢茂樹訳『論理哲学論考』岩波文庫、2003年、本体700円、ISBN:4-00-336891-6

ときて、もはや打ち止めとばかり思っていました。だって、上記書はみんなまだ手に入るんですよ。競合しまくりじゃないですか。文庫棚では岩波文庫のみとの競合だから、という判断でしょうか。部分訳でしたら、

黒田亘編訳『ウィトゲンシュタイン・セレクション』平凡社ライブラリー、2000年(1978年『世界の思想家(23)』)、本体1300円、ISBN:4-582-76324-3

というのもあるのです。

そんなわけで、懐に余裕のある方はいっそのこと全部買ってみるのもいいかもしれません。全部買っても税込15057円。どうせなら、ズーアカンプ社から刊行されている原書(ISBN:3-518-10012-2)と、ラウトレッジから刊行されている草稿『Prototractatus』(ISBN:0-7100-6788-7)をこれらにあわせて買っても、合計二万円ていどです。異なる翻訳を比較し吟味するというきわめて高尚な読書をご堪能いただけることでしょう。

最澄と空海――日本人の心のふるさと
梅原猛著
小学館(小学館文庫) 本体638円 タテ16cm 365p
4-09-405623-8 / 2005.06.
■「梅原猛著作集(9)三人の祖師」(2002年)の抜粋。

日本の伝統
岡本太郎著
光文社(知恵の森文庫) 本体629円 タテ16cm 292p
4-334-78356-2 / 2005.05.
●光文社1956年刊が初版でしょうか。ハードカバーでは『岡本太郎の本(2)』みすず書房(ISBN:4-622-04257-6)がまだ入手可能ですが。一緒に、以下の文庫本もどうでしょうか。
岡本敏子編著『芸術は爆発だ!――岡本太郎痛快語録』(小学館文庫、ISBN:4-09-403671-7)

菊と刀――日本文化の型
ルース・ベネディクト著 長谷川松治訳
講談社(講談社学術文庫1708) 本体1250円 タテ15cm 423p
4-06-159708-6 / 2005.05.
●消滅してしまった現代教養文庫版「定訳」(社会思想社)の引継ぎ版ですね。

姜尚中にきいてみた! ――東北アジア・ナショナリズム問答
姜尚中著 『アリエス』編集部編
講談社(講談社文庫) 本体514円 タテ15cm 295p
4-06-275044-9 / 2005.05.
●学術文庫ではないというのがポイントです。

治療教育講義
ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)著 高橋巌訳
筑摩書房(ちくま学芸文庫) 本体1200円 タテ15cm 294p
4-480-08908-X / 2005.05.
●いまやシュタイナーもずいぶん文庫で買えるようになりましたね、ちくま学芸文庫のおかげで。『神秘学概論』『神智学』『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』『自由の哲学』『オカルト生理学』に続いて6点目ですか。『魂のこよみ』だけは、ちくま文庫。合計7点。

文庫ではありませんが、今月は以下のような新刊もありました。

精神科学による教育の改新――シュタイナー教育基礎講座(3)
ルドルフ・シュタイナー著 西川隆範訳
アルテ(発行) 星雲社(発売) 本体2000円 タテ20cm 190p
4-434-06054-6 / 2005.05.
■子どもの健全な成長を追究したシュタイナーの講義録を紹介するシリーズ。ヴァルドルフ学校設立の翌年に行われたバーゼル教育講義の邦訳。その教育のカリキュラム、オイリュトミー、方言と書き言葉、遊び等について語る。

シュタイナー医学入門
マイケル・エバンズ+イアン・ロッジャー著 塚田幸三訳
群青社(発行) 星雲社(発売) 本体2800円 タテ20cm 295p
4-434-06063-5 / 2005.05.
■シュタイナーのアントロポゾフィーないし精神医学は、人間を身体と心魂と精神からなるものとみる。生理現象の拡大が医療に大きな影響を及ぼすことを一群の医師が認識した結果誕生した、アントロポゾフィー医学を詳解。

***

以上です。(H)
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by urag | 2005-05-15 20:14 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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