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2013年 10月 29日

注目新刊:ブランショ『カフカからカフカへ』書肆心水、ほか

弊社出版物の著訳者の皆さんの最近のご活躍や、弊社出版物に関する書評、広告についてお知らせします。

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★安原伸一朗さん(訳書:ブランショ『問われる知識人』、共訳:『ブランショ政治論集』)
20世紀フランスの作家・編集者であるジャン・ポーラン(Jean Paulhan, 1884-1968)の著書、Entretien sur des faits divers(Gallimard, 1945) の訳書を上梓されました。目次詳細は書名のリンク先をご参照ください。版元さんの内容紹介によれば「ポーランが友人と交わした対話を素材に、精神と言語の最深部にひそむ神秘を軽妙に語り合う対談仕立てのエッセー」とのこと。友人というのは、ルネ・マルタン(ルネ・マルタン=グリオ)のこと。巻末には安原さんによる懇切な解説が収められています。

百フランのための殺人犯――三面記事をめぐる対談
ジャン・ポーラン著 安原伸一朗訳
書肆心水 2013年10月30日 A5判上製160頁 ISBN978-4-906917-19-8
帯文より:仏文学の牙城『NRF』 誌を長く仕切った編集長、黒幕ジャン・ポーランの洞察。精神のパラドクス――あるいは間違った判断をする我々。その妄想的判断の避けがたさと、それに及ぼす言語の不思議な効果。


★モーリス・ブランショさん(著書:『問われる知識人』『ブランショ政治論集』『書物の不在』)
書肆心水さんから評論集『カフカからカフカへ』の訳書が刊行されました。同書は初期作『焔の文学』の掉尾を飾る著者の代表的論文「文学と死への権利」の待望の新訳を含むもので、「訳者あとがき」に粟津則雄編訳『カフカ論』(筑摩書房、1968年;増補版、1977年)との違いが特記されています。曰く、「増補版『カフカ論』に「文学と死への権利」「自足した死」「語りの声」の三篇が含まれていないのに対し、『カフカからカフカへ』には、「フィクションの言語」が収録されていない」。また、後者では「意図的に一部の評論を発表順とは異なる配置で収録」しています。目次詳細については書名のリンク先をご覧ください。

カフカからカフカへ
モーリス・ブランショ(Maurice Blanchot, 1907-2003)著 山邑久仁子訳
書肆心水 2013年10月 本体3,600円 四六判上製320頁 ISBN978-4-906917-18-1
帯文より:文学と死への権利――ブランショ自選カフカ論集成


★ショラル・ショルカルさん(著書:『エコ資本主義批判』)
今月(2013年10月)18日(金)にドイツ語の論考「Lampedusa Weiterdenken」をご自身のブログへアップされましたが、「問題のグローバルな重要性」に鑑み、今般、改訂のうえ、英訳版「The Tragedy of Lampedusa -- What to do?」を公開されました。これは今月3日に、イタリア最南端のランペドゥーサ島沖で、アフリカからの移民船が沈没し、300人以上が死亡した事故を受けて書かれたもので、その後も別の船の転覆事故で34人が死亡し、さらに25日には別の5隻が発見され、700名近くが救出されています。同島周辺では移民船の事故が頻発しており、EU首脳が3日の事故について移民問題に取り組むと声明を発表しています。

What happened on 3rd October 2013 at the coast of Lampedusa has roused sympathy and stirred the conscience of Europeans. They are of course at a loss to know what they should do. But sympathy is in any case good.

What should the Europeans do in order to avert frequent recurrence of such tragedies on their doorstep? Can something be done at all? I am very dissatisfied with what I have heard and read in the media and in my friends circle. Sympathy and rescue operations testify that we haven’t become totally cold-hearted yet. But solving the problem is a very different matter. There are two prerequisites to that – firstly, an in-depth analysis of the causes of the problem and, secondly, the will to solve it.

A deep analysis of the causes of the problem on our hands requires the knowledge that it is a global problem. In connection with the last few boat disasters in the Mediterranean See we heard of refugees from Somalia, Eretria, Syria and, generally speaking, North Africa. But such refugees come from all over the world, even from the emerging economic powers such as China and India. And their destination is not only Europe, but also North America and Australia. In case of refugees from Syria and Somalia, partly also of those from Iraq, the main cause at present is clearly the on-going civil wars there. But seen globally and generally, most of them are neither political nor civil war refugees. They would not want to go back home when the civil war is over or when the dictatorship in their country is replaced with a democracy. They are also not fleeing from dire poverty, from hunger. The really poor and their families cannot pay the price the refugee smugglers demand. In truth, they are economic refugees, young people who want to try their luck in the highly developed rich countries. In this enterprise they run high risks, they may fail, they may even die. But youth is simply like that. In their native country, they cannot bear the dreary life without any hope.

続きはエントリーのリンク先からご覧ください。


★岡本源太さん(著書:『ジョルダーノ・ブルーノの哲学――生の多様性へ』)
博士論文にしてデビュー作である『ジョルダーノ・ブルーノの哲学』が、9月21日、新プラトン主義協会の協会賞を受賞されました。なお同書に関する書評や対談等には以下のものがあります。

- 森元庸介氏による紹介、『REPRE――表象文化論学会ニューズレター』第15号、2012年5月
- 檜垣立哉氏との対談「ヴィータ・ノーヴァ――新しい生命哲学と人間の新生」、ジュンク堂書店難波店(大阪)、2012年5月27日
- (フ)氏による書評、『書標』2012年5月号
- 山口信夫氏による紹介と合評、第39回ルネサンス研究会、同志社大学(京都)、2012年12月8日
- 福島聡氏による短評、『みすず』2013年1・2月合併号「2012年読書アンケート」
- 星野太氏による書評「無限に可塑的なる生」、『表象』第7号、2013年3月、270~275頁
- 山内朋樹氏による書評、『あいだ/生成』第3号、2013年3月、109~113頁
- 「新プラトン主義協会賞」受賞、2013年9月21日


★松本俊夫さん(著書:『逸脱の影像』)
ドキュメンタリー雑誌『neoneo』の公式サイトに、映像作家/研究者の風間正さんによる、『逸脱の映像』への書評記事が掲載されました。「情報負荷社会の中でメディア操作によって飼育された人間にならないために、またそういったメディア操作を目的とした映像を機能させないためにも、本書は我々現代人にとっての必読書と言える。しかし、何よりも『逸脱の映像』は、身体的で多様な映像の原初の力を取り戻すために、30年の時を経て掘り起こされたタイムカプセルのように、我々現代人に揺さぶりをかけてくるのだ」と評していただきました。


★中平卓馬さん(写真集:『都市 風景 図鑑』)
先月21日より来年1月13日まで六本木の森美術館で開催される展覧会「六本木クロッシング2013:アウト・オブ・ダウト 来たるべき風景のために」において、中平さんの写真作品が展示されています。同展は森美術館10周年記念展であり、平凡社さんから図録が刊行されています。図録にまかれた帯の写真は、中平さんの伝説的名作『来たるべき言葉のために』(風土社、1970年;オシリス、2010年)から採られたものです。


★昼間賢さん(訳書:サンドラール『パリ南西東北』)
今月平凡社さんから刊行されたアンソロジー『写真と文学』に、ご論考「すでになくなっているそれを見送ること――ピエール・マッコルランと写真」を寄せておられます。また、同書の巻末には「写真と文学をめぐるグックガイド」が付されており、そこでご高訳書『パリ南西東北』について、紹介文をお書きになっておられます。

写真と文学――何がイメージの価値を決めるのか
塚本昌則編
平凡社 2013年10月 本体3,200円 A5判並製382頁 ISBN978-4-582-23125-0
帯文より:写真論の新地平をひらく十余篇。バルトのそのさきへ。「イメージは逃げ去る。ことばはそれを追いかける。文学はその運動全体を把握しようとする努力である」(畠山直哉氏推薦)。
版元紹介文より:ヴァナキュラーな側面を含め、写真のもつ様々な機能を、主にテクストとの関係性において分析した13の珠篇。バルト、ベンヤミン、ソンタグら定番を超えたイメージ論の新地平。
寄稿者:林道郎(序)、森元庸介、塚本昌則、坂本浩也、内藤真奈、野崎歓、港千尋(随筆)、鈴木雅雄、齊藤哲也、星埜守之、永井敦子、倉石信乃(随筆)、桑田光平、昼間賢、佐々木悠介、澤田直、滝沢明子、管啓次郎(跋)。

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なお、弊社では月刊誌『現代思想』2013年11月号「ハラスメント社会」特集号の表3上段に広告を出稿しました。皆様のお目に留まれば幸いです。
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by urag | 2013-10-29 16:42 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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