2005年 04月 24日

今週の注目新刊(第2回:05年4月24日)

他社版元さんの新刊で、要チェックだなと感じた本を、毎週末、リストアップします。このほかにもたくさん素晴らしい本はありますが、自分がぜひ購読してみたいと思った書目に絞ります。

書誌情報の見方と配列は次のようになっています。

書名――副題
著者、訳者など
版元、本体価格、判型サイズ、頁数(本文, 本文とは別立ての巻末索引や巻頭口絵など)
ISBN、発行年月
一言紹介およびリファレンス事項。棚分類が難しそうな本の場合は推奨例を挙げます。

今回は仕事が忙しく、一言紹介は版元等のデータにその多くを負っています。

***

生きることを学ぶ、終に
ジャック・デリダ(1930-2004) [著]、鵜飼哲 [訳]
みすず書房、本体1200円、タテ19cm、77, 8p.
ISBN4-622-07138-X / 2005.04
逝去前の最後のインタビュー。

哲学的クロニクル
ジャン=リュック・ナンシー(1940-)[著]、大西雅一郎[訳]
現代企画室、本体2200円、タテ20cm、141p.
ISBN4-7738-0501-3 / 2005.04
昨年(2004年)初頭に刊行された小著の翻訳。2002年9月から2003年7月まで、11回にわたって放送されたラジオ番組に基づいている。そのさなかに起こったイラク戦争が本書に影を落としているのが印象的。

サパティスタの夢(インディアス群書 第5巻)  
マルコス副司令官+イボン・ル・ボ [著]、佐々木真一 [訳]
現代企画室、本体3500円、タテ22cm、336p
ISBN4-7738-0101-8 / 2005.04
フランスの社会学者ル・ボが、チアパスの密林の奥深いゲリラ根拠地で行なった、サパティスタ集団の副司令官マルコスとの長時間インタビュー。

ブーレーズ-シェフネール書簡集 1954-1970
ピエール・ブーレーズ(1925-)+アンドレ・シェフネール [著]、笠羽映子 [訳] 
音楽之友社、本体2600円、タテ20cm、271, 15p.
ISBN4-276-20373-2 / 2005.04
若き日のブーレーズと民族音楽の重鎮シェフネールが、1950年代中頃から1970年にかけて2人が交わした書簡とそれらに関連した論考成。ブーレーズ「《パルジファル》への道」の日本語訳も収録。

ホメオパシー医学哲学講義
ジェームズ・タイラー・ケント(1849-1916)[著]、松本丈二+永松昌泰 [訳]
緑風出版、本体3200円、タテ20cm、434p.
ISBN4-8461-0506-7 / 2005.04
ホメオパシー(類似療法)医学中興の祖による、創始者ハーネマンの古典的名著『オルガノン』解説書であり、教本。

関係としての自己
木村敏(1931-) [著]
みすず書房、本体2600円、タテ20cm、308p.
ISBN4-622-07144-4 / 2005.04
ハイデガー、ニーチェ、フロイト、西田幾多郎らとの思想的対話を通し、「自己」とは何かを根源的に問う。

時のしずく
中井久夫(1934-) [著]
みすず書房、本体2600円、タテ20cm、289p.
ISBN4-622-07122-3 / 2005.04
知られざる自伝的エピソードと、自らの家系に連なる異能の人々についての省察、その他。

善人ゲールハルト 王侯・騎士たち・市民たち
ルードルフ・フォン・エムス [著]、平尾浩三 [編訳]
慶応義塾大学出版会、本体4500円、タテ20cm、351p.
ISBN4-7664-1129-3 / 2005.04.
13世紀前半に活躍した騎士詩人であり、ドイツ最初の歴史家とも評されるフォン・エムスの遺した膨大な詩行から、韻文物語「善人ゲールハルト」を、中高ドイツ語の原文より日本語訳。詳細な注釈と論考付。

シェイクスピアの政治学
アラン・ブルーム(1930-1992)[著]、松岡啓子 [訳]
信山社出版、大学図書 [発売]、本体2600円、タテ20cm、218, 8p.
ISBN4-7972-5325-8 / 2005.03.
教養の源泉としての古典に人生の指針を探るという姿勢は、師匠のレオ・シュトラウスより継承したものでしょう。主著『アメリカン・マインドの終焉』(みすず書房)はいま品切れなんですね。


◎気になる新書、文庫

キリスト教は邪教です! ――現代語訳『アンチクリスト』
ニーチェ [著]、適菜収 [訳]
講談社(講談社+α新書)、本体800円、タテ18cm、181p.
ISBN4-06-272312-3 / 2005.04 
こともあろうに表紙が9.11のWTCの写真。なんでだろう。α新書ではこれまでユングの本を二冊ほど刊行してますね、『オカルトの心理学』『錬金術と無意識の心理学』。同じ編集者でしょうか。

スピノザの世界――神あるいは自然
上野修 [著]
講談社(講談社現代新書1783)、本体720円、タテ18cm、193p. 
ISBN4-06-149783-9 / 2005.04.
日本におけるスピノザ研究を牽引する研究者による待望の入門書です。

魂を漁る女
レオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホ [著]、藤川芳朗 [訳]
中央公論新社(中公文庫)、本体1333円、タテ16cm、563p.
ISBN4-12-204520-7 / 2005.04.
『ドラゴミラ』(同学社、1998年)の改題。昨今は文庫化されるのが早いですね。

福沢諭吉『文明論之概略』精読
子安宣邦 [著]
岩波書店(岩波現代文庫・学術142)、本体1100円、タテ15cm、298p. 
ISBN4-00-600142-8 / 2005.04.
かたや文庫書き下ろし。国体論や皇国史観と対決する諭吉像の展開。

漱石文明論集
夏目漱石 [著]、三好行雄 [編]
岩波書店(ワイド版岩波文庫254)、本体1300円、タテ19cm、378p.
4-00-007254-4 / 2005.04.
ワイド版の需要は伸びているんでしょうね。でもワイド版はいわゆる大活字本まで文字は大きくないですよね。1986年刊の再刊。

***

以上、単行本9冊と、新書・文庫5冊。ぜんぶ購入した場合、税込31,766円也。(H)
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by urag | 2005-04-24 23:20 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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