「ほっ」と。キャンペーン
2013年 10月 08日

近刊:松村みね子(片山広子)訳、ベイン『闇の精』盛林堂ミステリアス文庫

弊社出版物の著訳者の皆さんの最近のご活躍についてご紹介します。

a0018105_15425017.jpg

★吉国浩哉さん(訳書:ガシェ『いまだない世界を求めて』)
★上野俊哉さん(著書:『アーバン・トライバル・スタディーズ』、共訳:ギルロイ『ブラック・アトランティック』)
★大友良英さん(著書:『アンサンブルズ』)
★江川隆男さん(訳書:ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』)
★西山雄二さん(訳書:デリダ『条件なき大学』、共訳:ブランショ『ブランショ政治論集』)

『現代思想』2013年10月臨時増刊号「総特集:ブルース・リー――没後40年、蘇るドラゴン」に、吉国さんが論考「「私はブルース・リー」――アメリカ70年代、冷戦、チャック・ノリス」を寄稿されています。ドキュメンタリー映画『アイ・アム・ブルース・リー』(ピート・マコーマック監督、2012年公開)などを題材にブルース・リーが生きた70年代文化を分析しておられます。

また、上野さんと大友さんは同特集号のアンケート「ブルース・リーと私」にお答えになっています。質問が4つ用意されていて、初めてのブルース・リー体験、ブルース・リーの魅力、彼から何を学んだか、映画で最も好きなシーン、についてそれぞれお書きになっています。4番目の質問に答える大友さんの中学時代の思い出が共感的で秀逸です。

また、吉国さんは、『現代思想』2013年10月号「特集:富士山と日本人――自然・文化・信仰」でも巻末の「研究手帖」欄に「カントとサドとバートルビー」と題したエッセイを寄せておられます。サド『閨房哲学』やメルヴィル「バートルビー」を参照しつつ、自由のパラドクスについて言及されています。

同号ではさらに、江川隆男さんが「深層なき活火山――富士山と地図作成法」という論考を寄稿されています。古代ギリシア哲学やドゥルーズ=ガタリ、セールなどを援用しつつ、「富士山の複写的な図像学ではなく、富士山のエコロジカルな地図作成法」を展開されています。

「未来」2013年10月号では、西山雄二さんが「「脱構築研究会(Association for Deconstruction)」を開く」という報告を寄せておられます。後半では8月3日に一橋大学で開催された発足記念イベント「ポール・ド・マンと脱構築」の様子も紹介されています。また、2014年がデリダ没後10年であることから、「国内外でシンポジウムなどの催事が準備され、日本でも研究書や本訳書の刊行が予定されており、本研究会もなんらかの貢献をするつもりである」と明かされています。

★片山広子さん(著書:『燈火節』『野に住みて』『新編 燈火節』)

西荻の古書店「盛林堂」さんが刊行されている「盛林堂ミステリアス文庫」の最新刊として、今月下旬、片山広子さん(松村みね子さん名義)がお訳しになった、フランシス・ウィリアムズ・ベインの『闇の精』が刊行されるとのことです。

闇の精
フランシス・ウィリアムズ・ベイン著 松村みね子訳 井村君江ほか解説
盛林堂ミステリアス文庫 2013年10月 税込予価1,000円 文庫判 初版200部予定

内容:歴史家であったジョセフ・ベインの息子で、印度の物語を次々に十三も創造した作家フランシス・ウィリアムズ・ベイン。作品は、十九世紀末から二十世紀の初頭に出版され、もともとは、サンスクリット語による正体不明な印度古詩の翻訳をするものとして出版された。ただしこれらの物語は、ヒンドゥー教の原典または、伝説などから直接生れたものではなかった。松村みね子が示すとおり、はじめは大英博物館の印度文学部門におさめられたが、じつは創作であるとわかり他部へと移された。こうしてベインは、東洋学者としてではなく、ファンタジー作家としてベールを剥ぎ取られたが、いってみればこれらは、ビリティスと同様に悪意なき文学の悪戯であった。本邦でのベインは、松村みね子の翻訳以来、全く埋もれた幻の作家となっている。今回の復刻は、翻訳以来ほぼ一世紀のときを経て、ダーク・ファンタジーの嚆矢が、奇跡的な復活を遂げることとなる。初期のファンタジー作家としてベインをみるならば、ウィリアム・モリスや、ロード・ダンセーニと比しても、これらの作品について、魅力がないと言うことにまったくならぬ。そして、「闇の精」について言うなら、現代ファンタジーの代表作のひとつである、タニス・リーの「闇の公子」あたりにも、どっかり蔭を落す作品であると言うことが出来よう。

同文庫ではさらに11月に、マルセル・シュオブ『吸血鬼』(矢野目源一訳、新潮社、1924年)を復刻されるそうです。巻末に矢野目源一詩集『光の処女』(籾山書店、1920年)と『聖瑪利亜の騎士』(籾山書店、1925年)を併録予定。

また、今週末の日曜日13日には、『闇の精』に解説をお寄せになっておられる井村君江さんが以下の通り講演会をされると聞いています。

◎第73回西荻ブックマーク:「井村君江の妖精の森」講演会

出演:井村君江
日時:2013年10月13日(日)17:00-19:00(16:30から開場・受付開始)
会場:西荻・こけし屋別館2階
料金:1,500円
定員:100名、要予約

内容:ケルト・ファンタジー文学研究家にして、フェアリー協会会長の井村君江氏が、妖精について語る秋の夕べの講演会。西荻が妖精の森に変わります。物販予定は、井村君江『絵本画家 天才たちが描いた妖精』中経出版、2,000円。この他にも、井村先生お蔵出しの御著書や、うつのみや妖精美術館のDVD、ミュージアムで販売している一筆箋やハガキも扱う予定です。
[PR]

by urag | 2013-10-08 15:43 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://urag.exblog.jp/tb/18750404
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< 1947年の古典2冊、そして1...      書評と紹介記事とイベント情報な... >>