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2013年 10月 07日

書評と紹介記事とイベント情報など:『地表に蠢く音楽ども』『労働者』『パリ+』

竹田賢一『地表に蠢く音楽ども』の書評「ジャズやロックの先端で世界を語る」が、「週刊朝日」2013年9月13日号の「週刊図書館」欄に掲載されました。評者は陣野俊史さんです。「この本によって、ようやく竹田賢一の書いたものを通覧することが可能になった。これは、じつは大きな意味があるのではないか。現在よりも圧倒的に情報量の少なかった時代(主として70年代後半から80年代前半)に、世界中のアヴァンギャルド・ミュージックを聴き込み、独特の対話体の語り口で、渾然一体となった迷路のごとき音楽世界に、たった一人で向き合う姿勢は、単に感動的というだけではなく、音楽を聴くという行為のもっともシンプルなモデルを提示していると思う」と評していただきました。

また、「図書新聞」2013年10月5日号の1~2面に、『地表に蠢く音楽ども』をめぐる、竹田賢一さん、平井玄さん、中原昌也さん、の三者鼎談「「音の論理」から「政治」的空間へ――天上の救いでも、地下の怨念でもない「地表」【前衛ノイズ漫談】」が掲載されました。これは、さる8月4日に渋谷のLast Waltzにて行われたイベント「竹田賢一『地表に蠢く音楽ども』刊行記念トーク&ライヴ」の模様を再構成したものです。記事の最後に竹田さんのこんな発言があります。「なんかこんな本を出したら、生きている人間とは思えないよね。こんな故人の古文書のようなものをよく解読してくれたって感じ。自分が半分いて、半分いない。半分生きていて、半分棺桶。/この本は大里俊晴君がいなかったらできなかった本であることは間違いない。それ以外にない。でも彼は途中でいなくなってしまった。困ったもんだ」。

さらに、『地表に蠢く音楽ども』と、山崎春美『天國のをりものが』 (河出書房新社)刊行を記念して、トークイベント「吃音の美、痙攣する愛」が、2013年10月19日(土)19:30 より ジュンク堂書店池袋本店にておこなわれます。内容は以下の通りです。「2013年、初の単行本を刊行した日本のマイナー音楽界の重鎮竹田賢一と、鬼才山崎春美。70年代後半より、吉祥寺マイナー、「天国注射の昼、夜」、自販機雑誌での執筆、間章や坂本龍一らとの交遊など、場を共にしながらも、じっくりと話す機会がなかったふたりが、互いの音楽、執筆活動とその時代、その美学について語る。司会は長きにわたって二人の活動を見守って来た音楽評論家松山晋也」。

エルンスト・ユンガー『労働者――支配と形態』川合全弘訳の書評「いまだにアクチュアルな問題提起――ヴァイマル期ドイツのもっとも重要にして問題的な著作のひとつ」が、「週刊読書人」2013年10月4日号に掲載されました。評者は日本大学の初見基さんです。「人種主義はもとより具体的政策からほど遠く、現実離れした、そしてそれだけ理解に苦労をさせられる本書の議論は、時代の証言として貴重であるばかりでなく、より広い枠組みから考察されるだけの射程を有している」と評していただきました。

ちなみに「週刊読書人」同号の1~2面には、毛利嘉孝さん(弊社刊『文化=政治』著者)と林浩平さん、陣野俊史さんのお三方が鼎談「ロックはいつ滅んだのか」が掲載されています。林さんのご著書『ブリティッシュ・ロック』(講談社)の刊行記念とのことです。

森山大道写真集『パリ+』が、「朝日新聞」2013年10月5日付夕刊の「朝日新聞×IMA」広告特集「アートの秋、注目すべきは写真!」で紹介されています。「IMA」は写真著作権のエージェント会社「アマナホールディングス」が刊行している季刊誌です。同広告記事では、森山大道さんの作品を含む写真展「TOKYO 1970 by Japanese photographers 9」(2013年10月5日~29日、アルマーニ銀座タワーにて)が、関連イベント「森山大道シルクスクリーンワークショップ T-shirt」(10月19日~20日)とともに紹介されています。このワークショップは、森山さんの「写真よさようなら」のシリーズから、未公開作品のイメージをご自身でTシャツにシルクスクリーンプリントできるというものです。

なお、『パリ+』はようやく今週より全国書店での一般発売が開始されます。恵比寿のナディッフ・アパートで開催中の写真展「パリ+」は10月14日まで会期を延長して好評開催中です。ナディッフのオンラインショップで同写真集を購入されると、ショップ限定特典のポストカード4枚セットが付いてきます。特典はなくなり次第終了となります。

by urag | 2013-10-07 13:33 | 広告・書評 | Comments(0)


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