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2013年 01月 15日

注目近刊や大型企画:キルヒャー『普遍音楽』工作舎、など

★年始に賀状などで公表されていた今年の新刊情報の中から、気になる書目をいくつかご紹介します。

工作舎さん
杉浦康平『デザインの言葉 文字の霊力』
アタナシウス・キルヒャー『普遍音楽』
ヨハネス・ケプラー『新天文学』

※ケプラー『新天文学』は一年前も告知がありましたが、なにぶん古典ものですからゆっくり待つのが一番です。何より驚いたのがキルヒャーです。工作舎さんではかつてジョスリン・ゴドウィン『キルヒャーの世界図鑑』(川島昭夫=訳、1986年)を刊行されていましたからまさにそぐわしいラインナップなのですが、まさか原典が翻訳されるとは。しかも『普遍音楽 Musurgia universalis』が、です。書斎にあるOlms Verlagの2巻本を前にしばしば絶句しました。なんとうらやましい……。
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インスクリプトさん
中上健次集』全10巻
『ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション』全5巻

※『中上健次集』は第一回配本となる第七巻『千年の愉楽、奇蹟』が12月28日に発売になったばかりで、現在も全巻予約受付中とのことです。ヴェルヌの方はまず最初に、5月にガン・クラブ三部作を一冊にまとめた本が刊行されるそうです。このほか、ランシエール、グリッサン、ロス、などの単行本新刊の予告がありました。

羽鳥書店さん
小林康夫『こころのアポリア』
松浦寿輝『波打ち際に生きる』
蓮実重彦『〈美〉について』

※いずれも今春よりの発売とのことです。小林さんの近刊は版元ウェブサイトの「近刊情報」コーナーで主要目次が公開されています。蓮実先生にはたくさんの御著書がありますが、書名に「美」の文字が入るのは以外にも今回が初めてなのですね。お父様の蓮実重康さんには『ほほえみの美学』(東海大学出版会、1972年)という御著書があったのを思い出します。
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★また、今月、来月の新刊で気になる書目2点を以下にご紹介します。

コンバ――オルタナティヴ・ライフスタイル・マニュアル
マティルド・セレル(Mathilde Serrell)=著、鈴木孝弥=訳・解説
うから 2013年1月 本体1,800円 B6判並製336頁 ISBN978-4-904668-01-6

帯文より:選挙にさえ行けば、世の中良くなるって、まさかホントに思ってる? パリのクールなFM局《Radio nova 》。そこで最新モードの“ミニ革命”を紹介する朝10時の人気コーナーを採録した1冊に、解説を附記。今、これから、踊らされないで自分で踊るための――複眼的に世界を眺め、行動し、楽しむための――88篇。

版元紹介文より:世界中で今日も、政治家は語気荒げて持論をがなり、学者はしかつめらしく分析を開陳する。でもそのとき、選挙がすべてだなんてハナから思っていない21世紀のポジティヴな市民は何を考え、何をたくらみ、どんな行動に出ているのか? 彼(女)らがインターネットやテクノロジーを最大限に利用しながら試みる、過去になかったタイプの祝祭的で愉快なアクションの数々を紹介しながら、世界の新しい眺め方、新しい行動と生き方を提案する“目から鱗”の一般ピープル向けマニュアル・ブック!

「はじめに」より:“オキュパイ”する人たち、憤慨する人たち、アノニマスたち、騒動を起こすプッシーたち……その他、世界のあらゆる場所で障害物=独裁者/独裁的権力を取り除こうと闘う人たち。この『コンバ』をフランスで刊行して以降、リングはいよいよ世界をまたにかけて設置されるようになりました。“99%”が奮ってグローヴをつけ、そしてもう誰もガードを下げることはないのです! このマニュアルには、あらゆるレヴェルのコンバの実例を紹介してありますから、ご自分の興味のあるところから参考にして下さいね。

目次(抜粋):
バイコットしよう
生命や要求事項を振り付けにしよう
この世からきれいに消えよう
グリーンなナンパをしよう
クリスマスに、無防備な子供を守ろう
ニセ新聞を発行しよう
心理地理学の基礎を学ぼう
直属の上司をののしろう
あなたの乳房を見せよう
PARK(ing) Dayをオーガナイズしよう
地球のことを思っておしっこしよう
週一菜食主義を実践しよう
球根テロを企てよう
サイクロヌーディスタ(自転車裸族)に加わろう
社長を監禁しよう
静寂をストックしよう
素っ裸で旅しよう

★今週中頃より書店店頭開始と聞く社会科学書の新刊です。2010年6月に設立された出版社で、杉並区善福寺に所在する「株式会社うから」さんは本書に先立ち2011年12月にブリュノ・コストゥマル『だけど、誰がディジーのトランペットをひん曲げたんだ?――ジャズ・エピソード傑作選』(鈴木孝弥=訳)を刊行されていて、菊地成孔さんから「絶好調リラキシン&クール&エスプリ」と絶賛されています。

★流通(取次)は東京官書普及と八木書店(店売)をご利用のようですが、一般読者は直販のほか、各種ネット書店やリアル書店店頭で購入できるようです。代表取締役の村上佳儀(むらかみ・よしのり:1968-)さんは早稲田大学出身。誕生日が私とわずか一カ月違いの同い年でいらっしゃるので、ひょっとすると早大のキャンパスですれ違うこともあったかもしれないと想像します。今回の新刊『コンバ』を私は書店員の知人から教えてもらったのですが、目次からも推測できる通り、かなり面白そうな内容で、凡百の自己啓発書や「儲かる」本よりよっぽど頓知がきいています。楽しげな装丁といい、求めやすい値段といい、売れそうな気がしています。発売が楽しみです。


共同論議の本質(仮)
安倍晋三+B・ゲイツ+G・ソロス+M・サンデルほか=著、野中邦子=訳
土曜社 2012年2月 予価3,000円 四六判上製192頁 ISBN978-4-9905587-7-2

版元宣伝文より:ポイント1〈協調〉――世界の指導的知性が、向こう一年を洞察する。日本からは安倍晋三首相が東アジアの安全保障をめぐる「セキュリティダイヤモンド構想」を論じ、アジア開発銀行の黒田東彦総裁が「新興アジアの諸問題」を執筆。これが2013年の世界協調シナリオといえる論文集。ポイント2〈緊急〉――1月4日に英文で発表された論文集を、2月上旬に緊急出版。ポイント3〈定評〉――R・ヘンライ『アート・スピリット』や、A・ボーデイン『キッチン・コンフィデンシャル』など人気の野中邦子訳で、世界最高峰の論文が読める。

★2月上旬取次搬入予定の経済書新刊です。合同会社土曜社さんの「プロジェクトシンジケート叢書」第2弾。今日プレスリリースがPDFで発信されたばかり。詳しくは版元さんのウェブサイトをご覧ください。
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by urag | 2013-01-15 19:52 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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