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2012年 12月 18日

本日発売:ヘーゲル大論理学の新訳、作品社より

ヘーゲル 論理の学(1)存在論
ヘーゲル著 山口祐弘訳
作品社 2012年12月 本体6,400円 A5判上製520頁函入 ISBN978-4-86182-408-1

帯文より:存在と無は同じものである。カントの超越論的論理学と対決し、神のロゴス(論理)に対して理性の言葉で構築した壮大な真理の体系。限定否定の弁証法、存在と無と生成のトリアーデ、形而上学的無限と数学的無限など、現代語訳が身近にするヘーゲル哲学の神髄。全三巻・50年ぶりの新訳決定版。

底本:Wissenschaft der Logik, Erster Teil, PhB.56, Hamburg 1963.

目次:
訳者緒言
凡例
第一編 客観的論理学
第一版への序文
第二版への序文
緒論
 論理学の一般的概念
 論理学の一般的区分
第一巻 存在論
 学は何によって始められなければならないか
 存在の一般的区分
第一部 規定性(質)
 第一章 存在
  A 存在
  B 無
  C 生成
   (a)存在と無の統一
     注一 表象における存在と無の対立
     注二 存在と無の統一、同一性という表現の欠陥
     注三 これらの抽象物を孤立させること
     注四 始元の把握不可能性
   (b)生成の契機:発生と消滅
   (c)生成の止揚
     注 止揚という表現
 第二章 定在
  A 定在そのもの
   (a)定在一般
   (b)質
     注 実在性と否定
   (c)成るもの
  B 有限性
   (a)或るものと他のもの
   (b)規定、性状および限界
   (c)有限性
    (α)有限性の直接性
    (β)制限と当為
      注 当為
    (γ)有限なものの無限なものへの移行
  C 無限性
   (a)無限なもの一般
   (b)有限なものと無限なものの相互規定
   (c)肯定的無限性
  移行
   注一 無限進行
   注二 観念論
 第三章 対自存在〔自己に対してあること〕
  A 対自存在そのもの
   (a)定在と対自存在
   (b)一つのものに対してあること
     注 どのようなものかという表現
   (c)一
  B 一と多
   (a)それ自身における一
   (b)一と空虚なもの
     注 原子論
   (c)多くの一、反撥
     注 ライプニッツのモナド
  C 反撥と牽引
   (a)一の排斥作用
     注 一と多の統一の命題
   (b)牽引による一つの一
   (c)反撥と牽引の関係
     注 カントによる引力と斥力にもとづく物質の構成
第二部 大きさ(量)
 第一章 量
  A 純粋量
   注一 純粋量の表象
   注二 カントにおける時間、空間、物質の不可分性と無限分割可能性の二律背反
  B 連続量と分離量
   注 これらの量の普通に行われている分離
  C 量の制限
 第二章 定量
  A 数
   注一 算術の計算法――直観についてのカントの先天的総合命題
   注二 哲学的諸概念の表現のために数規定を用いること
  B 外延量と内包量
   (a)両者の区別
   (b)外延量と内包量の同一性
     注一 この同一性の例
     注二 カントが度の規定を魂の存在に適応したこと
   (c)定量の変化
  C 量的無限性
   (a)量的無限性の概念
   (b)量的無限進行
     注一 無限進行についての過大評価
     注二 時間、空間における世界の制限と非制限をめぐるカントの二律背反
   (c)定量の無限性
     注一 数学的無限の概念規定性
     注二 微分計算の応用と目的
     注三 質的な量的規定性と連関する他の諸形式
 第三章 量的関係〔比〕
  A 正比例
  B 反比例
  C 冪比例
   注
第三部 質量
 第一章 比率的な量
  A 比率的定量
  B 比率化する質量
   (a)規則
   (b)比率化する質量
     注
   (c)質としての両項の関係〔比〕
     注
  C 質量における対自存在
 第二章 実在的質量
  A 自立的な質量の比
   (a)二つの質量の結合
   (b)質量の比の系列としての質量
   (c)選択的親和性
     注 化学的親和性についてのベルトレの見解とそれに関するベルツェーリウスの理論
  B 諸質量比の結節線
   注 結節線の例 自然は飛躍しないということについて
 第三章 本質の生成
  A 絶対的無差別
  B 諸要素の反比例としての無差別
   注 求心力と遠心力
  C 本質への移行
訳注
索引
総目次

★17日取次搬入済とのことですので、書店さんでは早ければ今日明日から店頭に並び始めます。いわゆる『大論理学』(1832年)の新訳です。戦後の代表的な訳書には、武市健人訳全三巻四分冊(ヘーゲル全集、岩波書店、改訳版、1956/1960/1961年)や、寺沢恒信訳全三巻(以文社、1977/1983/1999年)があります。ヘーゲルの著書の中で最も難解な哲学書であるため、代表作ではあるものの最も翻訳されることが少なく、注釈書や研究書もまた浩瀚なものにならざるをえないものでした。その近づきがたい高峰がこのたび、ヘーゲルの読みやすい訳書を数多く手掛けてきた編集者Tさんによって、ついに新訳全三巻として刊行開始されました。Tさんは今年年頭にカント『純粋理性批判』の新訳も担当されており、カントに始まりヘーゲルに終わるという驚くべき縦走を果たされた一年でした。

★訳者の山口さんはこれまでヘーゲルの共訳書『理性の復権――フィヒテとシェリングの哲学体系の差異』(アンヴィエル、1982年;批評社、1985年)のほか、ホルクハイマー、ロベルト・ユンク、フィヒテなどの翻訳を手掛け、カントやヘーゲルなどドイツ観念論についての研究書を出版されています。今回の新訳の巻頭に置かれた「緒言」で山口さんはこう書かれています。

「そもそも、ヘーゲルは、人類の全精神史を眺望し、時間を超え歴史を包摂する絶対者の哲学を目指した思想家であった。『論理の学』も狭義の思考の法則の研究に限局されるのではなく、ヘーゲル自ら記しているように「世界創造以前の永遠の本質における神の叙述」、アリストレテスの第一哲学に相当する「本来的な形而上学」として企図されたのであった。その論理学の改革を志す熱意には切なるものがある。彼の永遠の哲学を目指す眼差しは、過去と彼の時代に向けられているばかりでなく、未来にも向けられていると見なければならない。その視線の先に現在はあるのである。/そうであるなたば、ヘーゲルが現在に対して何を語りかけようとしているかを問うことは、現代に生きる者の義務であろう。ヘーゲルをして現代に向かって語らせ、なお生きたものをその言葉の中に聞きとらねばならない。翻訳はそうした対話の実践であり、またそれを促すための方途である」(p. ii)。

書影:左が函、右が本体。美麗かつ堅牢な装幀は菊地信義さんによるもの。
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◎Tさんの手掛けられたヘーゲル新訳書
『哲学史講義』全三巻、長谷川宏訳、河出書房新社、1992-93年
『美学講義』全三巻、長谷川宏訳、作品社、1995-96年
『精神現象学』長谷川宏訳、作品社、1998年
『法哲学講義』長谷川宏訳、作品社、2000年
『哲学の集大成・要綱』全三巻、長谷川宏訳、作品社、2002/2005/2006年
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by urag | 2012-12-18 22:51 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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