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2012年 10月 05日

弊社出版物の著者や訳者の方々の最近の御活躍

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★ジャン=ジャック・ルソーさん(著作:『化学教程』)
★淵田仁さん(共訳:ルソー『化学教程』ウェブ連載)
★飯田賢穂さん(共訳:ルソー『化学教程』ウェブ連載)
★ポール・ド・マンさん(著書:『盲目と洞察』)
★宮崎裕助さん(訳書:ポール・ド・マン『盲目と洞察』)
★近藤和敬さん(著書:『構造と生成(1)カヴァイエス研究』)
白水社さんの「白水iクラシックス」シリーズ内の「ルソー・コレクション」全4巻の最終巻である『孤独』が先月刊行されました。また、先週発売された青土社さんの月刊誌『現代思想』10月号はルソーの特集号となっています。

ルソー・コレクション 孤独
ジャン=ジャック・ルソー著 佐々木康之訳 川出良枝選・解説
白水iクラシックス 2012年9月 本体2,500円 四六判並製228頁 ISBN978-4-560-09604-8
帯文より:ルソー生誕三百年! 生きていくことの喜びと哀しみ。『孤独な散歩者の夢想』『マルゼルブ租税法院院長への四通の手紙』を収録。コレクション完結!

※白水社版『ルソー全集』からの改訳再編集版全4巻の完結です。『孤独』の巻末におかれた川出さんの解説は「ジュネーヴ市民から孤独な散歩者へ」と題されています。『孤独な散歩者の夢想』は同じく先月、光文社古典新訳文庫で永田千奈訳が刊行されています。ルソーのこの晩年作はこれまで幾度となく翻訳されており、現在でも今野一雄訳(岩波文庫)や、青柳瑞穂訳(新潮文庫)などが入手可能です。なお、白水iクラシックスでは今月、アラン『哲学講義』(『アラン著作集(1)思索と行動のために』改題、中村雄二郎訳、前田英樹解説)が刊行される予定で、来月はなんとブロッホ『希望の原理 第一巻』(山下肇ほか訳)も同シリーズで再刊するようです。

現代思想 2012年10月号 特集=ルソー――「起源」への問い
青土社 2012年9月 本体1,238円 A5判並製246頁 ISBN978-4-7917-1251-9

※特集では、『化学教程』のウェブ連載でおなじみの淵田仁さんと飯田賢穂さんがそれぞれ論考や翻訳に健筆をふるっておられます。淵田さんは御論文「何者かになること――自己服従の哲学者ルソー」を寄稿されたほか、ブルーノ・ベルナルディの論考「なぜ化学なのか?――ルソーの場合」をお訳しになっています。飯田さんはセリーヌ・スペエクトールの論考「ルソーと政治経済学批判」をお訳しになっています。さらに同特集では宮崎裕助さんが御論文「法のテクスト/テクストの法――ポール・ド・マンにおけるルソー『社会契約論』のキアスム読解」をお寄せになるとともに、ポール・ド・マンが「ルソー学会年報」に寄稿した書評「ジャック・デリダ『グラマトロジーについて』のルソー読解」をお訳しになっています。弊社刊『盲目と洞察』第七章「盲目性の修辞学――ジャック・デリダのルソー読解」と一緒にお読みいただければ幸いです。また、同号の連載では近藤和敬さんの「真理の生成」の第11回「文脈の不定性、記述のプトレマイオス的転回」が掲載されています。


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★鵜飼哲さん(共訳書:ジュネ『公然たる敵』)
★佐藤嘉幸さん(共訳書:バトラー『自分自身を説明すること』『権力の心的な生』)
以文社さんより先週発売された新刊『レイシズム・スタディーズ序説』で、鵜飼さんがインタビューと鼎談に、佐藤さんが翻訳で参加されています。

レイシズム・スタディーズ序説
鵜飼哲+酒井直樹+テッサ・モーリス=スズキ+李孝徳=著
以文社 2012年10月 本体2,800円 四六判上製320頁 ISBN 978-4-7531-0304-1
帯文より:人種主義(レイシズム)が立ち現われる現場は、ある社会的な関係が人体の特徴などを通して反照し、私と他者の自己画定(アイデンティティ)を同時に限定するときである。この投射されたアイデンティティ・ポリティックスは現代のあらゆる社会関係に随伴する。本書は、この視点から、近代化とグローバル化で不透明化された現代を読み解く壮大な試みである。

目次:
レイシズム・スタディーズへの視座(酒井直樹)
グローバル化するレイシズム(テッサ・モーリス=スズキ)
移民/先住民の世界史――イギリス、オーストラリアを中心に(テッサ・モーリス=スズキ/聞き手=李孝徳)
共和主義とレイシズム フランスと中東問題を中心に(鵜飼哲/聞き手=李孝徳)
近代化とレイシズム イギリス、合州国を中心に(酒井直樹/聞き手=李孝徳)
新しいレイシズムと日本(鵜飼哲×酒井直樹×テッサ・モーリス=スズキ×李孝徳)
レイシズムの構築(エティエンヌ・バリバール/訳=佐藤嘉幸)
用語解説
参考文献

※版元さんからいただいた「編者一同」の記名がある挨拶文によれば、本書は「レイシズム・スタディーズ」シリーズの第一巻という位置付けです。このシリーズでは「困難ではあるが是非とも研究・考察しなければならない問題としての人種主義を主題的に扱った著作を刊行する予定」であるとのことです。非常にアクチュアルなシリーズで続刊にも注目したいですね。


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★レーモン・クノーさん(著書:『オディール』『棒・数字・文字』)
「日本ウリポ史上、最大の新シリーズ」と謳われた水声社さんの「創立30周年企画」である、「レーモン・クノー・コレクション」は、6月に第7回配本、8月に第8回配本、そして9月に第9回配本と順調に刊行されています。

レーモン・クノー・コレクション(1)はまむぎ
久保昭博訳
水声社 2012年6月 本体3,200円 4/6判上製376頁 ISBN978-4-89176-861-4
帯文より:ゴム製のアヒルから始まる、田舎町での陰謀譚。銀行員マルセルは、たまたま立ち寄った場末のフライドポテト屋で、ガラクタ屋の老人と出会う。物をもたないことの幸せを語るその貧しい老人の家には、彼が決して手放そうとしない謎の青い扉があり、町ではそれをめぐって、ある噂が囁かれはじめる……。バタイユやデスノスが、ただこの作品を讃えんがために、ドゥマゴ賞を創設することとなった、クノーの第1作にして代表作。

レーモン・クノー・コレクション(5)わが友ピエロ
菅野昭正訳
水声社 2012年8月 本体2,500円 4/6判上製272頁 ISBN978-4-89176-865-2
帯文より:陰謀? 事故? 《ユニ・パーク》で巻き起こる謎の事件。遊園地《ユニ・パーク》で働くこととなった青年ピエロ。人はいいがどじばかり踏んでいる彼は、ひっそりと《ユニ・パーク》に隣接し、謎の王国ポルデーヴの王子がまつられているという礼拝堂の主と知り合いになる。そんななか、《ユニ・パーク》では、ある事件が巻き起こり……。『ルイユから遠くはなれて』『人生の日曜日』とともに「知恵の三部作」と呼ばれ、アルベール・カミュが称賛した、「不滅の奇蹟の物語」。

レーモン・クノー・コレクション(7)文体練習
松島征・河田学・原野葉子・福田裕大訳
水声社 2012年9月 本体2,200円 4/6判上製260頁 ISBN978-4-89176-867-6
帯文より:「ここには、練習が99個あります。フランス語のさまざまな様式や、レトリックの文彩や、それにめっぽう文学的なジャンルなどを使いながら、おなじひとつのささいな出来事がちがったふうに語られてゆくのですが、当の出来事ときたらほとんど小話の、それも下書き程度のものでしかないのです。この本には序文もなければ結論もありません。お読みになられた方は、まだまだもっと違うやつだってぽんぽん思いつかれることでしょう。ぞんぶんにやってみるといいのです。こころのおもむくままに」——レーモン・クノー

※周知の通り、『はまむぎ』の既訳には滝田文彦訳(白水社、1976年;2001年新装復刊)があり、『文体練習』の既訳には朝比奈弘治訳(朝日出版社、1996年)があります。前者は残念ながら品切ですが、後者は今年一月に十刷に達しているロングセラーです。本文はスミと赤の二色刷で、非常に美しい本です。『わが友ピエロ』はかつて同じ訳者によって上梓されており(『現代フランス文学13人集』第三巻所収、新潮社、1965年)、全面的に改訳されています。「クノー・コレクション」は全13巻のうち、これで10冊が刊行されたことになります。残すは、第3巻『リモンの子どもたち』塩塚秀一郎訳、第12巻『青い花』新島進訳、第13巻『イカロスの飛行』石川清子訳、の3冊。次回配本は『イカロスの飛行』が予定されています。

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by urag | 2012-10-05 19:49 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)


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