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2012年 07月 01日

注目新刊:2012年6月~7月、『なぜ、1%が金持ちで…』ほか

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なぜ、1%が金持ちで、99%が貧乏になるのか?――《グローバル金融》批判入門
ピーター・ストーカー(Peter Stalker, 1944-)著 北村京子訳
作品社 2012年6月 本体2,200円 46判上製272頁 ISBN978-4-86182-387-9

帯文より:“もう一つ”の金融システムは可能だ! 私たちのマネーを取り戻せ! 今や、我々の人生は、借金漬けにされ、銀行に管理されている。「どうして、そうなったのか」を丁寧に解説、“今までとは違う”金融政策の選択肢を具体的に提示する。世界で最も読まれている入門書。

版元紹介文より:本書は、素人向けに、金融の仕組み、貿易・為替レートの仕組みといった基本知識――「そもそも貨幣ってなんだ?」「『円高・円安』とはどういうことか?」「なんで一部のヒトがお金持ちになれるのか?」「デリバティヴとは何か?」といった素朴な疑問から、「タックスヘブン」「金利スワップ」といった専門用語まで――、そして、なぜ金融危機は起こるのか? 現在の世界金融危機とはどういうものなのか? といった国際金融の最前線までを、きわめてわかりやすく説明する。

原書:The No-Nonsence Guide to Global Finance, New Internationalist Publications, 2009.

目次:
[日本語版序文]金融が果たすべき使命とは?
[序文]なぜ、金融は我々から遠い存在なのか?(ウォルデン・ベロー)
第1章 お金の世界史――現金の起源
第2章 増殖するお金
第3章 実に、多種多様な銀行
第4章 資本金カジノ――ヘッジファンド・デリバディヴ・政府系ファンド
第5章 為替の世界――お金とどうつきあうのか?
第6章 醜い姉妹――IMFと世界銀行
第7章 経済破綻――なぜ、金融メルトダウンはおきるのか?
第8章 99%を生まないための新たなスタート
[終わりに]我々は99%だ!
主な参考文献
参照したホームページ
原注
主要な金融用語集

★発売済。著者の既訳書には『世界の労働力移動  ILOリポート』(大石奈々・石井由香訳、築地書館、1998年;The work of strangers の抄訳)があります。本書はそれに続く第二弾。担当編集者のFさんよりいただいたプレスリリースによれば「人類史上、なぜ、これほどまでに格差は拡がり、私たちは借金漬けにされたのか、そして「金融」って、そもそもなに? と思っている“素人”のための画期的な入門書」とのことです。序文を寄せている政治評論家のベローは本書をこう評価しています。「金融経済を簡潔にピーター・ストーカーが解説してみせた本書が、リーマン・ショック以前に、もっと早く世に出ていれば、多くの人々は、金融経済に対してよりまともな態度を取ることができたかもしれない」。特に本書の第8章では、金融業の暴走を規制する方策について具体的に提言しています。帯文にある「私たちのお金を取り戻せ」という文句はまさに本書の言わんとすることを端的に表しています。


パスカル パンセ抄
ブレーズ・パスカル著 鹿島茂訳
飛鳥新社 2012年7月 本体1,600円 4-6判上製240頁 ISBN978-4-86410-177-6

帯文より:考えよ! 考えることが人間の尊厳のすべてであり、人間の偉大さをつくるのである。人間の本性への深い洞察に満ちた思索の結晶。NHKテレビ「100分de名著」パスカル『パンセ』に鹿島教授が出演。

目次:
前書き
1 人間関係とコミュニケーション
2 人間の真理と錯覚
3 人間とは何か? わたしとは何か?
4 知ることと精神の働き
5 話すことと書くこと
6 原因と結果
7 職業と選択
8 自己愛と自我
9 褒められたい
10 幸福の追求
11 無為と気晴らし
12 想像力と宇宙
13 現在という時について
14 死について
15 真と偽・悪と善・美徳と悪徳
16 正義と支配
17 民衆の意見の健全さ
18 裏側の思考
19 人間の惨めさと偉大さ
20 真の幸福と堕落した本性
21 考えるということ
22 理性について
23 手足と身体
24 神の存在と賭
後書き

★発売済。後書きによれば「本書は、クラシック・ガルニエ双書の一冊であるブレーズ・パスカル『パンセ』Pascal: Pensées, texte de l'édition Brunschvicg, Introduction et note par Ch.-Marc des Granges, Classiques Garnierの前半から、今日の日本の読者の興味を引きそうな部分を適宜抜粋して翻訳し、それを訳者の判断によって分類しなおして一巻とした抄訳本です。そのため、断章の番号はブランシュヴィックが草稿に付した番号に準じています」とのことです。本書の刊行を記念し、編訳者の鹿島茂さんのトーク&サイン会が以下の通りあります。

鹿島茂の「パスカルパンセと現代性」(仮)

日時:2012年7月27日(金)18:00-20:00(開場17:30)
場所:東京堂書店神田神保町店 6F 東京堂ホール
参加方法:要予約、店頭または電話・メール(shoten@tokyodo-web.co.jp)にて、件名「鹿島さんイベント希望」・お名前・電話番号・参加人数、をお知らせ下さい。イベント当日と前日は、お電話にてお問い合わせください。電話03-3291-5181

※当日16:00より1F総合カウンターにて受付を行います。参加費800円(ドリンク付き)をお支払い頂いた上で、店内カフェにて指定のドリンクとお引換えください。尚ドリンクの引換えは当日のみ有効となります。(終演後は引き換え頂けません。)

内容:このたびフランスの大古典、パスカルの『パンセ』を『パンセ抄』というかたちで、フランス文学者で明治大学教授の鹿島茂さんの編訳で刊行することになりました。これを記念し「パスカル パンセと現代性」と題して、鹿島さんにわかりやすくお話いただきます。

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夢解釈〈初版〉(
フロイト著 金関猛訳
中公クラシックス 2012年6月 本体各1,900円 新書判並製396/376頁

帯文(上)より:「心の作用」に初めて分析のメスを入れ、心を探究した科学者の結晶。本邦初訳による画期的論考。
帯文(下)より:運動にも学派にも縁の薄い一人の孤独な思索者の粘り強く、綿密な研究。精神分析学の精華が誕生。

版元紹介文(上)より:患者の言葉、仕草から解析するフロイトの思索の方法をたどるには、オリジナルな〈初版〉こそ宝庫である。様々な夢を聞き出し表象の連鎖から多様な意味を読み取る。
版元紹介文(下)より:さまざまな夢に精神分析学的解釈を加えたフロイト。われわれの深層心理に眠るものを摘出し、その可能性と限界を描き出しながら、現代人の不安の根底を探り出す。

★発売済。『夢解釈』初版の初の全訳。上巻巻頭の解説「夢の科学/科学者の夢」によれば、「初版は1899年11月4日にウィーンの出版社フランツ・ドイティケから刊行された。〔アーネスト・〕ジョーンズによれば印刷されたのは600部で、売り切れるのに8年かかった」とのこと。最初の全訳は新関良三訳で、戦後に高橋義孝訳、高橋義孝・菊盛英夫共訳が出版され、さらに21世紀に入って新宮一成訳が出版されました。新関訳の底本は1925年のGesammelte Schriften、高橋訳以降はいずれも、1942年のGesammelte Werke(内容は1930年刊の第8版と同じ)が底本とのことです。「エレンベルガーの言うように、『夢解釈』には「新版のたびに多くの変更、加筆、削除が施され、その結果、今日入手可能な版は、形式面でも内容面でも初版とはそうとう大きな相違」がある」と解説されています。本文は定稿となる第8版までに都合6回増補改訂されているそうで、初版の初訳は意義深いのではないかと思います。

◎『夢解釈 Die traumdeutung』既訳書
『夢の註釈』大槻憲二訳(抄訳)、『フロイド精神分析学全集』第1巻、春陽堂書店、1929年。
『夢判断』新関良三訳、『フロイド精神分析大系』第2・3巻、アルス、1930-33年。
『夢判断』高橋義孝訳、『フロイド選集』第11・12巻、日本教文社、1954-1955年;『フロイト著作集』第2巻、人文書院、1968年;上中下巻、新潮文庫、1957年;上下巻、新潮文庫、1969年。
『夢判断』高橋義孝・菊盛英夫訳、『フロイド選集〔改訂版〕』第11・12巻、日本教文社、1969-1970年;上下巻、改装版、日本教文館、1994年。
『夢解釈』新宮一成訳、『フロイト全集』第4・5巻、岩波書店、2007-2011年。

◎金関猛(かなせき・たけし:1954-)訳、フロイト訳書既刊
1995年02月『失語論――批判的研究』石澤誠一共訳、平凡社
2004年02月『ヒステリー研究』上下巻、ヨーゼフ・ブロイアー共著、ちくま学芸文庫
2006年05月『あるヒステリー分析の断片――ドーラの症例』ちくま学芸文庫
2010年09月『シュレーバー症例論』中公クラシックス
2012年06月『夢解釈〈初版〉』上下巻、中公クラシックス
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by urag | 2012-07-01 23:58 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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