2012年 05月 17日

弊社出版物の著者や訳者の方々の最近の御活躍

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◆大竹伸朗さん(著書『UK77』『権三郎月夜』『ネオンと絵具箱』)
ちくま文庫の今月の新刊で『ネオンと絵具箱』が刊行されました。これは2006年10月に弊社より刊行された同名のエッセイ集『ネオンと絵具箱』全編を第1章として収め(224頁まで)、「全景」などの作品展のカラー写真8頁を挟んで、2003年から2011年に新聞雑誌各紙誌に寄稿したエッセイ28編を、第2章「路上と絵具箱」、第3章「日毎と絵具箱」(339頁まで)に再構成して、最後に「文庫版あとがき」「初出一覧」「作品リスト」を加えて一冊としたものです。分量的には3分の2が親本からのもので、残り3分の1が今回の増補分となります。本体950円です。

また、弊社より先月刊行した森山大道写真集『カラー』の発売に合わせ、大竹さんがTシャツを制作してくださいました。ナディッフさんが昨日ツイートされましたが、「【近日入荷予定】月曜社刊行の森山大道・最新写真集「カラー」の発売を記念し、表紙の題字を担当した大竹伸朗氏がオリジナルTシャツを作りました! また、長らく品切れとなっていた「ハワイ」Tシャツも再発売となりますので、夏にむけご用意を。カラー展開は青、白、黒の3色」というものです。このTシャツは「カラー」が青、白、黒の3種類、「ハワイ」が白と黒の2種類で、ナディッフのほか、先週金曜日から6月9日まで六本木のタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムで開催されている森山大道個展「カラー」の会場でも販売されています。「ハワイ」Tシャツは、弊社より2007年7月に刊行した森山大道写真集『ハワイ』の発刊記念で制作して以来の復刻になります。


◆モーリス・ブランショさん(著書『問われる知識人』『ブランショ政治論集』『書物の不在』)
完本 焔の文学』(重信常喜+橋口守人訳、紀伊國屋書店、新装復刊版、1997年)が、「書物復権2012」で再刊されました。本日取次搬入なので、ほどなく店頭発売開始となります。今回復刊される書目の一覧はこちら

また、過日新聞報道※があった通り、篠沢秀夫さん訳による『謎のトマ』が中央公論新社さんより来月発売になります。礼子夫人が代筆されているブログ記事「モウリス・ブランショの「謎のトマ」が本になります」(2012年1月20日付)もご参照ください。本書は「トマ」の初版本(1941年版)の翻訳。トーハンのe-honアマゾンで予約受付が開始されています。e-honでは発売日が6月10日(日)、アマゾンでは6月7日(木)となっていますから、察するところ、7日が取次搬入で翌々営業日以降から店頭発売開始となるものと思われます【5月18日追記:篠沢先生のウェブサイトの5月8日付のインフォメーションでは「6月13日発売」となっています。こちらが最新情報だとみなしていいのかもしれません】。『書物の不在』(初版2007年;第二版2009年)の著者略歴でご案内している通り、弊社では同じく初版本の訳書を刊行する予定ですが、弊社版の発売はもう少し先になりそうです。なお、新版(1950年版)「トマ」の翻訳は、『ブランショ小説選』(書肆心水、2005年)などで読むことができます。

※「篠沢教授が難病と闘いながら翻訳本」(「日刊スポーツ」2012年3月21日付、柴田寛人氏記名記事)より・・・・・・「昭和の人気番組TBS系「クイズダービー」の解答者で、筋肉が萎縮して動かなくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘病中の篠沢秀夫・学習院大名誉教授(78)が、09年2月の発病後では初めて翻訳本を出版することが20日、分かった。フランス文学の長編小説「謎の男トマ」(モーリス・ブランショ)を発病前から3年以上かけて完成。320ページ分の大作となり、今夏の発売を予定。さらなる出版にも意欲を示し、同じ難病に悩む人々に勇気を与えている。〔中略〕フランス文学者として、発病するまでに40冊以上の翻訳本を出していただけに、地道な翻訳作業も続けていた。フランス人の故モーリス・ブランショのデビュー作「謎の男トマ」。1941年の作品で、生と死を描いた長編小説だ。篠沢教授は発病前から翻訳を続け、このほど320ページ分を書き上げた。簡略化した日本語版は発行されているが、完全翻訳は篠沢教授が初めて出すという。/〔篠沢夫人〕礼子さんは「主人は本を出すことが唯一の生きがい。今後の病気のことを考えると不安になりますけど、前だけ見て、本を出し続けたいと思います」と篠沢教授の意欲を代弁した〔後略〕」。

「簡略化された日本語版」について補足しますと、『謎の男トマ』は1941年に初版が刊行され、その後、1950年に、大幅に短くなった新版が刊行されました。今までに邦訳されたのはこの新版で、1941年版が邦訳されるのは今回が初めてになります。なお、1941年版はフランスでもブランショ(1907‐2003)の生前には刊行されず、死後の2005年になってピエール・マドールの跋文付でようやく再刊されます。篠沢先生の訳書は1941年版の原本からの翻訳で、弊社が出版する予定のものは2005年の再刊版です。内容はマドールの跋文があるかないかの違いで、小説自体に内容の違いはありません。
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by urag | 2012-05-17 19:21 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(2)
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Commented by 田川才人 at 2012-05-19 00:07 x
『謎の男トマ』初版本の邦訳が出版されるのですね。
篠沢先生が、『現代詩手帖』(1978年10月臨時増刊)に、「『トマ』41年本の特異性」を寄稿されてから、30余年。難病と闘われての翻訳、期待せずにはいられないです。
同号には、篠沢先生と白井健三郎先生の対談(「不可能性の彼方へ」)、佐藤渉先生の「『謎のひとトマ』初稿・新稿比較」も掲載されておりました。この機会に、本棚から久しぶりに手にしてみましたが、改めて読んでみる価値がありそうだなと。
貴社から発売予定の新訳も、同じく期待しております!
Commented by urag at 2012-05-20 12:16
田川才人さんこんにちは。温かい激励をありがとうございます。弊社版の訳者先生も励みにされると思います。
『トマ』41年版は1943年までに10刷を数えていますから市場にはそれなりに出回ったはずなのですが、「詩手帖」のブランショ特集号の当時は今のように便利なオンライン古書店が影も形もなかったので、仏文研究者の先生方にとってはともかく、一般読者にとっては戦中刊行の本の古書探求はそれなりの労力を要したのではないかと想像します。まさに多くの読書人にとっては幻の書だったろうと思います。


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