2012年 04月 08日

まもなく発売:『新訳 ラーマーヤナ』、平凡社より

新訳 ラーマーヤナ 1
ヴァールミーキ著 中村了昭訳
東洋文庫(平凡社) 2012年4月 本体2,800円 全書判上製324頁 ISBN978-4-582-80820-9
帯文より:『マハーバーラタ』と共にインド古典文学を代表する一大叙事詩の初めての完訳。第1巻「少年の巻」は、魔王を対峙するためにヴィシュヌ神が人間に化身して誕生したラーマ王子がシーターと結婚するまでを語る。

★まもなく発売です。サンスクリット語原典からの和訳。同書には、平凡社東洋文庫編集部による「『新訳 ラーマーヤナ』刊行につきまして」と題した紙が挟まれており、そこには以下の通り書かれています。

「小社東洋文庫では、すでに岩本裕訳による『ラーマーヤナ』1・2が刊行されていますが、岩本裕氏の逝去によって、続刊の刊行を断念せざるをえなくなりました。このたび新たに第一巻より、中村了昭氏による全訳を、『新訳 ラーマーヤナ』(全七巻)として刊行いたします。岩本裕訳中断につきまして、御迷惑をおかけした読者に、お詫び申し上げます。」このお知らせは、平凡社ウェブサイトのインフォメーション欄でも公開されています。

★岩本裕訳『ラーマーヤナ』は東洋文庫で第1巻「少年の巻」が1980年4月、第2巻「アヨーディヤーの巻」(79章までの抄訳)が1985年1月に、それぞれ訳者による解題を付して刊行され、現在は現在はワイド版(オンデマンド版)で入手可能です。

★『ラーマーヤナ』はこれまで英訳本からの重訳版や、概略再話版などが出ていましたが、サンスクリット語原典からの翻訳は岩本訳が初めてでした。岩本さんは第2巻刊行の三年後、1988年4月にお亡くなりになりました。『マハーバーラタ』の原典訳を手掛けられた上村勝彦さんも完訳を見ずに2003年1月にお亡くなりになっています(ちくま学芸文庫で、第8巻「カルナの章」49章までの訳が発売)。第一巻巻頭の「まえがき」で上村さんはこう書いていました、「『マハーバーラタ』の英訳者は、三冊目の訳書を出版したところで亡くなっている。『マハーバーラタ』と並ぶ叙事詩『ラーマーヤナ』を翻訳されていた岩本裕先生は、二冊を出版されただけでこの世を去られた。この種の仕事は寿命をちぢめるものなのかもしれない」(10頁)。岩本さんは1910年生まれ、上村さんは1944年生まれでした。まさに命を賭しての翻訳で、戦慄を覚えます。

★今回『ラーマーヤナ』の新訳を手掛けられる中村さんは1927年のお生まれ。第一巻巻頭の「訳者まえがき」にある梗概によれば全七巻の構成は原典に従い以下の通りとなります。

第一巻「少年の巻」
第二巻「アヨーディヤー都城の巻」
第三巻「森林の巻」
第四巻「猿の国キシュキンダーの巻」
第五巻「優美の巻」
第六巻「戦争の巻」
第七巻「後続の巻」

★底本は1909年のボンベイ本。バローダ出版の批評版(1960-75年)を参照されているとのことです。なお、東洋文庫の次回配本は5月刊、『鳥の言葉』。

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by urag | 2012-04-08 12:40 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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