2012年 03月 15日

弊社出版物の著者や訳者の方々の最近の御活躍

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★馬場智一さん(サラ-モランス『ソドム』共訳者)
博士論文に加筆修正された著書第一作を勁草書房さんより上梓されました。本日15日取次搬入です。

倫理の他者――レヴィナスにおける異教概念
馬場智一(ばば・ともかず:1977-)著
勁草書房 2012年3月 本体5,500円 A5判上製496頁 ISBN978-4-326-10213-6
帯文より:生きることは他人の場所を奪うことである──。倫理への道にエゴイズムの影を落とす「異教」概念。そのの思想史的由来とレヴィナスにおけるその多元的意義を、精緻かつ鮮やかに解明していく。「西洋哲学」の自明性を問う探究の書。
版元紹介文より:「異教」とはユダヤ・キリスト教からみたその他の宗教一般、つまり西洋にとっての他者をさす。本書は、後期ハイデガーの思想を「異教崇拝」として批判したレヴィナスにおけるその概念の変遷と政治的・存在論的意義を、語と概念の歴史から出発して論ずる。「西洋哲学」の自明性の境界へと至る探求の軌跡。

目次:
はしがき
序論 「異教」の問いとレヴィナス
Ⅰ 「異教徒」、翻訳史と語源論争
 はじめに
 第1章 ヘブライ語──タナッハにおける‘âmとgôj
  一「ユダヤ教」成立までの歴史的経緯
  二 用語上の考察、‘âmとgôjの区別、および国内異邦人
  三 小括
 第2章 ヘブライ語からギリシア語へ──七〇人訳聖書における‘âmとgôjの曖昧さの修正
  一 七〇人訳聖書成立に至る歴史的経緯
  二 用語翻訳の考察
 第3章 ギリシア語──新約聖書:キリスト教徒、ユダヤ教徒、異教徒
  一 λαος(oに鋭アクセント)とℇθνη(ℇに無気記号と鋭アクセント)の用法
  二 小括
  三 補説──パウロにおける兵士としてのキリスト教徒表象
 第4章 ラテン語──ウルガタ訳における「異教徒」
  一 ウルガタ訳聖書の成立
  二 λαος(oに鋭アクセント)からpopulusへ
  三 ℇθνη(ℇに無気記号と鋭アクセント)からgentesへ
  四 gentilesの登場と三?四世紀における用語定着
 第5章 ラテン語内部での変遷
  一 問題の概観
  二 paganus=「田舎者」(前一~後一世紀)
  三 paganus=「文民」(一世紀)
  四 paganus=「集団に属さないもの」(二世紀~)
  五 「異教徒」という意味での最初の用法(四世紀前半)
  六 paganus=「異教徒」の台頭(四世紀後半~五世紀前半)
 第6章 近代語における「異教徒」
  一 近代諸語への翻訳
  二 レヴィナスの用法との関連
 小括
Ⅱ 西欧精神史における異教批判の歴史
 はじめに
 第1章 前史──不道徳な神々の批判と自然神学批判(プラトン)
  一 『国家』(360―400)
  二 『法律』第一〇書
 第2章 聖書にみられる異教批判の基本的議論
  一 偶像と快楽主義
  二 終末論
 第3章 古代護教論
  一 フィロン
  二 アタナシオス
  三 アウグスティヌス
 第4章 護教論の変化と異教概念の形式化
  一 古代以降の護教論の変遷
  二 カント
  三 キルケゴール
 第5章 啓蒙以後の宗教論の変遷と異教概念の変化
  一 偶像崇拝の起源論争
  二 宗教の比較歴史学(宗教の進歩史観)
 第6章 ドイツにおいて再び形而上学化された宗教論における異教
  一 ヘルダー(異教の両義性)
  二 ヘーゲル(異教の「精神」史的意味)
  三 シェリング(ポテンツとしての異教の存在)
 小括
Ⅲ レヴィナスにおける異教概念
 はじめに
 第1章 護教的パガニスム概念の受容?──レヴィナスとマリタン
  一 「ユダヤ人問題」に対するマリタンの立場
  二 ユダヤ人の超自然性を巡るマリタンとレヴィナスの相違
  三 小括──ユダヤ・キリスト教の反パガニスム同盟の綻び
 第2章 了解とは別の仕方で──異教的実存様態の対蹠点
  一 存在への釘付けと情態性
  二 繋縛を開示する情態性
  三 開示から隠蔽への移行
  四 繋縛隠蔽的情態性
  五 小括
 第3章 存在者の文明論的諸様態──ユダヤ、キリスト教西欧、異教
  一 身体との同一性と居心地の悪さ
  二 世界の内在と脱出
  三 超自然対自然
  四 過去による選びの感動と現在優位
  五 小括
 第4章 異教の両義性
  一 異教的存在様態の否定的側面
  二 異教の必然性
 第5章 「パガニスムの危険」の消失と非場所の思想
  一 非場所としての住居の消失
  二 場所なき移民?
 補章 自然法とノアの命法──レヴィナスにおける自然概念(の不在)とその帰結
  一 存在と自然の同一性
  二 ノアの命法
  三 人権の現象学
 小括
 結論
 補論
 あとがき
 参考文献/事項索引/人名索引


★ジョルジョ・アガンベンさん(『アウシュヴィッツの残りのもの』『バートルビー』『瀆神』『思考の潜勢力』著者)
今年1月に『ホモ・サケル』シリーズ第二部第五分冊『神のわざ――聖務の考古学』がトリノの出版社ボラーティ・ボリンギエリより発売になりました。昨年第四部第一分冊が出たばかりなので、二年連続刊行というのは珍しいです。第二部は第三分冊まで出ていましたが、第四分冊は飛ばして、第五分冊が先行したかたちになります。なお、第二部はすべてボラーティから出ています。

Opus Dei: Archeologia dell'ufficio. Homo sacer, II, 5, Torino: Bollati Boringhieri, 2012.

◎アガンベン「ホモ・サケル」シリーズ

第一部:1995年『ホモ・サケル――主権権力と剥き出しの生』(高桑和巳訳、以文社、2003年)
第二部第一分冊:2003年『例外状態』(上村忠男・中村勝己訳、未來社、2007年)
第二部第二分冊:2007年『王国と栄光──オイコノミアと統治の神学的系譜学のために』(高桑和巳訳、青土社、2010年)
第二部第三分冊:2008年『言語の秘蹟――宣誓の考古学』(未訳)
第二部第五分冊:2012年『神のわざ――聖務の考古学』(未訳)
第三部:1998年『アウシュヴィッツの残りのもの――アルシーヴと証人』(上村忠男・廣石正和訳、月曜社、2001年)
第四部第一分冊:2011年『至高の貧しさ――修道院の規律と生の形式』(未訳)

なお、平凡社さんの新シリーズ「イタリア現代思想」の第一回配本、アガンベン『裸性』はいよいよ今月発売のようです。


★大竹弘二さん(ガルシア・デュットマン『友愛と敵対』共訳者、同『思惟の記憶』訳者)
先月8日に発売された太田出版さんの季刊誌『atプラス』11号より、連載「公開性の根源」が開始されました。第1回は「主権vs統治」と題されています。「近代初期(16/17世紀)の政治思想に見られる「主権」と「統治」(あるいは公開性と秘密)の鋭い緊張関係を明らかにすることで、いまや危機を迎えつつある民主主義の統治能力(ガバナビリティ)の再生を目指す試み」であるとのことです。楽しみな連載です。

atプラス――思想と活動(11)帝国としての中国
太田出版 2012年2月 A5変型判並製196頁 ISBN9784778313029


★森山大道さん(写真集『新宿』『新宿+』『大阪+』『NOVEMBRE』『ハワイ』『にっぽん劇場』『何かへの旅』『オンザロード』)
弊社より4月下旬発売予定の最新写真集『カラー』を記念して、以下の個展が行われます。

◎発刊記念個展 森山大道「カラー
日時:2012年5月11日(金)−6月9日(土)
場所:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム(東京・六本木)
内容:2008年から2012年にかけて東京の街をデジタルカメラでおよそ30,000枚撮影した森山は、そのうち厳選された作品191点をまとめた写真集『カラー』を4月下旬に刊行します。この写真集刊行を記念して開催される本展では、印刷原稿プリントによるインスタレーションと、大引き伸ばしプリント数点を展示予定です。これら30,000作品のうち99点は、昨年開催された回顧展「オン・ザ・ロード 森山大道写真展」(国立国際美術館、大阪)の一展示室の壁面すべてを覆い尽くす圧倒的な展示方法で先行発表されました。今後さらなる展開が期待される森山のカラー作品への試みを、この機会にどうぞご高覧下さい。

また、以下の展覧会も1月よりゴールデンウィークまで開催中です。先の話になりますが、ロンドンのテート・モダンでの展覧会情報も添えます。

◎「森山大道 何かへの旅」展
日時:2012年1月21日(土)~5月6日(日)
場所:沖縄県立美術館コレクションギャラリー2

◎「William Klein / Daido Moriyama
会期:2012年10月10日~2013年1月27日
会場:テート・モダン(ロンドン)
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by urag | 2012-03-15 21:55 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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