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2012年 02月 26日

ラプラス『天体力学概論』の訳書が刊行開始

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ラプラスの天体力学論(1)
ピエール=シモン・ラプラス(Pierre-Simon Laplace: 1749-1827)著 竹下貞雄(1933-)訳
大学教育出版 2012年2月 本体3,800円 B5判上製292頁 ISBN978-4-86429-120-0
版元紹介文より:フランスの数学者ピエール=シモン・ラプラスの『天体力学』は5巻16編からなり、1799年から1825年にわたって出版された大著である。本書はそれを完全に日本語訳したものである。第1巻では、ニュートンやケプラーの運動法則を解析的に説明する。

★2月10日発売済。ラプラスの大著『天体力学概論 Traité de mécanique céleste』の訳書が刊行開始になりました。訳書では第1巻では第1部「天体の運動と形状に関する一般理論」のうち、第1編「釣り合いと運動の一般法則」全8章と、第2編「万有引力と天体の重心の運動とに関する法則について」全8章が収められています。原著で1800頁を超える大作なので完訳まで相当時間がかかるように思いますが、まさに快挙というべき第一歩です。B5判という大型本なので、文庫と比べると大きいですね。地球と月がはるか彼方の太陽からの光を受ける美しい図像で飾られた、荘厳な存在感のあるカバーです。

★訳者の竹下貞雄さんは、立命館大学理工学部の教授を長年務められ、著書に『砂の液状化に関する実験的研究』(かもがわ出版、1998年)などがあります。2009年に退職されてからは翻訳業に従事されており、大学教育出版から刊行された訳書には、ジョゼフ・フーリエ『熱の解析的理論』(ガストン・ダルブー編、竹下貞雄訳、大学教育出版、2005年)や、アポッロニオス『円錐曲線論』(ポール・ヴェル・エック仏訳、竹下貞雄和訳、大学教育出版、2009年)があります。地道なお仕事に深い敬意を抱くばかりです。

★ラプラスの翻訳はこれまでに確率論(Essai philosophique sur les probabilités, 1814)が幾度となく訳されてきました。

伊藤徳之助訳『蓋然性の哲学的考察』(岩波書店、1931年)
平野次郎訳『偶然の解析――確率の哲学』(創元社、1950年)
樋口順四郎訳「確率についての哲学的試論」(抄訳、『世界の名著(65)現代の科学(I)』所収、中央公論社、1973年)
伊藤清+樋口順四郎訳・解説『確率論――確率の解析的理論』(共立出版、1986年)、
内井惣七訳『確率の哲学的試論』(岩波文庫、1997年)

★太陽系の起源を説いたいわゆる「カント=ラプラスの星雲説」で参照されるラプラスの著作は、『天体力学概論』の3年前、1796年に刊行された『宇宙体系の解説 Exposition du système du monde』(未訳)で、カントの著作は1755年の『天界の一般自然史と理論 Allgemeine Naturgeschichte und Theorie des Himmels』になります。カントの著作の翻訳には以下があります。

荒木俊馬訳『宇宙論――天界の一般自然誌と理論』(恒星社厚生閣、1952年)
高峯一愚訳「天界の一般自然史と理論」(『カント全集(10)自然の形而上学』所収、理想社、1966年)
宮武昭訳「天界の一般自然史と理論」(『カント全集(2)前批判期論集(II)』(岩波書店、2000年)
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by urag | 2012-02-26 15:28 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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