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2012年 01月 22日

熊野純彦訳『純粋理性批判』全一巻、ついに発売!

純粋理性批判
イマヌエル・カント著 熊野純彦訳
作品社 2012年1月 本体8,000円 A5判上製函入866頁 ISBN978-4-86182-358-9
帯文より:理性の働きとその限界を明確にし、近代哲学の源泉となったカントの主著。厳密な校訂とわかりやすさを両立する待望の新訳。
本文より:ひとが学びうるのは、ただ哲学することのみである。すなわち、理性の才能を、その普遍的原理を遵守しながら、目のまえにある或る種の試行にそくして訓練することだけである。それでもつねに留保されているものがある。そのようなこころみ自身をその源泉について探求し、確証し、あるいは拒否する、理性の権利なのである。

★第三週発売済。底本はマイナー社の哲学文庫版(シュミット版)。中山元訳『純理』全7巻(光文社古典新訳文庫)が完結したのとほぼ同時期の、新訳全一巻本の刊行です。税込8,400円は高い、とお思いになる方もおられるかもしれませんが、光文社古典新訳文庫版を全巻揃えても6,739円はしますし、以文社版単行本全二巻では17,850円、岩波版全集三巻本では定価で買えたとして18,690円です。今回の作品社版がいかに奮闘しているかは一目瞭然で、菊池信義さんの装丁による美麗な函と上製本はまさに「愛蔵版」と呼ぶにふさわしいものです。全一巻というと相当細かい字で詰め込んでいるのだろうな、と思われるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。なにより、原書通りに全一巻で読めるというのは、河出書房新社版(高峯一愚訳)以来絶えていたことなので、非常に嬉しいです。熊野さんはこれまでレーヴィット『共同存在の現象学』や、レヴィナス『全体性と無限』(いずれも岩波文庫)などの訳書を手掛けておられます。翻訳については寡作なほうかもしれませんが、非常に慎重かつ細心の心配りに徹される研究者として、人文業界から信頼の厚い方です。光文社版を読破された方は、今度はこの作品社版でもう一度最初から読み直されると、より理解が深まることでしょう。また、光文社版を読んでいる途中の方も、作品社版を同時に読み比べることによって、思わぬ発見が必ずあるだろうと思います。

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by urag | 2012-01-22 01:08 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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