2012年 01月 12日

本日取次搬入:『政治哲学』、人文書院ブックガイドシリーズより

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政治哲学
伊藤恭彦(1961-)著
人文書院 2012年1月 本体1,800円 4-6判並製200頁 ISBN978-4-409-00108-0 

帯文より:正義とは何か、権力とは何か、「正しさ」と「力」の根源を問う30冊。

★ブックガイドシリーズ「基本の30冊」第8弾。本日取次搬入ですから、明日以後順次店頭発売となるでしょう。一昨年のサンデル・ブームなどを契機に近年ますます注目が高まっている「政治哲学」。本屋さんでは政治の棚にまとめるのか、哲学の棚にまとめるのか、なかなか決めにくい分野ではあります。その基本書を紹介する便利なブックガイドがタイミング良く刊行されました。目次に書誌情報を足したものを以下に転記しておきます。

第1部 政治とは何か――政治・権力・自由
 丸山眞男『政治の世界』岩波書店、1995年
 マキアヴェッリ『君主論』岩波文庫、1998年
 ウェーバー『職業としての政治』岩波文庫、1980年
 フーコー『監獄の誕生』新潮社、1977年
 ミル『自由論』岩波文庫、1971年
 フロム『自由からの逃走』東京創元社、1951年

第2部 政治と規範――正義・善・法
 アリストテレス『ニコマコス倫理学』岩波文庫、1971年
 ロールズ『正義論』紀伊國屋書店、2010年
 サンデル『リベラリズムと正義の限界』勁草書房、2009年
 イェーリング『権利のための闘争』岩波文庫、1982年
 ヌスバウム『感情と法』慶應義塾大学出版会、2010年
 デリダ『法の力』法政大学出版局、1999年

第3部 デモクラシーと政治の場
 ルソー『社会契約論』岩波文庫、1954年
 シュムペーター『資本主義・社会主義・民主主義』東洋経済新報社、1995年
 フィシュキン『人々の声が響き合うとき』早川書房、2011年
 ムフ『政治的なるものの再興』日本経済評論社、1998年
 ミラー『ナショナリティについて』風行社、2007年
 ハーヴェイ『都市と社会的不平等』日本ブリタニカ、1980年

第4部 現代の政治争点――財・アイデンティティ・戦争・環境
 ノジック『アナーキー・国家・ユートピア』木鐸社、1995年
 マーフィー、ネーゲル『税と正義』名古屋大学出版会、2006年
 キムリッカ『多文化時代の市民権』晃洋書房、1998年
 バトラー『ジェンダー・トラブル』青土社、1999年
 ウォルツァー『正しい戦争と不正な戦争』風行社、2008年
 カント『永遠平和のために』岩波文庫、1985年
 シンガー『動物の解放』人文書院、2011年
 キャリコット『地球の洞察』みすず書房、2009年

第5部 国境を越える政治――グローバリゼーションと地球政治の可能性
 キケロー『義務について』岩波書店、1999年
 マルクス『共産党宣言』岩波文庫、1951年
 ベイツ『国際秩序と正義』岩波書店、1989年
 尾崎行雄『わが遺言』尾崎行雄記念財団、2004年

★著者はさらに「はじめに」で三冊の入門書を挙げています。ミラー『政治哲学』(岩波書店、2005年)、スウィフト『政治哲学への招待』(風行社、2011年)、ウルフ『政治哲学入門』(晃洋書房、2000年)。ブックガイドシリーズの続刊予定には、吉村和真+ジャクリーヌ・ベルント編『マンガ・スタディーズ』などがあります。また版元ウェブサイトでは、ジャック・ドンズロ『都市が壊れるとき――郊外の危機に対応できるのはどのような政治』(宇城輝人訳)などが近刊予告に載っています。


狼が連れだって走る月
管啓次郎(1958-)著
河出文庫 2012年1月 本体1,200円 352頁 ISBN978-4-309-41127-9

カバー紹介文より:旅の可能性を考えない定住者は現実を変える力はなく、定住の意味を知らない放浪者は頽廃に沈むだろう――旅の倫理と野生の哲学を探究する詩人思想家の不滅の名著。土地の精霊を先人たちの言葉と彷徨とともに呼び覚ましながら、砂漠と狼たちを讃える輝かしく美しい詩と思考の奇蹟。序文「あの夜の心の旅」よしもとばなな。

★発売済。親本は1994年5月に筑摩書房から刊行されました。昨秋の『コロンブスの犬』に続く、文庫化第二弾です。訳書の文庫化はこれまでにもありましたが、管さん自身の著書の文庫は今のところ河出文庫でしか読めません。序文を書かれたよしもとばななさんは『狼が連れだって走る月』を病院のベッドで読み、「自由の風が心に久々に入ってきた」と回想されています。「旅とはなんだろう、旅では生々しく自分に出会う。自分の体の限界、知識の限界、人生の有限性を思い知る。そのことはちゃんとこの本の中に書いてあった」(11頁)。そして、管さんはこう書いています、「世界とは、さまざまな時間の多層的な流れ、時間どうしの戦いだ。/どの時間を逃れ、どの時間にすべりこむか。/その渡りだけがきみの旅を定義する」(86頁)。本書はまるで旅そのもの。読書はすなわち旅をすること。

★今月発売の河出文庫には、上記書のほかに久生十蘭短篇集『十蘭レトリカ』や、ミルグラム『服従の心理』があります。後者の親本は2008年11月に刊行された山形浩生さんによる新訳。早くも文庫で入手できるようになったのが嬉しいですね。また、河出書房新社さんの今月の単行本には以下のものがあります。

18日発売『図説 錬金術』吉村正和著(ふくろうの本)
20日発売『蜂起とともに愛がはじまる――思想/政治のための32章』廣瀬純著
24日発売『夢の賜物』スーザン・ソンタグ著/木幡和枝訳
26日発売『ナチスの知識人部隊』クリスティアン・アングラオ著/吉田春美訳

廣瀬さんの本は確か「週刊金曜日」誌の連載ですね。ソンタグの小説家デビュー作もいよいよ刊行。楽しみです。
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by urag | 2012-01-12 22:18 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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