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2011年 12月 25日

ベンヤミン『来たるべき哲学のプログラム』が約20年ぶりに新装復刊

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来たるべき哲学のプログラム
ヴァルター・ベンヤミン(1892-1940)著 道籏泰三訳
晶文社 2011年12月 本体2,600円 四六判上製392頁 ISBN978-4-7949-6773-2

帯文より:言語・認識・歴史に対する基本的な考え方が芽生える、最初期遺稿群。変奏され深化してゆく若きベンヤミンの思考の軌跡。ベンヤミン思想の源流。
版元紹介文より:ベンヤミンがフライブルク大学に入学したのは20歳のとき。その後、27歳で博士号を取得するが、教授資格申請論文「ドイツ悲劇の根源」がフランクフルト大学で拒否され、32歳でアカデミズムへの道が閉ざされてしまう。この時期のベンヤミンの論考には、のちの漂浪と亡命の時期のものに比べ、絶対的なものをつかみとろうとする観念論的・形而上学的な傾向がひときわ目立っている。崩壊と構築が同時進行するめくるめく思考のダイナミズム――処女作『若さの形而上学』はじめ、ベンヤミンが20代に書きのこした知られざるエッセイ・断章を集成した必読の書。

目次:

 若さの形而上学
 ヘルダーリンの二つの詩
 来たるべき哲学のプログラム
 歴史劇の問題

 経験と認識
 事象の科学的記述について
 無限の課題(1)
 無限の課題(2)
 知覚の問題について
 志向の諸段階
 知の種類
 個別科学と哲学
 真理と諸真理 認識と諸認識
 認識理論
 認識におけるジンボールの使用
 フンボルト
 言語と論理学
 言葉・名・記号(1)
 言葉・名・記号(2)
 言葉の骸骨(1)
 言葉の骸骨(2)
 謎かけと秘密
 類比性と親縁性
 類似したものについての試論
 悲劇とギリシャ悲劇における言語の意味
 悲劇とギリシャ悲劇
 『オイディプス』あるいは理性の神話
 ソクラテス
 古代の人間の幸福
 中世について
 道徳世界における時間の意味
 後期ロマン派・歴史学派の歴史哲学
 歴史の種類
 神と歴史
 宗教としての資本主義
 神学的・政治的断章
 アゲシラウス・サンタンデル
訳者解説 若きベンヤミンの思考の軌跡
新装再版にあたって

★初版(写真左)は1992年12月刊。このたび約20年ぶりに新装復刊(写真右)されました。もうそんなに時間が経っていたのかとびっくりします。本書は訳者の道籏泰三さんが「ベンヤミンの初期遺稿群のなかから認識論・言語哲学・歴史哲学にかかわるものを独自に編纂」(「新装再版にあたって」より)したもので、「ベンヤミンの二十歳代のころの〔…〕論考」であり、「いずれも生前には印刷されなかった遺稿ばかりで、翻訳の底本として用いたのは、ほとんどが、ズーアカンプ版ベンヤミン全集(Walter Benjamin: Gesammelte Schriften, 7 Bände, herausggegeben von Rolf Tiedemann und Hermann Schweppenhäuser. Suhrkamp Verlag, 1972-1989)の第II・1巻に「形而上学的・歴史哲学的研究」として分類されている比較的完結した論文類と、第VI巻に「言語哲学・認識批判」ならびに「歴史哲学・歴史学・政治学」として分類されている断片群」(「訳者解説」より)です。

★晶文社さんでこれまで刊行されてきたヴァルター・ベンヤミンの著書は以下の通りです。うち、在庫のあるものは◎、在庫僅少は▲で示します。在庫僅少本はこちらでチェックできます。

ヴァルター・ベンヤミン著作集 全15巻
『(1)暴力批判論』高原宏平+野村修編、1969年。
『(2)複製技術時代における芸術作品』佐々木基一編、1970年/晶文社クラシックス版1999年、定価1995円◎
『(3)言語と社会』久野収+佐藤康彦編、1981年。
『(4)ドイツ・ロマン主義』大峯顕+高木久雄編、1970年。
『(5)ゲーテ 親和力』高木久雄編、1972年、定価1631円▲
『(6)ボードレール』川村二郎+野村修編、1970年/新編増補版1975年。
『(7)文学の危機』高木久雄編、1969年、定価1733円▲
『(8)シュルレアリスム』針生一郎編、1981年、定価1631円▲
『(9)ブレヒト』石黒英男編、1971年、定価1937円▲
『(10)一方通交路』幅健志+山本雅昭編、1979年。
『(11)都市の肖像』川村二郎編、1975年。
『(12)ベルリンの幼年時代』小寺昭次郎編、1971年。
『(13)新しい天使』野村修編、1979年。
『(14)書簡集 I 1910-1923』野村修編、1975年。
『(15)書簡集 II 1929-1940』野村修編、1972年。

単行本
『教育としての遊び』丘沢静也訳、1981年。
『モスクワの冬』藤川芳朗訳、1982年。
『ドイツの人びと』丘沢静也訳、1984年。
『子どものための文化史』小寺昭次郎+野村修訳、1988年(→平凡社ライブラリー版、2008年)
『陶酔論』飯吉光夫訳、1992年、定価2548円▲
『来たるべき哲学のプログラム』道籏泰三訳、1992年初版/2011年新装版、定価2730円◎
『ベンヤミン/アドルノ往復書簡1928-1940』ヘンリ・ローニツ編、野村修訳、1996年。

★晶文社さんが日本におけるベンヤミン受容史において、決定的な役割を果たされてきたことは疑いようがありません。現在品切になっているものも再編集で合本していいものはして、再刊してくださるといいですね。なお、ちくま学芸文庫の『ベンヤミン・コレクション』は昨年まで5巻が刊行されていますが、第6巻「断片の運動」が続刊予定であると聞いています。
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by urag | 2011-12-25 21:22 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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