2011年 07月 11日

弊社出版物の著者や訳者の方々の最近の御活躍

★廣瀬純さん(『闘争のアサンブレア』共著者、ヴィルノ『マルチチュードの文法』訳者、ネグリ『芸術とマルチチュード』共訳者)

来週木曜日21日の夜に以下のトークイベントが京都で行われます。

◎廣瀬純「BIGGER THAN LIFE----原発から蜂起へ

講師:廣瀬純
日程:2011年7月21日(木)19:30~21:30
場所:Social Kitchen(京都市上京区相国寺北門前町699 Social Kitchen/地下鉄「鞍馬口」徒歩5分)
料金:1,500円(定員:30名)
参加方法:お申し込みを希望される方は、info@hanareproject.netまで、氏名、連絡先を記載してメールをお送りください。メール受信後確認メールをお送りいたします。
問い合わせ:info@hanareproject.net/075-201-1430

企画:須川咲子(hanare)

内容:原発事故は「起きた」のではない、いまもなお「起きている」。原発事故と地震や津波との違いはここにある。いつまで「起きている」ことになるのか。半減期云々を考えても、ほとんど永久に「起きている」ことになるだろう。それではいつから「起きている」のか。3月11日から?そうではない。少なくとも原発が始動してからずっと「起きている」。原発とは事故の制御に存する発電なのだ。この「制御」という語が原発とその時代を考えるための鍵となる。「制御」はまず「解決」から区別されなければならない。原発もその事故も問題を解決することでは微塵もないのだから。原発とその時代において賭け金となるのはつねに未解決にとどまる問題を制御するということだ。人間が自分自身を動力源としてその力を最大限に発揮するという時代は終わりつつある。人間に先立って存在し、人間よりも大きな力、bigger than lifeな力を制御する時代が到来している。サーフィンと原発とが完全に同時期に普及したのは偶然ではない。我々が生きるのはもはや革命の時代ではない。問題を解決するのではなくそれとして生きる時代、蜂起の時代を生きているのだ。

※本レクチャー関連書『思想としての3・11』(河出書房新社)が発売中です。


★今福龍太さん(『ブラジルのホモ・ルーデンス』著者)

みすず書房さんの月刊誌『みすず』での連載が以下の本にまとまりました。7月8日取次搬入。

レヴィ=ストロース 夜と音楽
今福龍太(1955-)著
みすず書房 2011年7月 本体2,800円 四六判上製256頁 ISBN978-4-622-07599-8

裏表紙紹介文より:レヴィ=ストロースとは何者か。その思想の核心は何か。20世紀の知を牽引し、100年を生き抜いた碩学が遺した思惟の森は途方もなく深い。そしてその仕事は、来るべき思考として、私たちの前にそっと差し出された贈り物だ。/著者は音楽的書物といわれる『神話論理』のスタイルに倣い、鬱蒼とした森から響く音に耳を澄ませて、核心に遭遇しようと旅に出る。/最初で最後のフィールドであるブラジルの森の記憶、土器のかけらの感触、民族学が本質的にもつ苦さ、目眩めく日没の光景、ナンビクワラの猿、森と鳥の秩序、神話の時間、大地と人間…。『悲しき熱帯』『神話論理』を導きの糸に、レヴィ=ストロースの思考の種子が生き生きと芽吹き、自在に展開していく。さらに同時代人シモーヌ・ヴェイユやシュルレアリストとの関わりなど、生きた時代の背景が明らかにされる。

目次:
リトルネッロ――羽撃く夜の鳥たち
第一章 ジェネレーション遠望
第二章 サウダージの回帰線
第三章 かわゆらしいもの、あるいはリオの亡霊
第四章 夜と音楽
第五章 ドン・キホーテとアンチゴネー
第六章 野生の調教師
第七章 ヴァニタスの光芒
第八章 人間の大地
カデンツァ――蟻塚の教え
書誌
図版出典
あとがき


★渡名喜庸哲さん(サラ-モランス『ソドム』共訳者)

ブーレッツの大著『20世紀ユダヤ思想家』の共訳を第1巻に続き第2巻でも手がけられています。7月8日取次搬入。

20世紀ユダヤ思想家――来るべきものの証人たち(2)
ピエール・ブーレッツ(1958-)著 合田正人・渡名喜庸哲・藤岡俊博訳 
みすず書房 2011年7月 本体6,800円 A5判上製376頁 ISBN978-4-622-07581-3

裏表紙紹介文より:ユダヤ教と現代思想――20世紀、この両者の深淵で繰り広げられた知的格闘を、思想家ひとりひとりを光源として、詳細かつ重層的に描き出したシリーズの第2巻。/「ショーレムの作品の力は、壮大な構造を描くとともに、それらを細密画で満たし、垣間見られたことのない諸起源を暴くとともに、十分に感知されていない出口を捉え、さらには歴史に一つの論理を課すことなく弁証法を実践するすべを心得ている点に、起因している」/「ブーバーは、自分の同時代人たちのなかで、世界史およびユダヤ人世界を区切る三つの大きな時期を成人として、そして特権的な証人として体験したただ一人の者である」/「ブロッホの書いたものを読むと「たとえマルクス主義の庭で掠めとられてしまうにせよ、智慧の木から疑いなく生まれた」果実をいくつも発見する」/ショーレム、ブーバー、ブロッホにおける、信仰と理性の融和と対立のダイナミズムを丹念にたどった精神史。/1巻では、ヘルマン・コーエン、フランツ・ローゼンツヴァイク、ヴァルター・ベンヤミン。3巻では、レオ・シュトラウス、ハンス・ヨナス、エマニュエル・レヴィナスが論じられる。

目次:
第4章 ゲルショム・ショーレム――認識と修復とのあいだの〈伝統〉
 ベルリンからエルサレムへ
 霧の壁を突破すること
 ユダヤ的魂の隠れた住処
 メシアニズムの弁証法 ユダヤの歴史の書き方
 カバラーとその諸年代
 〈創造〉の追放
 猶予期間の生
第5章 マルティン・ブーバー――神の死の時代におけるヒューマニズム
 ツェーレンドルフの義人
 マルティン・ブーバーのユダヤ教 亡命の下に架かる橋
 〈聖典〉を翻訳すること
 自分がいる所――ハシディズムの道
 出会いの〈汝〉あるいは対話における生
 この時代遅れのシオニズム
 神の栄光と宗教の精神
第6章 エルンスト・ブロッホ――期待の解釈学
 ヴァルター・ベンヤミンの生き残りの兄弟?
 マルクスとともに、マルクスに抗して 弁証法を人間的なものにすること
 ヘーゲルによる世界との時期尚早の和解
 カントとともに――構築不可能な問いの形式
 音楽と超感性的世界の力
 シェーンベルク、モーセ、そして表現しえぬものの輪郭
 驚きと待機 いかなる目も見たことがない世界


◆なお、みすず書房さんの近刊には以下の注目書もあります。『ランボー全集』がすごいですね。全集はこれまでに人文書院や雪華社、青土社などで刊行され、さらに「全詩集」がちくま文庫や河出文庫で手に入りますが、いまなおランボーは愛好者を惹きつけて止まないのですね。

8月10日発行予定:『ランボー全集』アルチュール・ランボー著、鈴村和成訳、A5判584頁、本体6,000円、ISBN978-4-622-07612-4
8月23日発行予定:『古代ローマ生活事典』カール=ヴィルヘルム・ヴェーバー著、小竹澄栄訳、A5判592頁、本体20,000円、ISBN978-4-622-07611-7
9月21日発行予定:『ゴシックの本質』ジョン・ラスキン著、川端康雄訳、四六判176頁、本体2,400円、ISBN978-4-622-07635-3
9月21日発行予定:『フェミニズム政治思想』岡野八代著、四六判304頁、本体3,000円、ISBN978-4-622-07639-1

◆また、同社では、ユングの没後50年を記念して、先月以下の2点を復刊されました。みすず書房さん、人文書院さん、創元社さん、誠信書房さんの四社共同で先月には「カール・グスタフ・ユング没後50年&ユング心理学の第一人者・河合隼雄」ブックフェアが全国で開催されていましたね。一部書店さんではまだフェアを展開中の店舗もあるようです。開催店舗一覧はこちら

タイプ論』カール・グスタフ・ユング著、林道義訳、A5判656頁、本体8,400円、ISBN4-622-02197-8、1987年5月7日初版発行。
転移の心理学【新装版】』カール・グスタフ・ユング著、林道義・磯上恵子訳、四六判320頁、本体2,800円、ISBN4-622-04987-2、2000年10月10日初版発行。

◆『タイプ論』(Psychologische Typen)は、人文書院さんの「ユング・コレクション」からも『心理学的類型』2巻本として翻訳が出ていますが、残念ながら品切。抄訳では、中公の『世界の名著』のユング/フロムの巻(函入は続14巻、中公バックスでは76巻)に吉村博次訳『心理学的類型』(1974/1979年)、日本教文社版『ユング著作集』第1巻の高橋義孝訳『人間のタイプ』(1970年)などがありました。ご参考までに、人文書院版「ユング・コレクション」の既刊書および未刊書について以下に列記します。

(1)『心理学的類型 I 』佐藤正樹訳、1986年6月
(2)『心理学的類型 II 』高橋義孝ほか訳、1987年7月
(3)『心理学と宗教』 村本詔司訳、1989年4月
(4)『アイオーン』マリー=ルイーズ・フォン・フランツ著共著、野田倬訳、1990年11月
(5)『結合の神秘 I 』池田紘一訳、1995年8月
(6)『結合の神秘 II 』池田紘一訳、2000年5月
(7)『診断学的連想研究』高尾浩幸訳、1993年1月
(8)『子どもの夢 I 』氏原寛ほか訳、1992年3月
(9)『子どもの夢 II 』氏原寛ほか訳、1992年7月
(10)『ツァラトゥストラ I 』、未刊
(11)『ツァラトゥストラ II 』、未刊
(12)『ツァラトゥストラ III 』、未刊
(13)『夢分析 I 』入江良平訳、2001年6月
(14)『夢分析 II 』入江良平・細井直子訳、2002年6月
(15)『分析心理学』、未刊

『夢分析 I 』では、帯に15巻までの一覧がだいたい記載されていましたが、最新刊の『夢分析 II 』以降は一覧は載っていません。続刊予定が中絶したのかと気をもみたくなるところかもしれません。未刊はニーチェ『ツァラトゥストラ』についての講義録と、『分析心理学』です。刊行が待ち遠しいですね。前者の関連書には、ユング研究家の林道義さんの著書『ツァラトゥストラの深層』(朝日出版社、1979年)がありました※。後者は、いわゆるタヴィストック・レクチャー『分析心理学の基礎について』(Über Grundlagen der analytischen Psychologie: Die Tavistock Lectures 1935)のことだとしたら、既訳に『分析心理学』(小川捷之訳、みすず書房、1976年)があります※※。ヴァルター版ユング全集には第7巻『分析心理学についての二論文』(Zwei Schriften über analytische Psychologie)というのがあり、Über die Psychologie des UnbewusstenとDie Beziehungen zwischen dem Ich und dem Unbewußtenの二篇が収録されていますが、前者は『無意識の心理』(高橋義孝訳、人文書院、1977年;新潮社、1956年〔『人生の午後三時』〕)として、後者は『自我と無意識』(松代洋一・渡辺学訳、レグルス文庫〔第三文明社〕、1995年;思索社、1984年)もしくは『自我と無意識の関係』(野田倬訳、人文書院、1982年)として訳されています。

※本書はユング「ツァラトゥツトラ講義」の読解本ではなく、ユング心理学を援用した林さんの「ツァラトゥストラ読解」です。
※※より正確に言えば、みすず版は68年刊の英語版『分析心理学――その理論と実践』(Analytical Psychology: its theory and Practice. The Tavistock Lectures)の翻訳であり、翌69年に出版されたドイツ語版(『分析心理学の基礎について』)を、「〔英語版が〕意味不明のところのみ・・・参考にした」(訳者あとがき、291頁)となっています。
[PR]

by urag | 2011-07-11 13:46 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://urag.exblog.jp/tb/13060320
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< 本日発売「週刊新潮」に福田和也...      人文書宣言×ピクウィック・クラ... >>