2011年 06月 29日

近日発売:『VOL05:エピステモロジー――知の未来のために』以文社

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VOL 05「特集=エピステモロジー——知の未来のために」
VOL Collective:編 金森修・近藤和敬・森元斎:責任編集
以文社 2011年6月 本体2,400円 A5判並製280頁 ISBN978-4-7531-0289-1

帯文+カバーコピーより:真理は自然に内在する。新たな現実からの予測不可能な問いに実を捧げ、次代の知の探求へ、そしてエピステモロジーの冒険へ! 知のテクノクラート化のもとで失われた〈概念の哲学〉を再びこの手に――思想誌『VOL』の第5弾! シニシズムの時代からの訣別のために。

目次:
1 宣言/問題提起
近藤和敬&森 元斎「来たるべきエピステモロジー」
近藤和敬「カヴァイエスの問題論的観点からみた科学的構造の生成——来るべきエピステモロジーのために」

2 真理論
中村大介「問題としてのイデアと一なる〈宇宙〉——アルベール・ロトマンのハイデガー読解」
原田雅樹「数学と哲学における操作、対象、経験——フッサールのノエシス‐ノエマ相関とグランジェの操作‐対象双対」
ジャン=トゥサン・ドゥサンティ(中村大介訳、解題)「エピステモロジーとその身分」

3 経験論
ガストン・バシュラール(森 元斎訳、解題)「相対論概念の哲学的弁証論」
三宅岳史「カオス研究前史と決定論をめぐる論争——初期値鋭敏性と特異点に関する哲学的考察」
森元斎「経験の雫——経験論的エピステモロジーを展開するために」

4 主体論
ステリン・ローラン「シモンドンにおける存在の問いとしての個体発生」
パスカル・ジロ(近藤和敬訳、解題)「科学とイデオロギーのあいだ——ルイ・アルチュセールと主体の問い」
アラン・バディウ(松本潤一郎訳、解題)「ジャン=ポール・サルトル(1905 -1980)」

5.社会論
金森修「エピステモロジーに政治性はあるのか?」
西迫大祐「フーコー、ベルヌーイ、ダランベール——天然痘の予防とリスクについて」
ブルーノ・ラトゥール(村澤真保呂訳、解題)「〈社会的なもの〉の終焉——アクターネットワーク理論とガブリエル・タルド」

6.鼎談
小泉義之/米虫正巳/檜垣立哉「ドゥルーズ哲学をエピステモロジーとして読む」

執筆者・訳者一覧

★本日29日取次搬入の新刊です。店頭発売は早くて明日以降になります。『VOL』はこれまで1~3号までB5変形判、4号がB6変形判でした。今回はその中間で、デザインにも変化があります。これからまた新たなフェーズに突入していく未来を感じさせ、常に新しい地平を目指す同誌の挑戦的な姿勢が伺えます。とはいえ、未来により近い「新しさ」だけが『VOL』なのではなく、現代の知の系譜をきっちり系統的に押さえていく今回の「エピステモロジー」特集のような、過去と向き合うことによって得られる展望をも持ち合わせているのが魅力なのですね。

★「過去と向き合う」というと後ろ向きのように聞こえるかもしれませんが、まったくそうではありません。偶然この数日間続けて同じ姿勢を打ち出すかたちになっていますけれど、〈歴史の天使〉は行く手に背を向け、来し方からの風を翼に孕ませて未来へと進むのです。それはあたかも後ずさりしているかのように見えます。しかしそれでも未来に向かって進んでいるのです。天使はカタストロフを見ているとベンヤミンは言いました(「歴史の概念について」)。私たちはこう言わねばなりません、たとえ過去が廃墟のように見えても、その崩壊と塵埃との中から時はまさに紡がれていくのだと。フランス現代思想の基礎は哲学史家とエピステモロジストたちの地道な研究と教育によってつくられてきた、と私は思っています。歴史の泉から自らの手で汲み上げたもののみが未来への扉となります。

★ベンヤミンはこうも言いました、「真のアクチュアリティを手に入れようとする以上、はかなさは当然の、正当な報いなのだ〔…〕タルムードの伝えるところによれば、天使は――毎瞬に新しく無数の群れをなして――創出され、神の前で賛歌を歌い終えると、存在をやめて無の中へ溶けこんでゆく。そのようなアクチュアリティこそが唯一の真実のものなのである」(「雑誌『新しい天使』の予告」より)。なるほど、それ(はかなさ、エフェメールであること)は雑誌の運命でもあると同時に、出版人の、書き手の運命でもあります。ひとつだけ付け加えるならば、天使は無へと溶けこんで消える前に痕跡を残すのだ、ということです。痕跡あるいは灰によって私たちは天使が歌った歌の幻、あるいは亡霊の声を聞き取ることができるかもしれません。その(声の転生の)チャンスに賭けることこそ、現在をつかむ方途なのでしょう。

★責任編集を担当されている近藤和敬さんの論考の注にある通り、弊社では近藤さんの著書『カヴァイエス研究』近藤さんによるカヴァイエスの訳書『科学的構造の生成――論理学と学知の理論について』をシリーズ「古典転生」より刊行予定です。

★VOLバックナンバー
VOL 04:特集「都市への権利/モビライゼーション」(2010年4月)
VOL extra「金融恐慌からコモンズへ――資本主義の現在的批判のために」(2009年11月)
VOL lexicon (2009年7月)
VOL 03:特集「反資本主義/アート」(2008年6月)
VOL 02:特集「ベーシック・インカム/ドゥルーズ『シネマ』」(2007年4月)
VOL 01:特集「政治とはなにか/アヴァン・ガーデニング」(2006年5月)
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by urag | 2011-06-29 22:48 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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