2011年 05月 02日

弊社出版物の著者や訳者の方々の最近の御活躍

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◎G・C・スピヴァクさん(『ポストコロニアル理性批判』著者)

◆講演録『ナショナリズムと想像力』が青土社より刊行

ナショナリズムと想像力
ガヤトリ・C・スピヴァク(1942-)著 鈴木英明訳
青土社 2011年4月 本体1,600円 四六判並製102頁 ISBN978-4-7917-6602-4

帯文より:「私にとっての最初の記憶、女たちの歌声と街角の喧騒」。ポストコロニアリズムとフェミニズムの交差点から、国際社会の文化政治学へ理論的に介入し続けるスピヴァク。母国インドの解放・独立に沸く幼年時の高揚した記憶をもとに、難解とされるサバルタン理論構築の源泉と現場をやさしく語る。最良のサバルタン理論入門。

原書:Nationalism and the Imagination, Seagull Books, 2010.

★ソフィア大学(ブルガリア)の高等研究センターで行われた講演と質疑応答の記録です。短いながらも、スピヴァクさんの半生と研究課題を端的に説明しており、帯文にあるように、入門編としては確かに手頃だと思います。書籍として刊行されたのは昨年(2010年)ですが、もともとはいつの講演だったかということが特記されていないので老婆心ながら付言すると、2006年5月12日にCAS(the Centre for Advanced Study Sofia:ソフィア大学高等研究センター)で行われたものです。CASではゲスト・レクチャー・シリーズという連続招聘講演会を定期的に行っていて、12日にはドイツの法制史学者ハンス・ハッテンハウアー(1931-)とスピヴァクさんが講演しています。スピヴァクさんは今回翻訳された「ナショナリズムと想像力」と題する講演に加え、「ポスト植民地主義とポスト社会主義〔Post-Colonialism and Post-socialism〕」という講演も行っています。「ナショナリズムと想像力」についてのレポートがCASのニューズレターに載っており、PDFで読むことができます。キリル文字表記のブルガリア語ではなく英語で書かれています。


◎大谷能生さん(『貧しい音楽』著者)、今福龍太さん(『ブラジルのホモ・ルーデンス』著者)

◆書き下ろしエッセイを掲載した『DU 2001 spring/summer』が発売

大谷能生「セルジュ・ゲンズブール――“大衆〔マイナー〕芸術”時代の英雄」映画欄、58-61頁
今福龍太「群島音楽巡礼(1)アイルランド」旅行欄、66-68頁

DU〔ディー・ユー〕 2001 Spring/Summer
株式会社ディスクユニオン 2011年4月25日発売 本体500円 A5判並製144頁 ISBN978-4-925064-39-2

★ディスクユニオン営業部の案内文によれば「DU」は、「従来のCD・レコード通販カタログ「ディスクユニオン・カタログブック」をリニューアル」したもの、とのこと。前半80頁はすべて読み物で、後半60頁がカタログ。前半の内容は多彩で、シンプルな表紙デザイン(戸塚泰雄さんによる)から想像できないくらいかなりの労力が割かれています。概要はこちらこちらをご覧ください。以下には前半部の目次を転記しておきます。

MUSICx
LYRIC 前野健太 新作「いま、歌うとは」
DESIGN 横尾忠則、音楽の封印と解放
RADIO 「文化系トークラジオLife」の“音楽” 鈴木謙介×速水健朗×仲俣暁生×斎藤哲也
DISASTER 宇川直宏×磯部涼 東日本大震災後のDOMMUNE緊急配信
BOOK 読書のススメ 中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)の12冊
BOOK 音楽の本屋book unionあらわる。 文=内沼晋太郎
BOOK ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』を流れる音楽 青山南
COMIC 「あいこい」 画=全ポ連(大橋裕之・小田島等・箕浦建太郎)
BAR 会話がはずむ、音のある店。 ウラニワ/ニューポート/MUSIC BAR道
PARK 集う、読む、ラップする。 CAMPCYPHER
CM CMと音楽のいい関係 文=永見浩之
REVOLUTION 音楽は予言する RLL
CINEMA セルジュ・ゲンズブール 文=大谷能生
ART Sence og Wonderという磁場
FASHION THEATRE MUSICA 阿部海太郎×金森香×山崎真央×蓮沼執太
TRAVEL 群島音楽巡礼 第1回 アイルランド 文=今福龍太
BAG CARTNET / master-piece model=Chocolat&Akito
STORY 山本精一「ベクトル一家」
PEOPLE Live/Vive 写真=かくたみほ

★MUSICxというのは、「音楽と~」を意味していて、ほにゃらら(~)にあたる部分がLYRICからPEOPLEまであるわけです。「あらゆるカルチャーとクロスする音楽の可能性をさまざまな切り口で紹介」というのが企画意図。なお、当ブログをご高覧いただいている皆様はすでにご存知のことと思いますが、ディスクユニオンさんは先月(2011年4月9日)に「お茶の水駅前店」の書籍コーナーを「bookunion〔ブックユニオン〕」としてリニューアルオープンさせ、同時にオンラインサイトdiskunion.netの音楽書籍コーナーも同名の「bookunion」として大幅リニューアルしています。前者(リアル店舗)では新刊のみならず古書もあわせて、常時1万冊以上を在庫しているとのこと。気合入ってますね。プロデュースしたのはかのブックコーディネーターの内沼晋太郎さん。なるほどね。ブックユニオンでは現在、このゴールデン・ウィーク中に、稀少本・絶版本のセール第二弾を開催しているそうですよ!


◎川田喜久治さん(写真集『地図』)

◆作品展「日光‐寓話」をPGIにて開催、レクチャーやトークショーもあり

川田喜久治作品展「日光 - 寓話 NIKKO -A Parable

日時:2011年5月10日(火)−6月25日(土)
会場:PGI(フォト・ギャラリー・インターナショナル)東京都港区芝浦4-12-32
電話:03-3455-7827

★なお、2011年4月16日から7月3日まで東京都庭園美術館で開催中の「森と芸術」展にも、川田さんの作品シリーズ『聖なる森-Parco dei Mostri』から約20点出展されています(図録は平凡社さんより刊行)。さらに川田さんは今般「2011年日本写真協会賞」の作家賞部門で受賞され、同賞の受賞作品展(2011年5月27日から6月2日まで東京ミッドタウンの富士フイルムフォトサロン)で川田さんの作品が展示されています。

★PGIでの上記の作品展に連動して、以下の通りレクチャーとトークショーが行われます。


川田喜久治×前田恭二(読売新聞文化部) スライド・レクチャー

日時:2011年5月28日(土) 16:00~18:00
会場:フォト・ギャラリー・インターナショナル
定員:25名
参加費:2,000円(当日お支払いください)
申込先:fax. 03-3455-8143 mail. info@pgi.ac


川田喜久治×北野謙(写真家) トークショー

日時:2011年6月18日(土) 16:00~18:00
会場:フォト・ギャラリー・インターナショナル
定員:25名
参加費:2,000円(当日お支払いください)
申込先:fax. 03-3455-8143 mail. info@pgi.ac

内容:写真批評家福島辰夫氏の写真論集の発売を記念し、時代の当事者である川田喜久治・VIVOの世界に迫ります。当日は写真論集の編集を担当した写真家の北野謙氏が進行致します。ゲストには著者の福島辰夫氏をお迎えする予定です。

★写真評論家の重鎮である福島辰夫さんの近刊書の詳細は未詳です。北野さんのブログ「日記」2011年3月28日付のエントリーには「さまざまな事情で遅れている福島辰夫さんの本も少しでも進めたい。自分自身の時間を1年と区切って、膨大なエネルギーをこの本に費やしてしてきた。(既に1年半を越えているが。)なんとしてもこの春に形にして、世界に置きたい。今日は久々にその打ち合わせ」と書いてありました。川田さんと北野さんのトークショーの内容から推察するに、福島さんがかつて「写真装置」誌(写真装置舎、1980-1986年、1~12号)に連載していた「VIVOの時代」が書籍化されるのでしょうか。


◎福島勲さん(月曜社ウェブサイト「ブランショ追悼」寄稿者)

◆著書『バタイユと文学空間』が水声社より刊行

バタイユと文学空間
福島勲(1970-)著
水声社 2011年4月 本体3,000円 46判上製208頁 ISBN978-4-89176-829-4

帯文より:バタイユが夢みた、新たなる文学/社会。動乱の時代を生きた思想家バタイユは、文学にどのような可能性をみていたのか。他者との不可能な交流の場としての文学という視点で、バタイユの文学観を明るみだし、新たなコミュニケーションの形態を提示する試み。

目次:
はじめに
序章 『文学と悪』(一九五七年)
第一章 陰画の文学
第二章 不一致の一致
第三章 『友愛』(一九四〇年)
第四章 『内的体験』(一九四三年)
終章 ある「私の死」への追悼の試み

あとがき

★弊社ウェブサイトのブランショ追悼ページ(ブランショ『問われる知識人』の単品ページにリンクがはってあります)に福島さんが寄稿して下さった「ある「私の死」への追悼の試み」(2003年3月12日)と、『文学』誌2011年1/2月号に寄稿された「陰画の文学――バタイユのジュネ論から」を含む、書き下ろしの著書です。福島さん、その節はお世話になりました! 福島さんは先月、北九州市立大学文学部比較文学科の准教授に就任されています。
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by urag | 2011-05-02 23:00 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
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