2011年 03月 06日

弊社出版物の著者や訳者の方々の最近の御活躍

★郷原佳以さん(『ブランショ政治論集』共訳者)

文学のミニマル・イメージ――モーリス・ブランショ論
郷原佳以(ごうはら・かい:1975-)著
左右社 2011年2月 本体3,800円 A5判上製313+56頁 ISBN978-4-903500-49-2

版元案内文より:20世紀、文学という芸術の本質について、最も徹底的な思索を重ねたモーリス・ブランショ。その最深部にはいかなる逆説が潜んでいるのか? デリダ、ディディ=ユベルマンらのイメージをめぐる哲学を視野に、詳細にブランショの文学概念をたどり、現代文学研究の到達点を示す。フランス文学研究の新たな才能・郷原佳以の誕生を告げる1冊!

湯浅博雄氏推薦文:現代において文学・芸術に賭けられているものの逆説的な意味を、ブランショほど深く、徹底して、本質的に考え抜いた文学者はいない。本書を繙く読者は、たとえばイメージの「始原的な二重化」、「イメージの〈イリヤ〉」、「言語によってしか現れないが、けっして言語によって名づけられないもの」、「逆説的なオブジェ」、等々、奥行きの深い言い回しをたどりつつ、ブランショの驚嘆すべき文学論・言語論の深部に「魅惑」としてのイメージ論が潜んでいることに思い至る。ブランショの試行を照らす、この比類ない光が、読むことの快感さえもたらすだろう。

◆詳細目次は上記リンク先でご覧になれます。パリ第七大学に提出されたフランス語の博士論文を翻訳しさらに改訂した、郷原さんのデビュー作です。指導教官はブランショ研究の第一人者クリストフ・ビダン(Christophe Bident, 1962-)。彼のもとでブランショの全テクストを発表順に隅から隅まで精読した成果が本書です。緻密かつ濃密な素晴らしい本です。弊社刊『ブランショ政治論集』に収録されている郷原さんの論文「証言――記憶しえないものを忘れないこと」と併せて読まれることをお薦めします。

◆本書は左右社さんの「流動する人文学」シリーズの1冊で、瀟洒な装幀は清岡秀哉さんによるもの。本文の組版もたいへん美しく、内容・造本ともに昨今の人文書の中でもっとも洗練されたお手本となる一書であることは間違いありません。


★大橋完太郎さん(『表象』編集委員)

ディドロの唯物論――群れと変容の哲学
大橋完太郎(おおはし・かんたろう:1973-)著
法政大学出版局 2011年02月 本体6,500円 A5判上製460頁 ISBN978-4-588-15063-0

帯文より:神もなく、弁証法的統一もない物質世界のうちに、不定形で「怪物的な」自然の秩序を発見したディドロ。百科全書的体系知の根底にうごめく「奇形」への眼差し、同時代の化学や生理学にもとづくラディカルな自然史的認識はいかに形成されたのか。その著作群への鋭利で精密な分析を通じて、唯物論的一元論者としてのディドロのアクチュアリティを示し、従来の哲学者像を大きく書き換える力作。

◆詳細目次は上記リンク先でご覧になれます。東大に提出された博士論文に「最低限の修正を加え」(「あとがき」)た、大橋さんのデビュー作になります。主査は小林康夫さん。大橋さんのご専門は「思想史・表象文化論」です。フランス哲学は古典から現代思想まで広く研究されており、アンソロジー『ディスポジション――配置としての世界』(柳澤田実編、現代企画室、2008年6月)に、論文「心身の再配置のために――デカルト哲学に見る意志の発生と権能」を寄稿されています。『ラモーの甥』や『ダランベールの夢』をはじめとするディドロの著作群に深く分け入り、その哲学的可能性を再発見されています。ちなみに『ディドロ著作集』の版元も法政大学出版局ですね。

◆今回の単独著の装丁は、『ディスポジション』と同じく、東京ピストルの加藤賢策さんによるもの。加藤さんは弊社発売の『表象』誌の造本を手がけるデザイナーでもあります。最近ではマクルーハン+フィオーレ『メディアはマッサージである』(河出書房新社、2010年12月)の新装版も加藤さんによるもの。大橋さんの『ディドロの唯物論』では深いブルーのカバーに銀箔の文字、カバーの大半を覆う幅広の、銀色の水玉模様の帯など、今までの法政大学出版局さんではお目にかからなかったタイプのデザインで、書店員さんの評判も上々と聞いています。

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by urag | 2011-03-06 00:35 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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