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2018年 12月 31日

月曜社最新情報まとめ(ブログの最新エントリーは当記事の次からです)

◆公式ウェブサイト・オリジナルコンテンツ
◎2011年6月28日~:ルソー「化学教程」翻訳プロジェクト。

◆最新刊と近刊

◎2017年6月2日取次搬入予定:荒木経惟『私情写真論』本体1,500円

◎2017年5月31日取次搬入予定:ソシュール『伝説・神話研究』本体3,400円、シリーズ・古典転生第15回配本。

◎2017年5月15日発売:金澤忠信『ソシュールの政治的言説』本体3,000円、シリーズ・古典転生第14回配本。

◎2017年5月12日発売:『鉄砲百合の射程距離』内田美紗[句]、森山大道[写真]、大竹昭子[編]、本体2,500円

◎2017年4月17日発売:『表象11:ポスト精神分析的主体の表象』本体2,000円。

◎2017年3月30日発売:上野俊哉『[増補新版]アーバン・トライバル・スタディーズ』本体3,000円。

◎2017年2月16日発売:松江泰治『Hashima』本体3,600円。
書評1⇒無記名氏(『CANON PHOTO CIRCLE』2017年4月号「今月の新刊」欄)
書評2⇒無記名氏(「信濃毎日新聞」2017年3月26日(日)付「読書欄」)

◎2017年2月10日発売:佐野方美『SLASH』本体4,000円。
書評1⇒『アサヒカメラ』2017年4月号「TOPICS/BOOK」欄「写真に封じ込められた一瞬の集積――時代の空気を写しとめた新作写真集を読む」(解説=山内宏泰、聞き手=池谷修一)

◎2017年2月8日発売:星野太『崇高の修辞学』本体3,600円、シリーズ古典転生12。
書評1⇒n11booknews_staff氏「「崇高」に惑わされないための丁寧な考察」(「Book News|ブックニュース」2017年3月4日エントリー)
書評2⇒中島水緒氏(「美術手帖」2017年5月号「BOOK」欄)

◎2016年12月26日発売:マッシモ・カッチャーリ『抑止する力』本体2,700円。
書評1⇒篠原雅武氏「オレンジとバカにされている偉そうなジジイのアポカリプスとともに、アメリカのいたるところは主の到来を待ち望む人たちによって埋め尽くされようとしている」(「図書新聞」2017年3月18日号)
書評2⇒中村勝己氏「「カテコーン」の概念の解釈を主題に――〈世界の再宗教化〉をどう捉えどう向き合うべきか」(「週刊読書人」2017年3月31日号)

◎2016年12月7日発売:荒木経惟×荒木陽子『東京は、秋』本体3,500円
書評1⇒山本アマネ氏(『FUDGE』2017年2月号「PICK UP NEW BOOKS 今月の新刊&注目作」欄)
書評2⇒山本アマネ氏(『men's FUDGE』2017年3月号「BOOKS」欄)
書評3⇒無記名氏(『母の友』2017年5月号「polyphony/Books」欄)

◎2016年11月11日発売:森山大道×鈴木一誌『絶対平面都市』 本体2,750円
紹介記事1⇒「東奥日報」2016年12月16日付など
短評⇒「週刊読書人」2016年12月16日号「2016年の収穫 41人へのアンケート」神藏美子氏
紹介記事2⇒『アイデア』No.360(2017.1)「book」欄
書評1⇒上野昂志氏書評「急かされ。考えさせられる」(『キネマ旬報』2017年2月上旬号「映画・書評」欄)
書評2⇒大竹昭子氏書評(『朝日新聞』2017年1月22日付「読書」欄)
書評3⇒小原真史氏書評「奇妙なダイアローグ 優れた森山大道論であり写真論」(「週刊読書人」2017年2月10日号)
書評4⇒土肥寿郎氏書評「写真の本質 対話重ね迫る」(『北海道新聞』2017年2月12日付「本の森」欄)

◎2016年9月2日発売:森山大道『Osaka』本体3,500円

◎2016年7月7日発売:W・ウォルターズ『統治性――フーコーをめぐる批判的な出会い』本体2,500円。
書評1⇒ぷよまる氏書評「フーコーを使う、理論を使う」(「綴葉」352号、2016年11月)
書評2⇒山本奈生氏書評(『佛大社会学』第41号、2017年3月30日発行)

◎2016年7月1日発売:G・バタイユ『マネ』本体3,600円。
書評1⇒濱野耕一郎氏書評「期待を裏切る至高のタブロー――バタイユによるマネ論」(「週刊読書人」2016年9月9日号)
書評2⇒中島水緒氏書評「マネ作品の可能性を汲み尽した比類なき芸術論」(「美術手帖」2016年11月号BOOK欄)

◎2016年5月25日発売:『ユンガー政治評論選』本体2,800円。

◎2016年4月15日発売:『表象10:爆発の表象』本体1,800円

◆販売情報(重版・品切・サイン本、等々)
◎品切重版準備中:『ミクロコスモス第1集』2刷、ユンガー『パリ日記』2刷、ギルロイ『ブラック・アトランティック』4刷。
◎品切重版未定:『舞台芸術05』『舞台芸術08』『表象01』『表象04』『表象05』『表象08』、毛利嘉孝『文化=政治』、上野俊哉『アーバン・トライバル・スタディーズ』、クリフォード『ルーツ』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』、片山廣子『燈火節:随筆小説集成』、ブランショ『書物の不在 初版朱色本』、ブランショ『書物の不在 第二版鉄色本』、高柳昌行『汎音楽論集』、大里俊晴『マイナー音楽のために』、大竹伸朗『ネオンと絵具箱』、森山大道『新宿』、森山大道写真集『新宿+』、森山大道写真集『大阪+』、森山大道写真集『オン・ザ・ロード』、森山大道フォトボックス『NOVEMBRE』、やなぎみわ作品集『WHITE CASKET』、川田喜久治写真集『地図』、遠藤水城編『曽根裕|Perfect Moment』、熊木裕高写真集『吠えない犬』、瀬戸正人写真集『picnic』、菱田雄介写真集『ある日、』。※書店からの返品で在庫がまれに生じる場合があります。直接、弊社までお電話かメールなどでお尋ね下さい。

◆出版=書店業界情報:リンクまとめ
日々この業界ではたくさんの出来事が起こっていて、それぞれにコメントしたい気もするし、実際言うべきこともままあるのですが、出来事に振り回されるのは嫌だし、こみいった背景をうまく説明できなかったり、しがらみのせいではっきり言えなかったりするのが現実なので、出来事情報は下記のリンクを随時ご参照下さいませ。

◎業界紙系:倒産や出店などの時事情報がやっぱり早い→ 新文化 ニュースフラッシュ
◎一般紙系:全国紙や地方紙、専門紙誌に掲載されたニュースをまとめてチェック→ Yahoo!ニュース「マスコミ、出版」
◎話題系:昨今の様々な注目トピックを整理整頓→ フレッシュアイニュース「出版不況」「電子書籍」「書店経営」 / Yahoo!ニュース「出版不況」「電子書籍」「アマゾン
◎新刊書店系:書店業界のひきこもごもの内情→ 日書連 全国書店新聞
◎古書店系:古本屋さんの奥深い世界を垣間見れます→ 東京古書組合 日本の古本屋メールマガジン
◎雑談&裏話:業界の「非常時」には頼りになる一面もあるかも→ 2ちゃんねる 一般書籍

※このブログの最新記事は当エントリーより下段をご覧ください! 
※このブログについてネット上でつぶやかれていることをご覧になりたい方はYahoo!のリアルタイム検索をご覧ください。
※このブログがWWWにおいてどのような地位にあるのかについてはこちらをご覧ください。
※月曜社について一般的につぶやかれている様子はYahoo!リアルタイム検索からもご覧になれます。弊社が発信しているものではありませんので、未確定・未確認情報が含まれていることにご注意下さい。ちなみに弊社にはtwitterのアカウントを取得する予定はまったくありません。

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# by urag | 2018-12-31 23:59 | ご挨拶 | Trackback(1) | Comments(21)
2017年 05月 26日

取次搬入日確定:ソシュール『伝説・神話研究』

ソシュール『伝説・神話研究』(金澤忠信訳、月曜社、2017年5月、本体3,400円、A5判上製248頁、ISBN978-4-86503-043-3; 「シリーズ・古典転生」第14回配本、本巻第13巻)の取次搬入日が決定しましたので、書店様にお知らせいたします。日販、トーハン、大阪屋栗田、以上三社すべて5月30日(火)です。書影も公開いたします。読者の皆様にお知らせいたします。書店店頭での発売は、おおよそ6月1日以降順次となる予定です。どのお店に配本されるかは、当ブログコメント欄や、電話、メールなどで地域を指定してお尋ねいただければお答えいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

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シリーズ・古典転生

本巻1:第1回配本、2006年6月、本体3,400円
初期ストア哲学における非物体的なものの理論
エミール・ブレイエ著/江川隆男訳
※原著1908年刊。
※訳者長篇解題「出来事と自然哲学―非歴史性のストア主義について」

本巻2:第3回配本、2010年3月、本体3,800円
具体的なものへ――二十世紀哲学史試論
ジャン・ヴァール著/水野浩二訳
※原著1932年刊。

本巻3:第4回配本、2011年9月、本体3,200円
関係主義的現象学への道
エンツォ・パーチ著/上村忠男編訳
※日本語版オリジナル編集。

本巻4:第5回配本、2011年12月、本体3,600円
構造と生成Ⅰ――カヴァイエス研究
近藤和敬著

本巻5:第9回配本、2013年10月、本体3,200円
構造と生成Ⅱ――論理学と学知の理論について
ジャン・カヴァイエス著/近藤和敬訳
※原著1947年刊。
※訳者長篇解説「カヴァイエスの生涯と思想」

本巻6:第6回配本、2012年2月、本体3,800円
ヘーゲル弁証法とイタリア哲学――スパヴェンタ、クローチェ、ジェンティーレ
上村忠男編訳
※日本語版オリジナル編集。

本巻7:第7回配本、2012年3月、本体3,800円
ジョルダーノ・ブルーノの哲学――生の多様性へ
岡本源太著

本巻8:第8回配本、2013年10月、本体7,000円
カール・ヤスパースと実存哲学
ミケル・デュフレンヌ+ポール・リクール著/佐藤真理人ほか訳
※原著1947年刊。
※カール・ヤスパース「序文」。
※付録1:マルセル「カール・ヤスパースにおける根本状況と限界状況」
※付録2:リクール「カール・ヤスパースにおける哲学と宗教」

本巻9:第10回配本、2014年4月、本体3,500円
影像の詩学――シラー『ヴァレンシュタイン』と一義性の思考
青木敦子著

本巻10:第11回配本、2015年3月、本体3,700円
存在とロゴス――初期ハイデガーにおけるアリストテレス解釈
阿部将伸著

本巻11:第12回配本、2015年7月、本体3,200円
ヤスパース入門
ヴェルナー・シュスラー著/岡田聡訳
※原著1995年刊。

本巻12:第13回配本、2017年2月、本体3,600円
崇高の修辞学
星野太著

本巻13:第15回配本、2017年5月、本体3,400円
伝説・神話研究
フェルディナン・ド・ソシュール著/金澤忠信訳
※原著2003年刊。

本巻14:第14回配本、2017年5月、本体3,000円
ソシュールの政治的言説
金澤忠信著

別巻1:第2回配本、2010年2月、本体3,000円(品切)
ミクロコスモス――初期近代精神史研究 第1集
平井浩編

シリーズ連動企画(月曜社ウェブサイトにて2011年より連載中)
化学教程
ジャン= ジャック・ルソー著/淵田仁・飯田賢穂訳
※原著1747年作。

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# by urag | 2017-05-26 12:44 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2017年 05月 23日

イベント続報:首都大講演、ゲンロンカフェ

首都大での講演が明日に迫りました。発表用レジュメ(A4用紙7枚=A3用紙裏表2枚)をお配りします。前半では出版不況期の20年間を既成の出版社ではない「サブプレイヤーの台頭期」と位置づけて概説し、後半では読書論と書物論を通じて出版社の存在意義を見直します。質疑応答の時間もあるので、お越しの皆様と意見交換できれば幸いです。入場無料、予約不要です。

◎講演会「人文書出版と業界再編――出版社と書店は生き残れるか」

日時:2017年5月24日(水)16.20-18.00
場所:首都大学東京(南大沢)国際交流会館 中会議室
講師:小林浩(月曜社取締役・編集者)
司会:西山雄二(首都大学東京准教授)
料金:入場無料、事前予約不要

内容:出版業界は激動期に突入しています。自費出版社が中堅版元を吸収し、新古書店がセレクト書店チェーンを傘下におき、大手印刷会社が書店や出版社を次々に買収しています。ネット通販会社が取次の大株主となり、IT関連企業と大出版社が合併しました。電子出版はジャンルによっては紙媒体の売上を上回るようになり、ネット書店最大手の販売力はリアル書店最大手のそれを凌駕しています。リアル書店は書籍だけでは売上を維持できず、文具や雑貨の売場、カフェなどを併設するのが当たり前になりつつあり、このトレンドは図書館にまで影響を及ぼしています。紙媒体の雑誌は広告収入が減少し、専門書の初版部数もまた減少しています。もはや戦後の従来の体制を維持できなくなりつつある出版界で、出版社は、書店は、物流は、人文書は、どう変わっていくのでしょうか。著者や読者はそこにどう巻き込まれていくのでしょうか。出版界に明るい未来はあるのでしょうか。五里霧中とも言える不透明な業界再編の現実について、零細出版社の立場から証言し、展望します。そして、誰しもが納得しうる万能な解決策の提示ではなく、出版の、書物の原点を再確認したいと思います。(講師・記)


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ゲンロンカフェさんでのトークイベントに多数のご予約をいただいたため(23日現在55名様)、57席から80席に増席されたそうです。皆様とお目に掛かれるのを楽しみにしております。辻山さんの著書『本屋、はじめました』(苦楽堂、2017年1月)や、辻山さんと竹田さんの発言が読める『これからの本屋』(書肆汽水域、2016年5月)、竹田さんが創刊された文芸誌「草獅子(そう・しし)」第1号(双子のライオン堂、2016年11月)などをお読みになっていただきますと、今回のイベントがより楽しめるのではないかと思います。なお動画配信もあるようなので(チャンネル会員:無料、一般:1000円)、どうぞよろしくお願いいたします。

◎辻山良雄(Title)× 竹田信弥(双子のライオン堂)× 小林浩(月曜社)「出版不況が叫ばれるいま、なぜあえて本屋をはじめたのか

日時:2017年5月31日(水)19:00-21:30
会場:ゲンロンカフェ(東京都西五反田1-11-9 司ビル6F)
料金:2,600円(前売券 1ドリンク付 ※当日、友の会会員証/学生証提示で500円キャッシュバック)

※友の会会員限定最前列席:2,600円(前売分 1ドリンク付、共有サイドテーブル・電源あり ※ キャッシュバックはありません ※複数予約される場合はお連れの方が会員でなくても結構です)

イベント概要:出版ベンチャーとして成長を続けるゲンロンが、出版業界・書店業界のこれからについて考えるイベントを行います。/すでに20年にわたり、出版業界全体の売上は落ち込み続けています。この間に倒産した出版社、閉店した書店は数え切れません。一方で、この厳しい状況のなか、希望を持ってこの業界で挑戦し続けている方々もいます。/話題の新刊『本屋、はじめました』の著者である辻山良雄さんは、長く全国のリブロで勤務した経験を活かし、本屋Titleの店主としてさまざまな試みを行っています。一方、もともとネット古書店として創業し現在は赤坂に実店鋪を構える双子のライオン堂の竹田信弥さんは、独特の選書サービスで読書家を魅了し続け、各方面で話題となっています。/そんな新しいタイプの本屋を運営するおふたりとともに、出版業界の状況について積極的な情報発信を行っている月曜社の小林浩さんをお迎えし、本を作り、本を売り続けるために必要なことは何か、さまざまな視点から考え、語り合っていただきます。

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# by urag | 2017-05-23 09:58 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2017年 05月 22日

メモ(18)

「文化通信」2017年5月22日付記事「アマゾンジャパン「バックオーダー」終了で出版社2000社余に説明会」で報道されている通り、今般のアマゾン通知についての出版社への説明会が先週から始まっています。曰く「4月21日に「バックオーダー発注」の終了を決定。同24日から、同社売り上げランキング上位20社ほどを書籍事業企画本部・種茂正彦本部長が直接訪問し、それ以外の上位50社ほどにも担当窓口などから説明を実施。/同28日には同社が年間1冊以上販売した出版社として登録されている約2500社から、出版社がアマゾンサイトの商品登録などを行う「ベンダーセントラル」の利用出版社と、名簿などで住所が確認できる出版社約2000社にメールもしくは郵送で通知送った。これに加え5月15日から説明会を開始。上位約600社には5月、それ以降についても順次案内している」。

弊社に届いているのは4月28日付のメール「重要なお知らせ:商品調達および帳合取次との取引に関する変更について」(アマゾンジャパン合同会社書籍事業部購買統括部)と、その後封書で届いた同名の書類で、後者ではここ3年間の日販経由取寄注文高(月次)一覧や、欠品率、リードタイム、日販での引当率を月次で数値化したもう一つの一覧と、全28頁のカラーパンフレット「Amazon.co.jp和書ストアの仕組み」が添えられています。カラーパンフの詳細については今は脇に置きます。おおざっぱに言えば「現状よりも直取引の方が売上を伸ばせるよ」という内容ですが、なんだまたそれの繰り返しかと呆れるのではなく、熟読が必要であることは言うまでもありません。

二枚の一覧について言えば数字だけ見せられても書名が分からないので中身の分析のしようがないです。そもそも一覧表をどうやって見るべきなのか、その「見方」がどこにもまとめられていません(せめて用語については「パンフの××頁を参照」とか書いてくれればいいのに)。これだけ送られてもただちに「アマゾンと直取引しなければ」とはなりにくいのではないかと想像します。アマゾンの考え方がこれでは伝わりませんし(アマゾン側としては説明したいことはパンフで尽きている、と言いたいのだろうことはよく伝わりますが)、こうした書類だけを機械的に送ってくるスタンスがいったいどういうものなのか理解に苦しみます。まあ分からなかったら電話してよ、パンフもよく読んでね、ということなのでしょうが、経験的に言えば電話したって分かりっこない感じがします。アマゾンは出版社が知りたいパンフ以外の情報のすべてを公開することまではできないでしょうから。

むしろ日販さんがこれらの「欠品率、リードタイム、引当率」について出版社に説明できることがあれば、日販さんと出版社との連携が強まるだろうと思います。アマゾンの説明会だけでは、日販は「言われっぱなし」になるのがオチです。対抗して説明会を持つというのも立場上難しいのかもしれませんけれども、日販にも出版社に説明するチャンスがあるべきではないかと思います。「新文化」5月17日付記事「日販の平林彰社長、業界3者の在庫「見える化」と「出荷確約」態勢に意欲」によれば、「5月16日、東京・水道橋の東京ドームホテルで行われた「2017年度日販懇話会」の挨拶のなかで、〔・・・〕今年7月に出版社と日販、書店の在庫情報を共有できるネットワークを構築したうえ、「見える化」と「出荷確約」した流通を目指す考えを打ち出した。また、12月には王子流通センターにweb-Bookセンターを統合する計画を発表した。「1冊を丁寧に売る構造に変え、少部数・少ロットで成立する出版流通モデルを志向していく」と話した」とのことですが、この手の懇話会が案内されるのは限られた出版社です。

この2017年度日販懇話会の様子については日販の本日付ニュースリリースで紹介されています。平林社長の冒頭挨拶で2016年度の売上高概況報告(概算)が次の通りあったと書かれています。「書籍・開発品の売上高が前年より若干上昇し、返品率も改善傾向にあるものの、雑誌の売上高は引き続き減少傾向にある〔・・・〕。さらに、書店や取次の経営を支える非正規雇用労働者の賃金上昇や、出版流通を支える運送会社におけるトラック運転手の高齢化や運賃収入減少といった輸配送問題が業界への逆風になっている〔・・・〕。/こうした状況を改善するには、大量生産・大量販売の構造から、1冊を丁寧に売ることができる構造へと、出版産業を変革していく必要がある〔・・・〕。日販が目指すSCM〔サプライ・チェーン・マネジメント〕の姿として、「見える化」と「確約」を掲げ、書店・出版社・日販の在庫の連携に取り組んでいく〔・・・〕」。

話を戻しますが、先の「文化通信」記事ではこうも書かれていました。「これだけ多くの出版社を対象に説明会を開くことについて種茂本部長は、「この決断については特定のところにだけお話しするというわけにはいかないと判断している。誤解や不安を払拭しなければならないと思っているので、できるだけ説明の機会をたくさん設けて、説明に伺いたいと思っている」と述べる」。バックオーダーの発注が終わる6月30日までに説明会が間に合うのは上位600社のみなのかどうか、今は分かりません。弊社が600位までには入っているかどうかもまた、微妙なところです(ちなみにアマゾンの2015年1年間での「和書および雑誌部門出版社別年間売上ランキング」は「新文化」2016年2月1日付記事「アマゾンJ、出版社別年間1位はKADOKAWA」にてPDFを見ることができます。参考までに、「新文化」では紀伊國屋書店の「2016年出版社別売上ベスト100社〈修正版〉」もPDFで公開されています。

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# by urag | 2017-05-22 18:29 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
2017年 05月 22日

注目新刊:W・ブラウン、G・アガンベン、『現代思想』資本論特集号

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★中井亜佐子さん(共訳:ロイル『デリダと文学』)
カリフォルニア大学バークレー校政治学教授のウェンディ・ブラウン(Wendy L. Brown, 1955-)さんの、『寛容の帝国』(向山恭一訳、法政大学出版局、2010年)に続く単独著日本語訳第二弾を手掛けられました。まもなく店頭発売開始と聞いています。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。原書は『Undoing the Demos: Neoliberalism's Stealth Revolution〔デモス(市民/人民/民衆)の解体――新自由主義のステルス革命〕』(Zone Books, 2015)です。

いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃
ウェンディ・ブラウン著、中井亜佐子訳
みすず書房 2017年5月 本体4,200円 四六判上製336頁 ISBN978-4-622-08569-0
帯文より:いまや新自由主義は、民主主義を内側から破壊している。あらゆる人間活動を経済の言葉に置き換え、民主主義を支える理念、制度、文化を解体する過程を説き明かす。

★ジョルジョ・アガンベンさん(著書:『アウシュヴィッツの残りのもの』『バートルビー』『思考の潜勢力』『瀆神』『到来する共同体』)
3月下旬にミラノの出版社「ノッテテンポ」から初めての自伝となる『書斎の自画像』を刊行されました。秘蔵写真満載の一冊で、いずれ日本語でも読めるようになるのではないかと思われます。

Autoritratto nello studio
Giorgio Agamben著
nottetempo 2017年3月 18ユーロ 菊判変型上製176頁 ISBN978-88-7452-667-3

★アントニオ・ネグリさん(著書:『芸術とマルチチュード』)
『現代思想』2017年6月臨時増刊号「総特集=マルクスの思想――『資本論』150年」に、論文「共の構築――新たなコミュニズム」が長原豊さんの訳で掲載されています(98~111頁)。これの原典は以下のもののようです。'La construction du commun: Un nouveau communisme', trans. Jeanne Revel, in Alain Badiou and Slavoj Žižek (eds), L'Idée du communisme, II. Conférence de Berlin, Fécamp: Nouvelles Editions Lignes, 2010, pp. 199-213. これは、2009年にロンドンで開催されたシンポジウムが書籍化された、The Idea of Communism(Verso, 2010;『共産主義の理念』コスタス・ドゥズィーナス+スラヴォイ・ジジェク編、長原豊監訳、沖公祐+比嘉徹徳+松本潤一郎訳、水声社、2012年6月)に続く、第二弾(2010年6月25~27日にベルリンで開催されたシンポジウムの記録『共産主義の理念Ⅱ』)に収録された発表論文かと思います。ちなみに第一弾『共産主義の理念』ではネグリの論考は「共産主義――概念と実践についての省察」と題されたものでした。『現代思想』臨時増刊号に収録されている諸論考については下記誌名のリンク先をご覧ください。

現代思想2017年6月増刊号 総特集=マルクスの思想――『資本論』150年
青土社 2017年5月 本体1900円 A5判並製278頁 ISBN978-4-7917-1345-5

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# by urag | 2017-05-22 16:51 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2017年 05月 22日

ブックツリー「哲学読書室」に岡本健さんの選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、『ゾンビ学』(人文書院、2017年4月)を上梓された岡本健さんの選書リスト「ゾンビを/で哲学してみる!?」が追加されました。下記リンク先一覧よりご覧ください。


◎哲学読書室

上尾真道さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
渡辺洋平さん選書「今、哲学を(再)開始するために
岡本健さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?

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# by urag | 2017-05-22 10:56 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2017年 05月 21日

注目新刊:ディディ=ユベルマン『受苦の時間の再モンタージュ』、ほか

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受苦の時間の再モンタージュ――歴史の眼2』ジョルジュ・ディディ=ユベルマン著、森元庸介/松井裕美訳、ありな書房、2017年5月、本体6,000円、A5判上製292頁、ISBN978-4-7566-1754-5
アール・ブリュット――野生芸術の真髄』ミシェル・テヴォー著、杉村昌昭訳、人文書院、2017年5月、本体4,800円、A5判上製250頁、ISBN978-4-409-10038-7
ジャック・ラカン 不安(下)』ジャック=アラン・ミレール編、小出浩之/鈴木國文/菅原誠一/古橋忠晃訳、岩波書店、2017年5月、本体5,500円、A5判上製296頁、ISBN978-4-00-061187-9

★ディディ=ユベルマン『受苦の時間の再モンタージュ』は発売済。シリーズ『歴史の眼』の第2巻です。既刊書には刊行順に、第3巻『アトラス、あるいは不安な悦ばしき知』(伊藤博明訳、ありな書房、2015年11月)、第1巻『イメージが位置をとるとき』(宮下志朗/伊藤博明訳、ありな書房、2016年8月)があります。今回刊行された第2巻の原書は、Remontages du temps subi. L'Œil de l'histoire, 2 (Minuit, 2010)です。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。訳者の松井裕美さんによる巻末解説では本書はこう説明されています。「収容所の映像を読むために「モンタージュする」という行為が考察対象となる。そのためにディディ=ユベルマンが焦点をあてるのは、サミュエル・フラーとハルーン・ファルッキという二人の映画監督である。/本書第Ⅰ章〔「収容所を開き、眼を閉じる──イメージ、歴史、可読性」〕では戦地における経験の表象不可能性と出来事の記録の問題が扱われる。とりわけ記録映像の問題を検討するためにとりあげられるのがフラー〔による「ファルケナウ」1945年、など〕である」(275頁)。そして「本書第Ⅱ章〔「時間を開き、眼を武装する──モンタージュ、歴史、復元」〕では、記録映像を理解可能にするための作業に関するより根本的な方法論的考察が展開される。そのさいに焦点があてられるのはハルーン・ファロッキの作品〔「世界のイメージと戦争の書きこみ」1988年、「猶予」2007年、ほか〕である」(276~277頁)。ディディ=ユベルマンの著書は人文書に置くか芸術書に置くか分類が難しいため、書店さんによっては悩まれるだろうと思うのですが、どちらに置くにせよ、分散させずに一箇所にまとめるのもひとつの手ではあります。

★テヴォー『アール・ブリュット』は発売済。原書は、L'art brut (Skira, 1975)です。著者のミシェル・テヴォー(Michel Thévoz, 1936-)は美術史家、美学者。単独著の既訳書に『不実なる鏡――絵画・ラカン・精神病』(岡田温司/青山勝訳、人文書院、1999年)があります。1976年よりローザンヌの美術館「アール・ブリュット・コレクション(Collection de l'art brut)」の館長を務めておられ、本書『アール・ブリュット』はその設立者である画家のジャン・デュビュッフェが序文を寄せています。そもそも「アール・ブリュット」という概念を提唱したのがデュビュッフェで、本書の第一章にも引用されているテクスト「文化的芸術よりもアール・ブリュットを」でデュビュッフェは次のように書いています。「われわれの言うアール・ブリュットとは次のようなものである。すなわち、それは芸術的文化の影響を逃れた人たちによってつくられた作品であり、そこでは、知的な人々のなかで起きることとは反対に、模倣はほとんどと言っていいほどなく、作品のつくり手がすべてを(主題、材料の選択、作品化の手段、リズム、表現法、等々)伝統的芸術のありきたりの型からではなく、自分自身のなかの奥深い場所から引き出す。われわれはそこで、まったく純粋で生〔き〕のままの芸術的推敲が行なわれ、つくり手自身の固有の衝動を唯一の起点として芸術がその全局面において再発明される現場に立ち会うのである」(11~12頁)。巻頭16頁はカラー図版26点を掲載。目次詳細は書名のリンク先からご覧下さい。版元サイトではデュビュッフェの序文や訳者あとがきも公開されています。アール・ブリュット(英語圏での名称は「アウトサイダー・アート」)にご関心のある方には必携の基本書です。

★『ジャック・ラカン 不安(下)』は発売済。「セミネール」シリーズ第10巻の後半部分です。第12講義「不安、現実的なものの信号」から第24講義「aからいくつかの〈父の名〉へ」までを収録。目次詳細については書名のリンク先をご覧ください。セミネールは原書で全26巻予定、現在まで16巻が刊行されており、そのうち邦訳されたのは今回の『不安』までで9巻です。まだまだ道のりは遥かです。なお、同版元の2017年6月新刊案内によれば、受注生産方式の「岩波オンデマンドブックス」ではセミネール第2巻である『フロイト理論と精神分析技法における自我』上下巻(1998年)の復刻版が6月12日より受付開始だそうです。受注から2~4週間でお届け。本体価格は上巻が7000円、下巻が6600円と割高ですが、仕方ありません。同ブックスは「内容についてはオリジナル本と変わりませんが、装丁や外見が異なります」とのことで、新たな修正はなさそうです。ある場合はもう一度買わねばなりません。

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★このほか最近では以下の新刊との出会いがありました。

戸籍と無戸籍――「日本人」の輪郭』遠藤正敬著、人文書院、2017年5月、本体4,000円、4-6判上製380頁、ISBN978-4-409-24117-2
回想の青山光二――資料で読む「最後の文士」の肖像』池内規行著、共和国、2017年5月、本体5,000円、菊変型判上製288頁、ISBN978-4-907986-35-3
パフォーマンスがわかる12の理論――「クリエイティヴに生きるための心理学」入門!』鹿毛雅治編、金剛出版、2017年4月、本体3,200円、四六判並製400頁、ISBN978-4-7724-1548-4
マインドフルネス実践講義――マインドフルネス段階的トラウマセラピー(MB-POTT)』大谷彰著、金剛出版、2017年5月、本体2,800円、A5判並製184頁、ISBN978-4-7724-1555-2

★遠藤正敬『戸籍と無戸籍』は発売済。前著『戸籍と国籍の近現代史――民族・血統・日本人』(明石書店、2013年)で「戸籍が「日本人なるものを〔・・・〕いかに創出してきたのかを歴史的に検討した」(22頁)著者が今後は「無戸籍とは何か」を問うことによって研究を新たな段階へと進めたユニークな本です。ネタばれはやめておきますが、「あとがき」が非常に自由な筆致で書かれているのも印象的です。

★池内規行『回想の青山光二』は発売済。小説家・青山光二(あおやま・こうじ:1913-2008)さんから著者に当てられた多数の葉書や手紙を引用しつつ綴られた回想記で、巻頭には「秘蔵写真を駆使した」(帯文より)という文学アルバム、巻末には詳細な年譜と全著作目録が収載されています。投げ込みの「共和国急使」第15号(2017年5月20日付)で、下平尾代表は、本書は少部数出版ではあるけれども「諸事即席で売れる本だけが本ではないし、こういう含蓄のある本を世に出すのも版元の仕事であろう」としたためておられます。本書の「あとがき」で著者は下平尾さんを「わが友」と呼び掛けておられ、著者と編集者の麗しい交流に胸打たれる思いがします。

★最後に金剛出版さんの新刊より2点。まず『パフォーマンスがわかる12の理論』は『モティベーションをまなぶ12の理論――ゼロからわかる「やる気の心理学」入門!』(鹿毛雅治編、金剛出版、2012年4月)の続篇で、心理学用語としての「パフォーマンス」をめぐる12の理論を紹介するもの。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。次に『マインドフルネス実践講義』は『マインドフルネス入門講義』(大谷彰著、金剛出版、2014年10月)の続篇。「マインドフルネスを使いこなすための理論と方法をガイドする実践篇として刊行」(版元サイトより)。目次詳細はこちらも書名のリンク先をご覧ください。マインドフルネスとは「「今、ここ」での体験に気づき(アウェアネス)、それをありのままに受け入れる態度および方法」(16頁)であり、「仏教徒が2500年にわたり実践してきた瞑想がマインドフルネスという臨床手段へと変化し、しかも西洋、特にアメリカを経て仏教国である日本にセラピーとして逆輸入された」(15~16頁)と著者は説明しています。

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# by urag | 2017-05-21 22:05 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)