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2018年 12月 31日

月曜社最新情報まとめ(ブログの最新エントリーは当記事の次からです)

◆公式ウェブサイト・オリジナルコンテンツ
◎2011年6月28日~:ルソー「化学教程」翻訳プロジェクト。

◆最新刊と近刊
◎2017年10月17日取次搬入予定:甲斐義明編訳『写真の理論』本体2,500円
◎2017年10月6日取次搬入予定:森山大道『K』本体2,500円

◎2017年8月4日発売:ポール・ギルロイ『ユニオンジャックに黒はない』本体3,800円

◎2017年7月4発売:ジャコブ・ロゴザンスキー『我と肉』本体4,800円、シリーズ・古典転生第16回配本。
書評1⇒廣瀬浩司氏「あらたな思考の出発点をうちたてる――現象学的身体論の刷新へと波及する潜在性」(「週刊読書人」2017年9月8日号)

◎2017年6月2日発売:荒木経惟『私情写真論』本体1,500円

◎2017年5月30日発売:ソシュール『伝説・神話研究』本体3,400円、シリーズ・古典転生第15回配本。

◎2017年5月15日発売:金澤忠信『ソシュールの政治的言説』本体3,000円、シリーズ・古典転生第14回配本。
書評1⇒加賀野井秀一氏「〈一般言語学〉から遠く離れて」(「フランス」2017年9月号)

◎2017年5月12日発売:『鉄砲百合の射程距離』内田美紗[句]、森山大道[写真]、大竹昭子[編]、本体2,500円

◎2017年4月17日発売:『表象11:ポスト精神分析的主体の表象』本体2,000円。

◎2017年3月30日発売:上野俊哉『[増補新版]アーバン・トライバル・スタディーズ』本体3,000円。

◎2017年2月16日発売:松江泰治『Hashima』本体3,600円。
書評1⇒無記名氏(『CANON PHOTO CIRCLE』2017年4月号「今月の新刊」欄)
書評2⇒無記名氏(「信濃毎日新聞」2017年3月26日(日)付「読書欄」)

◎2017年2月10日発売:佐野方美『SLASH』本体4,000円。
書評1⇒『アサヒカメラ』2017年4月号「TOPICS/BOOK」欄「写真に封じ込められた一瞬の集積――時代の空気を写しとめた新作写真集を読む」(解説=山内宏泰、聞き手=池谷修一)

◎2017年2月8日発売:星野太『崇高の修辞学』本体3,600円、シリーズ古典転生12。
書評1⇒n11booknews_staff氏「「崇高」に惑わされないための丁寧な考察」(「Book News|ブックニュース」2017年3月4日エントリー)
書評2⇒中島水緒氏(「美術手帖」2017年5月号「BOOK」欄)

◎2016年12月26日発売:マッシモ・カッチャーリ『抑止する力』本体2,700円。
書評1⇒篠原雅武氏「オレンジとバカにされている偉そうなジジイのアポカリプスとともに、アメリカのいたるところは主の到来を待ち望む人たちによって埋め尽くされようとしている」(「図書新聞」2017年3月18日号)
書評2⇒中村勝己氏「「カテコーン」の概念の解釈を主題に――〈世界の再宗教化〉をどう捉えどう向き合うべきか」(「週刊読書人」2017年3月31日号)

◎2016年12月7日発売:荒木経惟×荒木陽子『東京は、秋』本体3,500円
書評1⇒山本アマネ氏(『FUDGE』2017年2月号「PICK UP NEW BOOKS 今月の新刊&注目作」欄)
書評2⇒山本アマネ氏(『men's FUDGE』2017年3月号「BOOKS」欄)
書評3⇒無記名氏(『母の友』2017年5月号「polyphony/Books」欄)

◎2016年11月11日発売:森山大道×鈴木一誌『絶対平面都市』 本体2,750円
紹介記事1⇒「東奥日報」2016年12月16日付など
短評⇒「週刊読書人」2016年12月16日号「2016年の収穫 41人へのアンケート」神藏美子氏
紹介記事2⇒『アイデア』No.360(2017.1)「book」欄
書評1⇒上野昂志氏書評「急かされ。考えさせられる」(『キネマ旬報』2017年2月上旬号「映画・書評」欄)
書評2⇒大竹昭子氏書評(『朝日新聞』2017年1月22日付「読書」欄)
書評3⇒小原真史氏書評「奇妙なダイアローグ 優れた森山大道論であり写真論」(「週刊読書人」2017年2月10日号)
書評4⇒土肥寿郎氏書評「写真の本質 対話重ね迫る」(『北海道新聞』2017年2月12日付「本の森」欄)

◎2016年9月2日発売:森山大道『Osaka』本体3,500円

◆販売情報(重版・品切・サイン本、等々)
◎品切重版準備中:『ミクロコスモス第1集』2刷、ユンガー『パリ日記』2刷、ギルロイ『ブラック・アトランティック』4刷。
◎品切重版未定:『舞台芸術05』『舞台芸術08』『表象01』『表象04』『表象05』『表象08』、毛利嘉孝『文化=政治』、上野俊哉『アーバン・トライバル・スタディーズ』、クリフォード『ルーツ』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』、片山廣子『燈火節:随筆小説集成』、ブランショ『書物の不在 初版朱色本』、ブランショ『書物の不在 第二版鉄色本』、高柳昌行『汎音楽論集』、大里俊晴『マイナー音楽のために』、大竹伸朗『ネオンと絵具箱』、森山大道『新宿』、森山大道写真集『新宿+』、森山大道写真集『大阪+』、森山大道写真集『オン・ザ・ロード』、森山大道フォトボックス『NOVEMBRE』、やなぎみわ作品集『WHITE CASKET』、川田喜久治写真集『地図』、遠藤水城編『曽根裕|Perfect Moment』、熊木裕高写真集『吠えない犬』、瀬戸正人写真集『picnic』、菱田雄介写真集『ある日、』。※書店からの返品で在庫がまれに生じる場合があります。直接、弊社までお電話かメールなどでお尋ね下さい。

◆出版=書店業界情報:リンクまとめ
日々この業界ではたくさんの出来事が起こっていて、それぞれにコメントしたい気もするし、実際言うべきこともままあるのですが、出来事に振り回されるのは嫌だし、こみいった背景をうまく説明できなかったり、しがらみのせいではっきり言えなかったりするのが現実なので、出来事情報は下記のリンクを随時ご参照下さいませ。

◎業界紙系:倒産や出店などの時事情報がやっぱり早い→ 新文化 ニュースフラッシュ
◎一般紙系:全国紙や地方紙、専門紙誌に掲載されたニュースをまとめてチェック→ Yahoo!ニュース「マスコミ、出版」
◎話題系:昨今の様々な注目トピックを整理整頓→ フレッシュアイニュース「出版不況」「電子書籍」「書店経営」 / Yahoo!ニュース「出版不況」「電子書籍」「アマゾン
◎新刊書店系:書店業界のひきこもごもの内情→ 日書連 全国書店新聞
◎古書店系:古本屋さんの奥深い世界を垣間見れます→ 東京古書組合 日本の古本屋メールマガジン
◎雑談&裏話:業界の「非常時」には頼りになる一面もあるかも→ 2ちゃんねる 一般書籍

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# by urag | 2018-12-31 23:59 | ご挨拶 | Trackback(1) | Comments(21)
2017年 09月 24日

注目新刊:『【「新青年」版】黒死館殺人事件』作品社、など

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★今回は近刊書で日本三大奇書、既刊文庫で中国四大奇書など、力作が続きます。まずはまもなく店頭発売開始となる注目新刊をご紹介します。

【「新青年」版】黒死館殺人事件』小栗虫太郎著、松野一夫挿絵、山口雄也註・校異・解題、新保博久解説、作品社、2017年9月、本体6800円、A5判上製480頁、ISBN978-4-86182-646-7
密告者』フアン・ガブリエル・バスケス著、服部綾乃/石川隆介訳、作品社、2017年9月、本体4,600円、四六判上製548頁、ISBN978-4-86182-643-6
スター女優の文化社会学――戦後日本が欲望した聖女と魔女』北村匡平著、作品社、2017年9月、本体2,800円、四六判上製432頁、ISBN978-4-86182-651-1
子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法』ジャンシー・ダン著、村井理子訳、太田出版、2017年9月、本体1,800円、四六判並製416頁、ISBN978-4-7783-1596-2

★作品社さんの新刊3点はまもなく発売(27日取次搬入予定)。『黒死館殺人事件』は言うまでもなく日本三大奇書の一つ。今回の作品社版は「新青年」での連載(1934年4月号~12月号)を底本とした初めての単行本で、松野一夫さんによる初出時の挿絵をすべて収め、山口雄也さんによる解題と2000項目に及ぶ語註、世田谷文学館所蔵の手稿や雑誌掲載時の校正ゲラを照合した校異を配し、新保博久さんによる解説「黒死館愛憎」を巻末に置いた、同作品の未曾有の大冊です。資料編として、同小説に対する所感である、江戸川乱歩「「猟奇耽異博物館」の驚くべき魅力について――小栗虫太郎君を称う」と、甲賀三郎「興奮を覚える」の2篇が併載されています。百科事典を駆使しない限り理解が困難だった数々の歴史的固有名や専門用語の数々に注がついただけでもすごいことです。前日譚の「聖アレキセイ寺院の惨劇」をお読みになりたい方は創元推理文庫版の『日本探偵小説全集(6)小栗虫太郎集』もお買い求めになって下さい。

★バスケス『密告者』は『Los informantes』(ALFAGUARA, 2004)の翻訳。帯文に曰く「父親の隠された真の姿と第二次大戦下の歴史の闇」と。コロンビアの作家フアン・ガブリエル・バスケス(Juan Gabriel Vásquez, 1973-)の小説第三作で、「初めて文学的成功をおさめた作品であると同時に作家としての評価を高めるきっかけとなった作品」(訳者あとがき)とのことです。第二次大戦下のコロンビアにおける敵国人に対する非人道的政策を背景にした作品である本書の「普遍的なテーマ」を訳者は「どの時代のどの状況においても人間の心の奥に常に存在し得る裏切りへの願望、妬み、密告志向」と説明しています。「知っていたはずの身近な人物が、実は思っていたのと違う人であった、それによって自分が今まで見てきて経験したことが覆されるという体験が、さまざまな登場人物に起こるというのがこの小説の一つの面白みである」と。

★『スター女優の文化社会学』は、映画学や歴史社会学、メディア文化論がご専門の新鋭、北村匡平(きたむら・きょうへい:1982-)さんの修士論文から、原節子と京マチ子を論じた二章を大幅に加筆改稿したもの。帯文に曰く「スクリーン内で構築されたイメージ、ファン雑誌などの媒体によって作られたイメージの両面から、占領期/ポスト占領期のスター女優像の変遷をつぶさに検証し、同時代日本社会の無意識の欲望を見はるかす、新鋭のデビュー作」と。目次詳細については書名のリンク先をご覧ください。「集合的欲望としてスクリーンに投影されるスターこそ、潜在的な意識を顕在化させる文化装置――あるいは抽象的な欲望を具現化する媒体(メディウム)なのである」(13頁)。「日本を代表するスター女優の見取り図を描き、原節子と京マチ子を中心としたスターイメージを比較しながら、彼女たちを取り巻く大衆の欲望、価値づけ、実践、まなざしを分析することによって、日本の〈戦後〉を説き明か」(15頁)す試みです。

★太田出版さんの新刊『子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法』はまもなく発売(25日取次搬入)。『How Not to Hate Your Husband After Kids』(Little, Brown and Company, 2017)の翻訳です。著者のジャンシー・ダン(Jancee Dunn, 1966-)さんはフリーランス・ライターで、同業者の夫がいます。本書はいきなり彼女が夫に激怒する場面から始まります。夫がパソコンでゲームに興じていて、オムツを捨てに行ってくれないからです。そりゃ、怒るでしょうね。「私たちの娘は六歳になり、私とトムはいまだに、終わることのない喧嘩を繰り返している。なぜ私たちは子育てと家事の分担に関して、これほどまでにぶつかり合うのだろう」(13頁)。冒頭から「これはマズい」と思える展開で、読者がもし家庭を持つ男女だとしたら読み進めるのに恐怖や辛さを覚えるでしょうけれども、夫婦間のことや子育てのこと、簡単そうで深刻にもなりがちな家庭生活全般について、うまくやるヒントを与えてくれる好著です。

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★7月~9月の文庫新刊の中から今まで取り上げていなかった注目書をピックアップします。

オイディプス王』ソポクレス著、河合祥一郎訳、光文社古典新訳文庫、2017年9月、本体740円、166頁、ISBN978-4-334-75360-3
君主論』マキャヴェッリ著、森川辰文訳、光文社古典新訳文庫、2017年9月、本体860円、272頁、ISBN978-4-334-75361-0
文明の衝突』上巻、サミュエル・ハンチントン著、鈴木主税訳、集英社文庫、2017年8月、本体各700円、上320頁/下288頁、ISBN978-4-08-760737-6/760738-3
初稿 倫理学』和辻哲郎著、苅部直編、ちくま学芸文庫、2017年9月、本体1,000円、272頁、ISBN978-4-480-09811-5
アマルティア・セン講義――グローバリゼーションと人間の安全保障』アマルティア・セン著、加藤幹雄訳、ちくま学芸文庫、2017年9月、本体1,000円、192頁、ISBN978-4-480-09819-1
貧困と飢饉』アマルティア・セン著、黒崎卓/山崎幸治訳、岩波現代文庫、2017年7月、本体1,540円、448頁、ISBN978-4-00-600366-1
クァジーモド全詩集』河島英昭訳、岩波文庫、2017年7月、本体1,070円、448頁、ISBN978-4-00-377021-4
プレヴェール詩集』小笠原豊樹訳、岩波文庫、2017年8月、本体840円、304頁、ISBN978-4-00-375171-8
ヨーロッパの昔話――その形と本質』マックス・リュティ著、小澤俊夫訳、岩波文庫、2017年8月、本体970円、320頁、ISBN978-4-00-342291-5
ヨーロッパの言語』アントワーヌ・メイエ著、西山教行訳、岩波文庫、2017年9月、本体1,320円、560頁、ISBN978-4-00-336991-3
比較史の方法』マルク・ブロック著、高橋清徳訳、講談社学術文庫、2017年7月、本体600円、136頁、ISBN978-4-06-292437-5
暗号大全――原理とその世界』長田順行著、講談社学術文庫、2017年7月、本体1,300円、448頁、ISBN978-4-06-292439-9
梁塵秘抄』西郷信綱著、講談社学術文庫、2017年7月、本体980円、272頁、ISBN978-4-06-292440-5
道元「宝慶記」 全訳注』大谷哲夫訳、講談社学術文庫、2017年8月、本体1,150円、384頁、ISBN978-4-06-292443-6
十二世紀のルネサンス――ヨーロッパの目覚め』チャールズ・ホーマー・ハスキンズ著、別宮貞徳/朝倉文市訳、講談社学術文庫、2017年8月、本体1,280円、424頁、ISBN978-4-06-292444-3
宗教改革三大文書 付「九五箇条の提題」』マルティン・ルター著、深井智朗訳、講談社学術文庫、2017年9月、本体1,300円、440頁、ISBN978-4-06-292456-6
水滸伝(一)』井波律子訳、講談社学術文庫、2017年9月、本体1,850円、720頁、ISBN
978-4-06-292451-1
新校訂 全訳注 葉隠(上)』菅野覚明/栗原剛/木澤景/菅原令子訳・注・校訂、講談社学術文庫、2017年9月、本体1,750円、656頁、ISBN978-4-06-292448-1

★光文社古典新訳文庫の今月新刊は、同文庫で初めてのソポクレスとマキャヴェッリ。現在も入手可能な文庫で読める『オイディプス王』の既訳には、藤沢令夫訳(岩波文庫)や、福田恒存訳(新潮文庫)、高津春繁訳(ちくま文庫『ギリシア悲劇(Ⅱ)ソポクレス』所収)があります。今回の新訳はサー・リチャード・ジェップの対英訳注本を底本としており、ギリシア語原典を参照しつつも各種の英訳本や注釈書を比較検討して成ったものである点がユニーク。巻末には戦後日本での上演がリストアップされています。『君主論』の底本はエイナウディより1995年に刊行されたジョルジョ・イングレーゼ編の新版。既訳文庫には、池田廉訳(中公文庫BIBLIO)、大岩誠訳(角川ソフィア文庫)、河島英昭訳(岩波文庫)、佐々木毅訳(講談社学術文庫)があり、比較して読むと面白いと思います。同文庫の10月新刊にはトロツキー『ロシア革命とは何か』森田成也訳、などがエントリーされています。

★集英社文庫の先月新刊では『文明の衝突』(親本は1998年刊)がようやく文庫化されました。親本通りに全1巻にした方が通読しやすかった気がしますが、重くなるのを避けたのでしょう。下巻の巻末には政治学者の猪口孝さんによる解説を収録。集英社文庫ではハンチントンの『分断されるアメリカ』が本書と同じ鈴木主税さんによる訳本が今年1月に文庫化されています(親本は2004年刊)。世間ではハンチントンの分析に賛否があるとはいえ、「衝突」がいよいよ目立ってきた世界情勢を読み解く上での現代の古典が文庫で読めるようになったことは歓迎したいです。

★ちくま学芸文庫の今月新刊では全集未収録の初稿「倫理学」(1931年)と、センの講義録を購入。本当は先月刊行の『藤原定家前歌集』上下巻(久保田淳校訂・訳)も購読したかったところですが財布が追随せず。『初稿「倫理学」』は「随筆「面とペルソナ」、講演「私の根本の考」および座談会「実存と虚無と頽廃」を収録した文庫オリジナル編纂」(カヴァー紹介文より)。初稿を出発点とした大著『倫理学』や『人間の学としての倫理学』は岩波文庫で読めます。『グローバリゼーションと人間の安全保障』はちくま学芸文庫で昨年末に発売された『経済学と倫理学』に続くセン講義本の第二弾で、2002年の来日講演3本と2000年の論文1本を収録。日本経団連出版より2009年に刊行されたものの文庫化です。来月新刊ではちくま文庫でレオ・ペルッツ『アンチクリストの誕生』垂野創一郎訳など、学芸文庫では中村元編『原典訳 原始仏典』上下巻、吉田真樹監訳『定本 葉隠〔全訳注〕』上巻、『チョムスキー言語学講義 言語はいかにして進化したか』渡会圭子訳、などが予定されています。

★岩波現代文庫でも先々月にセンの著書『貧困と飢饉』(2000年)が文庫化。原著は1981年の『Poverty and Famines: An Essay on Entitlement and Deprivation』です。巻末注記によれば、文庫版刊行にあたり「訳文を改訂し、単行本刊行後の研究動向を踏まえて「訳者解説」に加筆を施した」とのことです。引用や参照する場合はこの文庫版を現時点での決定版と見なすべきです。

★創刊90年を迎える岩波文庫のここ三ヶ月の新刊からは、クァジーモドとプレヴェールの二つの詩集と、リュティとメイエの研究書を選択。流行に左右されない同文庫の渋さが光ります。クァジーモドは筑摩書房版(1996年)の文庫化。プレヴェールは巻末の編集付記によれば、小笠原訳の各版(ユリイカ、河出書房、マガジンハウス)所収のすべての詩篇と、同氏訳の昭森社版『唄のくさぐさ』所収の七篇にシャンソン「枯葉」を追加して文庫化したもので、文庫化にあたりマガジンハウス社版訳者解説と、谷川俊太郎さんのエッセイ「ほれた弱み――プレヴェールと僕」(初出「ユリイカ」1959年8月)を併録しています。リュティ『ヨーロッパの昔話』は岩崎美術社版(1969年)の文庫化で、訳文全体が見直されています。底本は原書第七版(1981年;初版1947年)で、凡例によれば「原注は大幅に割愛し、必要最小限を訳者注に盛り込んだ」とのことです。訳者の小澤さんはリュティの晩年作『昔話 その美学と人間像』(岩波書店、1985年)もかつて上梓されており、こちらも文庫化されて良いのではと祈るばかりです。

★メイエ『ヨーロッパの言語』の底本は、1928年に刊行された『Les langues dans l'Europe nouvelle』の第二版(初版は1918年)。文庫オリジナルの新訳です。訳者あとがきによれば「テニエールが執筆したヨーロッパの言語統計は割愛」されています。同書には古い既訳『ヨーロッパの諸言語』(大野俊一訳、三省堂、1943年)があり、大野氏の業績については訳者解説「よみがえるメイエ」で触れられています。岩波文庫では今月から乱歩の少年探偵団シリーズが文庫化され始めており、いよいよかと感慨深いものがあります。来月の新刊では時枝誠記『国語学史』や『語るボルヘス』(木村榮一訳)が予告されています。

★ここしばらくの充実ぶりから目が離せないのは講談社学術文庫。まず7月刊より3点挙げると、ブロックの高名な講演録『比較史の方法』(原著1928年)は創文社版(1978年)の文庫化。訳文・注・訳者解説が改訂され、「学術文庫版への付記」が付け足されています。『暗号大全』は現代教養文庫版(1985年;初版はダイヤモンド社より1971年)の再刊。西郷信綱『梁塵秘抄』はちくま学芸文庫版(2004年;初版は筑摩書房より1976年)の再刊。巻末に三浦佑之さんによる解説「西郷信綱のことばと感性に遊ぶ」が収められています。次に8月刊より2点。『道元「宝慶記」 全訳注』は永平寺の機関誌「傘松」誌に連載(2011年5月号~2013年1月号)されたのをまとめたもの。訳注者の大谷さんは巻頭の「はじめに」で、『正法眼蔵』や『永平広録』につまづいた読者に「まずは『宝慶記』の精読を勧めたい」とお書きになっています。同記は若き道元が宋の如浄に拝問した貴重な記録です。ハスキンズ『十二世紀のルネサンス』はみすず書房版(1989年)の文庫化。原著は1927年刊。巻末に「文庫版あとがき」が加えられています。

★最後に同文庫の9月新刊より重量級の新訳3点。ルター『宗教改革三大文書』は文庫版オリジナルの新訳。1520年に発表された『キリスト教界の改善について』(8月刊)、『教会のバビロン捕囚について』(10月刊)、『キリスト者の自由について』(12月刊)に加え、「贖宥の効力を明らかにするための討論〔九五箇条の提題〕」を収録。三大文書をまとめて収めた文庫は本書が初めてです。井波律子さんによる訳し下ろし『水滸伝』は全5巻予定。第一巻では、冒頭の「引首」から「第二十二回」までを収録。中国四大奇書のうち井波さんは『三国志演義』の現代語訳をすでに上梓されており、同文庫より全4巻本が出ています。井波さんの精力的なご活躍には瞠目するばかりです。『新校訂 全訳注 葉隠』が全3巻予定。凡例によれば本文は佐賀県立図書館所蔵の天保本(杉原本)を底本とし、餅木本や小城本などにより校訂したとのことです。上巻には「聞書第一」から「聞書第三」を収録。『葉隠』はちくま学芸文庫でも来月より新たな訳注本が発売予定なので、読者の特権として当然両方の版を購読したいです。

★講談社学術文庫の10月10日発売新刊には、『水滸伝(二)』、ヘルダー『言語起源論』宮谷尚実訳、フランソワ・ジュリアン『道徳を基礎づける――孟子vs. カント、ルソー、ニーチェ』中島隆博/志野好伸訳、などが、また11月10日発売新刊には、『水滸伝(三)』、ホラーティウス『書簡詩』高橋宏幸訳、秦剛平『七十人訳ギリシア語聖書 モーセ五書』などが予告されています。モーセ五書とは「創世記」「出エジプト記」「レビ記」「民数記」「申命記」の5つですが、秦さんによるこれらの日本語訳はすべて河出書房新社より2002年~2003年に刊行されていますので、これらを一冊にまとめるという話ならば素晴らしい企画と感嘆せざるをえません。すごいです。

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# by urag | 2017-09-24 23:20 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2017年 09月 19日

メモ(27)

アマゾンが「返品可否の確認」と題した何やらとても抽象的な返品依頼を突如としてメールで送りつけてきました。送信日は、よりによって、今般の「バックオーダー中止以後の概況」についての説明会で提示された直取引をめぐる新条件の、有効期限最終日の日没どきです。非常に嫌なタイミングとしか言いようがありません。

出版社としては次のような反応が当然出てきます。

1)仕入れた取次へ返品すべき。日販か大阪屋栗田か、返品先が不明瞭では了解できない。
2)返品理由が曖昧。長らく不稼働、の「長らく」の基準が示されておらず、アマゾンの需要予測自体がそもそも疑問になってくる。
3)以上のことを問い合わせようにも、メアドと部署名だけで、担当者名も電話やFAXなどの連絡先も何も書いていないのは非常識。
4)回答期限まで3~4営業日しかないのは一方的過ぎる。
5)バックオーダー中止と同じく、このやり方※は版元には「恫喝」に見えがち。

※このやり方・・・アマゾンのメール文中にある「返品不可商品とお返事いただいた銘柄については、弊社では今後返品できない銘柄としてシステムにて認識いたします。その場合、対象銘柄における今後の取り扱い方法や在庫数量について変更する可能性がございます」というくだり【追記:分かりやすく言えば「返品不可なら在庫を持たなくなるかもね」という圧力】。ベンダーセントラルを利用している版元は1点ずつ返品可能かどうかきちんと登録しているわけなので、それをいちいち勝手にアマゾン側が上書きしていくとややこしいことになります。【追記:さる筋の情報によれば、ベンダーセントラルで登録してある返品の可不可は、実際には役に立っていないようです。つまり、版元がアマゾンに登録した属性よりも、現実に適用されるのは取次さんのルール(より正確に言えば「取次=版元」間の取り決め)である、と。考えてみれば当たり前ですね、アマゾンと取引しているのは版元でなく取次なのですから。】

こうしたメールでの返品依頼をこの先アマゾンは、定期的に行なうと宣言しています。このやり方は嫌がらせにしかならないですし、まったくの逆効果だと思います。これは直取引しない版元へのプレッシャーなのでしょうか。それとも取次さんの、アマゾンとの関係がいっそう悪くなっているのでしょうか。

そもそも1)に関して、アマゾンがその細かすぎる発注方法の副作用として、個別の商品についてどこの取次さんから仕入れたのか、分からなくなっているとしたら、恐ろしい話です。この件では取次さんに問い合わせをすでに入れており、一定の解釈(そもそも別会社なので説明は不可能)を聞きました。が、なによりアマゾン側が丁寧に説明すべきなのにこの有様では先が思いやられます。

アマゾンさんのとある上席の方から当ブログをご覧になっていると説明会の席上ではっきりご挨拶いただいたのでこの際申し上げますが、私が説明会後に貴社からいただくはずになっていた配布資料の完全版(数値が出ていない箇所を修正したもの)はいまだに届きません。その資料がないと、貴社の説明会で言われていた「計算」ができず、取引新条件について検証することができないのにもかかわらず、です。それなのに、資料を寄こさない代わりに返品依頼書ですか。貴社が出版社の問い合わせについて猛烈にレスポンスが遅く、満足のいく回答率も低いことはこの業界ではとても有名です(その原因がどこにあるのかははっきりとお伝えしたはずです)。他書店ではできるような「普通の」対応がまったくできておられないのは実に残念です。

今回の件も特に難しい案件ではなく版元は(買切版元でない限り)「普通に」返品入帳できる話なのに、様々な不備のせいで「アマゾンがまた変なこと始めたよ」といううんざりした反応しか引き起こしていないのは、どうにも不合理な話ではないでしょうか。簡単な話をわざわざ難しくしていらっしゃる。

アマゾンがただちにやるべきなのは次のことです。

1)どの銘柄をどの取次から何冊返品するのかきちんと明示すること。
2)返品理由を明快に説明すること。
3)電話で話せる「正式な担当者名と責任者名」を記載すること。
4)メールでの一方的な回答期限の設定はやめること。
5)出版業界の慣例を無視したやり方は反発しか招かないと知ること。

どうしてこんな当たり前のことがアマゾンにはできないのか、理解に苦しみます。説明会で会うスタッフや上席の皆さんのさほど悪くない印象と、こうした圧迫的通告を機械的に繰り返すこととの間のイメージギャップが大きいのも、理解できません。

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「Forbes Japan」ビジネス欄2017年9月20日付、Parmy Olson氏記名記事「トイザらスを破滅させた「アマゾンとの10年契約」」(編集=上田裕資氏)が興味深いです。

「世間がドットコムバブルに沸いた2000年、アマゾンとトイザらスは10年契約を結んだ。これはアマゾン上でトイザらスが唯一の玩具の販売業者となる契約で、トイザらスの公式サイトをクリックするとアマゾン内のトイザらス専用ページに飛ぶ仕掛けになっていた。/この取り組みは当初、アマゾンとトイザらスの両社にメリットをもたらすと見られていた。しかし、アマゾンはその後、トイザらスが十分な商品を確保できていないことを理由に、他の玩具業者らをサイトに招き入れ始めた」。

「十分な商品を確保できていないことを理由に」というのがミソですね。日本でも聞いたことあるような気がします、これに似たセリフ。さらに記事に曰く「書店のBordersも同じ過ちを犯した。Bordersも2001年にアマゾンにオンライン販売を任せる契約を結び、2008年に契約を終了したが、その間にウェブのビジネスをアマゾンに奪われた。アナリストは「彼らは未来を譲り渡してしまった」と述べた」。怖い話です。本当に。

こうした記事を参照しつつ言えば、日本でアマゾンと版元との直取引成約数がいまひとつ伸びていかないらしい最大の理由は、「アマゾンは信頼できる相手なのか分からない」という点にあるのではないか、というのが私の意見です。キンドル・アンリミテッドの件で出版社と揉めたり、某マンガ家さんの作品の配信停止や無料配信で提訴されたり、といった出来事に共通しているのは、「アマゾンはいつも事前通告なしに勝手をやり始める」ということです。これは単なる印象論ではありません。バックオーダー停止問題にしてもそうです。大方の版元に対して、根回しなしで準備もゼロの没交渉ぶりが目立つので、あのさ、こうなるなら最初からちゃんと話し合っておこうよ、とその都度突っ込まれているわけです。

今回の返品問題についてはアマゾンさんからはまだ何も続報はありませんが、取次さんや版元他社さんから様々な情報をいただいて、私自身もようやく少しずつ整理できてきました。「在庫の健全化」というアマゾンさんの一言の裏にどれほどの現実があるか。その全貌はとても掴みづらいのですけれども、アマゾンさん、お互いが信頼し合う上で大事なのは、出版社や取次さんとどれほど「具体的な正しい情報を適切に共有」できるかどうかではないでしょうか。

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# by urag | 2017-09-19 12:48 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
2017年 09月 18日

注目新刊:ハーマン『四方対象』人文書院、ほか

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★まず、まもなく発売となる新刊から注目書を取り上げます。

四方対象――オブジェクト指向存在論入門』グレアム・ハーマン著、岡嶋隆佑監訳、山下智弘/鈴木優花/石井雅巳訳、人文書院、2017年9月、本体2,400円、4-6判並製240頁、ISBN978-4-409-03094-3
ダスクランズ』J・M・クッツェー著、くぼたのぞみ訳、人文書院、2017年9月、本体2,700円、4-6判上製240頁、ISBN978-4-409-13038-4
PANA通信社と戦後日本――汎アジア・メディアを創ったジャーナリストたち』岩間優希著、人文書院、2017年9月、本体3,200円、4-6判上製326頁、ISBN978-4-409-24118-9
ゲンロン6』ゲンロン、2017年9月、本体2,400円、A5判並製366頁、ISBN978-4-907188-22-1
トラクターの世界史――人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』藤原辰史著、中公新書、2017年9月、本体860円、新書判288頁、ISBN978-4-12-102451-0

★ハーマン『四方対象』はまもなく発売。『The Quadruple Object』(Zero Books, 2011)の全訳で、グレアム・ハーマン(Graham Harman, 1968-)の単独著の本邦初訳であり、昨今日本でも注目を浴びている「対象(オブジェクト)指向存在論(OOO:Object-Oriented Ontology)」の第一人者による入門書です。目次は書名のリンク先をご覧下さい。本書では、二種類の対象(実在的対象/感覚的対象)と、二種類の性質(実在的性質/感覚的性質)の、四つの極からなる対象指向哲学の基礎的なモデルが提示されます。「四つの極の組み合わせのうち、一つの対象の極と一つの性質の極の間の特殊な緊張関係を含むものには四つあり、それらは時間、空間、本質、そして形相と名付けられ」ています(191頁)。ハーマンの整理は、フッサールによる「事象そのものへ」向かう哲学的思惟の更新と、ハイデガーの「四方界」に倣う包括的存在論の刷新を図るものと見えます。小さな著作ですが、それだけに論点が凝縮されており、思想地図の現在だけでなくその未来をも展望する上でひとつの重要な里程標になっていると感じます。

★原著を刊行した版元Zero BooksはJohn Hunt Publishingのインプリントで、ハーマンのほかに、アルベルト・トスカーノ、ブルーノ・ラトゥール、ユージン・サッカー、グラント・ハミルトン(ややこしいですが、イアン・ハミルトン・グラントとは別人)、マウリツィオ・フェラーリス、スティーヴン・シャヴィロや、『四方対象』の序文で名前が特記されているマーク・フィッシャーやタリク・ゴダール、等々の著書を刊行しており、現代思想系ではもっとも活動的な出版社のひとつです。新刊を継続的にチェックしておけば何かしらの出会いが期待できるでしょう。なお、ハーマンのここ最近の著書には『Immaterialism: Objects and Social Theory』(Polity, 2016)や、マヌエル・デランダとの共著『The Rise of Realism』(Polity, 2017)などがあり、さらに近刊予定では、その名もズバリ『Object-Oriented Ontology: A New Theory of Everything』(Penguin, 2018)という著書が来春発売予定と聞きます。ハーマンの動向は今後も注目を浴びそうで、特にこの近刊書はおそらく日本語でも翻訳が出るのではないかと思われます。

★本書のほか人文書院さんよりまもなく発売となる新刊には、クッツェー『ダスクランズ』と、岩間優希『PANA通信社と戦後日本』があります。『ダスクランズ』はクッツェーのデビュー作(1974年)の新訳。既訳には、赤岩隆訳(『ダスクランド』アフリカ文学叢書、スリーエーネットワーク、1994年)があります。新訳本のシンプルかつ力強い装丁は、藤田知子さんによるもの。『PANA通信社と戦後日本』は中部大学専任講師の岩間優希(いわま・ゆうき:1982-)さんの単独著第一作で(編著書としては2008年に人間社から刊行された『文献目録 ベトナム戦争と日本――1948~2007』があります)、「戦後アジアに誕生したPANA通信社の歴史を、関わったジャーナリストらのライフヒストリーを軸にしながら執筆」(あとがきより)したもの。帯文に「敗戦から朝鮮戦争、安保闘争、東京オリンピック、ヴェトナム戦争の時代――個性的なジャーナリストたちを軸に描く戦後史」と。

★『ゲンロン6』は一般書店では9月23日(土)発売開始。目次詳細は誌名のリンク先をご覧下さい。メイン特集は「ロシア現代思想Ⅰ」。帯文に曰く「革命100周年。資本主義と宗教回帰のあいだで揺れるもうひとつの現代思想」と。ドゥーギン(1962-)、マグーン(1974-)らの論考のほか、折り込み付録として、1991年から今日に至る年表「ロシア現代思想史見取図」や、「ロシア現代思想重要人物10人 2017年版」が付いているのが良いです。今のところボリス・グロイス(1947-)くらいしか訳書はありませんが、来年1月発売予定の次号でも同特集の第2弾が組まれるので、今後の盛り上がりを期待したいです。小特集「遊びの哲学」ではスティグレールの来日講演「有限のゲーム、無限のゲーム」(2017年5月27日、アンスティテュフランセ東京)や、東浩紀さんによる特別インタヴューなどを読むことができます。また、同号では第1回ゲンロンSF新人賞を受賞した、高木刑(たかぎ・けい:1982-)さんによる創作「ガルシア・デ・マローネスによって救済された大地」が掲載されています。註だけを見ていると『中世思想原典集成』『キリスト教神秘主義著作集』『科学の名著』『世界の名著』のほか、ギリシア哲学や聖書など、まるで学術論文のようで興味深いです。

★『トラクターの世界史』はまもなく発売。「トラクターがそれぞれの地域にもたらした政治的、文化的、経済的、生態的側面について考察し、20世紀という時代の一側面を、ただし、けっして見逃すことができない重要な側面を追っていく」(vii頁)ユニークな試みで、トラクターによる大地の束縛からの人間の解放と、今なお進行中であるその変化を描出しつつ、「農業生産の機械化・合理化と農地内物質循環の弱体化という二つの決定的な影響を〔・・・〕20世紀の人間たちにもたらした」(iii頁)ことの帰結を分析しています。新書大賞にエントリーしそうな予感がする良作です。目次を転記しておきます。

まえがき
第1章 誕生――革新主義時代のなかで
 1 トラクターとは何か
 2 蒸気機関の限界、内燃機関の画期
 3 夜明け――J・フローリッチの発明
第2章 トラクター王国アメリカ――量産体制の確立
 1 巨人フォードの進出――シェア77%の獲得
 2 農機具メーカーの逆襲――機能性と安定性の進化
 3 農民たちの憧れと憎悪――馬への未練
第3章 革命と戦争の牽引――ソ独英での展開
 1 レーニンの空想、スターリンの実行
 2 「鉄の馬」の革命――ソ連の農民たちの敵意
 3 フォルクストラクター――ナチス・ドイツの構想
 4 二つの世界大戦下のトラクター
第4章 冷戦時代の飛躍と限界――各国の諸相
 1 市場の飽和と巨大化――斜陽のアメリカ
 2 東側諸国での浸透――ソ連、ポーランド、東独、ヴェトナム
 3 「鉄牛」の革命――新中国での展開
 4 開発のなかのトラクター――イタリア、ガーナ、イラン
第5章 日本のトラクター――後進国から先進国へ
 1 黎明――私営農場での導入、国産化の要請
 2 満州国の「春の夢」
 3 歩行型開発の悪戦苦闘――藤井康弘と米原清男
 4 機械化・反機械化論争
 5 日本企業の席捲――クボタ、ヤンマー、イセキ、三菱農機
終章 機械が変えた歴史の土壌
あとがき
参考文献
関連年表
索引

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★次に発売済の新刊の中から注目書をいくつか書き出します。

近代の〈物神事実〉崇拝について――ならびに「聖像衝突」』ブリュノ・ラトゥール著、荒金直人訳、以文社、2017年9月、本体2,600円、四六判上製248頁、ISBN978-4-7531-0342-3
こわいもの知らずの病理学講義』仲野徹著、晶文社、2017年9月、本体1,850円、四六判並製376頁、ISBN978-4-7949-6972-9
台湾人の歌舞伎町――新宿、もうひとつの戦後史』稲葉佳子/青池憲司著、紀伊國屋書店、2017年9月、本体1,800円、B6判並製249頁、ISBN978-4-314-0115108
書物の時間――書店店長の思いと行動』福嶋聡著、多摩デポブックレット/けやき出版発売、A5判並製54頁、ISBN978-4-87751-574-4
新約聖書 訳と註 第七巻 ヨハネの黙示録』田川建三訳著、作品社、2017年8月、本体6,600円、A5判上製874頁、ISBN978-4-86182-419-7

★ラトゥール『近代の〈物神事実〉崇拝について』は『Sur le culte des dieux faitiches suivi de Iconoclash』(Éditions La Découverte, 2009)の全訳です。ラトゥールは受容と活躍の場が英米語圏に広がっているためか、ファーストネームBrunoを「ブルーノ」と表記されることが日本でも多かったのですが、当訳書ではフランス語の発音により忠実に「ブリュノ」と表記されています。「近代の〈物神事実〉崇拝について」と「聖像衝突」の二篇を収めており、巻末の訳者解題「超越の制作」では本書の端的な要約が示されています。目次詳細は書名のリンク先をご覧下さい。「物神事実」というのは本書の鍵となるラトゥールの造語で、訳者は次のように説明しています。「「事実」(fait/fact)という言葉と「物神」(fétiche/fetish)という言葉は、「なされたこと」、「作られたもの」を意味する同じ語源を有しながらも、前者が「外部の実在」という超越的側面を強調するのに対して、後者は「人間の製作物」への「主観的な信仰」という二重の内在性を強調している。しかしこの二つの側面は実践においては結び付いているとラトゥールは考え、この結び付きを示すために、「物神事実」(faitiche/factish)という造語を導入する」と。

★ラトゥールはこう書いています。「あなたたちの諸々の物神事実は、破砕されているのにも拘らず修繕されている。そしてそれは、理論が破砕と修復という二重の形式のもとでしか捉えることのできないものを、実践へ送り返すという仕方で為されている。これが我々の伝統、物神事実の破砕者と修復者の伝統であり、これが我々の祖先、あらゆる系族に対してそう為されるように、尊敬し過ぎずに尊敬すべき祖先である」(81頁)。「自分の為すところによって超過されておらず、自らの創造物を支配しているような」(144頁)創造者などいないと彼は教えます。「技師が機械を支配するだろう、〔・・・〕プログラマーが自作のプログラムを、創造者が自分の創造物を、著者が自分の文章を〔・・・〕支配するだろう。――まさか、そうお考えだろうか」(同)。一方、911以後に発表された「聖像衝突」でラトゥールは聖像破壊をめぐる五つの類型を提示しており、「脆く、弱々しく、脅かされている」(212頁)現代人への処方を示唆しています。近代的思考による人間観や社会観への呪縛に対する、解毒作用をラトゥールの著作は示しているように思えます。

★『こわいもの知らずの病理学講義』は、大阪大学大学院医学系研究科の病理学教授、仲野徹(なかの・とおる:1957-)さんによる「正しい病気の知識」(「はじめに」)について書き下ろした本です。「いろいろな病気がどのようにできてしまうのか、について、できるだけやさしく、でも、おもしろく」(同)書かれています。目次詳細は書名のリンク先をご覧下さい。本書の後半は、「病の皇帝」であるガンの総論編と各論編です。ガンの罹患率は20代後半頃から右肩上がりになるものの、「女性ではだらだらと上昇していくのに対して、男性では、50歳代から急激に増加」(211頁)すると言います。「30歳代後半から40歳代までは女性の方が多く、60歳代以降は男性の方が女性より顕著に高率に」(同)とのことなので、気になる方はぜひ店頭で本書を手に取ってみて下さい。思うに本書は医学書コーナーに留めておけばいい本なのではなくて、ジャンルを問わず異なる種類の本の中に突然面陳しておく方が読者との出会わせ方としては有効だと思います。著者の書く通り、ひとは「一生の間、一度も病気にならないことはありえません」(18頁)から。

★ちなみに晶文社さんでは6月に刊行された『日本の覚醒のために――内田樹講演集』がとてもよく売れているそうです。まえがきで内田さんはこう書いておられます。「この本のメッセージは一言で言えば「もう起きなよ」という呼びかけです」(8頁)。米国の「属国」から「国家主権と国土を回復する」ための「目覚め」が問われています。「72年かけてじりじりと失っていった主権なんだから、今さら起死回生の大逆転というようなシンプルで劇的なソリューションがあるはずもない。僕たち日本人は長い時間をかけて、日々のたゆみない実践を通じて、こんな「主権のない国」を作りあげてしまった。だから、主権を回復するためには、それと同じだけの時間をかけて、同じような日々のたゆみない実践を通じて働くしかない」(8~9頁)と。内田さんはこうも書きます、「国語力というのは創造する力のことです。自力で言語を豊かで、多様で、味わい深いものに変成してゆく力のことです。外国語では表現できないもの、他言語において代替する概念がないような概念を創造する力です。自分たちの種族のコスモロジーの「源泉」にまで遡航して、そこから新しい生命を汲み出す力です」(226頁)。これは2013年11月の全国高校国語教育研究連合会での講演で語られたことの一部ですが、出版人の胸に刻む言葉でもあるように思われます。

★『台湾人の歌舞伎町』は映画監督の青池さんと、NPO法人理事で新宿区多文化共生まちづくり会議の委員をつとめる稲葉さんの共著。新宿区は現在、住民の8人に1人が外国人で、出身国は120か国以上にのぼると言います。本書は8年もの取材をもとに、戦後のヤミ市「新宿西口マーケット」から出発し、焼野原から興行街となった歌舞伎町を支えた台湾人華僑の歴史を、証言や写真とともに綴ったものです。歌舞伎町初の映画館「地球座」、名曲喫茶の「スカラ座」や「らんぶる」、歌声喫茶「カチューシャ」、中華料理店「東京大飯店」、総合アミューズメントビル「風林会館」など、彼らが手がけた数多くの店舗や施設は「じゅく文化」形成に影響を少なからぬ及ぼした様子が窺えます。歌舞伎町を捉え直す上で非常に興味深い一書です。目次詳細は書名のリンク先をご覧下さい。

★『書物の時間』は、特定非営利活動法人「共同保存図書館・多摩」による第25回多摩デポ講座(2016年2月27日)でのジュンク堂書店難波店の福嶋聡さんによる講演の書籍化です。目次を列記しておきます。

はじめに
1 私はなぜ、図書館にコミットするのか?
2 図書館がどう見えているか
3 出版界と図書館の不毛で不可解な抗争
4 書物の持つ時間
5 具体的な連携の実践こそが大事
6 紙の本は、滅びない
7 本と目が合う
8 ヘイト本とクレーム
9 民主主義は危ない
10 電子図書館のアポリア
終わりに――再生産が続くこと、書店に行くこと
巻末注 「図書館の自由」とは
本書は多摩デポブックレットの第11弾ですが、既刊書には図書館を来し方と未来を考える上での必読講演が揃っています。

★『新約聖書 訳と註 第七巻 ヨハネの黙示録』は田川さん訳「新約聖書」全七巻(全八冊)の完結最終配本。本文訳が40頁(7~47頁)、訳註が800頁以上あり(51~858頁)、最後に「解説と後書き」(859~874頁)が続きます。綿密なテクスト検証の結果、「ヨハネの黙示録」には原著者と、自身の文書を大量に挟み込んだ編集者、この二人の書き手がいると田川さんは指摘します。編集者が執筆したであろう文書は二文字下げで組まれています。有名な「私はアルファであり、オメガである」(本書では「我はアルファなり、オメガなり」)は編集者が書き足したものとされます。衝撃的です。2017年の人文書出版における事件として記憶されることになるでしょう。これらの新説については巻末の解説に詳しく述べられていますが、田川さんのウェブサイトでも別稿を読むことができます。なお後書きによれば、全七巻の本文訳のみをまとめた「新訳聖書」も続刊予定であるとのことです。

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# by urag | 2017-09-18 23:53 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2017年 09月 16日

10月4日イベント:内沼晋太郎×工藤秀之×小林浩「いま、出版社に求められているものとは」

◎内沼晋太郎(本屋B&B)×工藤秀之(トランスビュー)×小林浩(月曜社)「いま、出版社に求められているものとはーー「本」をめぐる新たな視点

日時:2017年10月4日(水)19:00 - 21:30 JST
会場:ゲンロンカフェ(五反田駅西口から徒歩3分)
チケット:前売券 1ドリンク付 ¥2,600 ※当日、友の会会員証/学生証提示で500円キャッシュバック
友の会会員限定最前列席 前売分 1ドリンク付、共有サイドテーブル・電源あり ¥2,600 ※ キャッシュバックはありません ※複数予約される場合はお連れの方が会員でなくても結構です

内容:出版ベンチャーとして成長を続けるゲンロンが、出版業界・書店業界のこれからについて考えるイベント、第2弾!! 今回のテーマは、「出版社の新しい可能性を探る」!! ご登壇いただくのは、NUMABOOKS代表として、本屋B&Bの運営や、出版レーベルの立ち上げなど、本と人をさまざまな形でつなぐ内沼晋太郎さん。「トランスビュー方式」と呼ばれる新しい出版流通の仕組みをつくり、多くの小規模出版社をつなぐ協業の取り組みも行なっているトランスビュー工藤さん。そして、出版業界の状況について積極的な情報発信を行っている月曜社の小林浩さんの三名に、本を作り、本を売り続けるために必要なことは何か、さまざまな視点から考え、語り合っていただきます! 出版、書籍、流通。私たちがいま、「本」に求めているものは何なのか、売る側も買う側も必見のイベントです!

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出版業界・書店業界のこれからについて考えるイベント第1弾@ゲンロンカフェ
(終了していますがイベント名のリンク先でイベント後記をお読みになれます)

◎小林浩(月曜社) × 辻山良雄(Title) × 竹田信弥(双子のライオン堂) 「出版不況が叫ばれるいま、なぜあえて本屋をはじめたのか
日時:2017年5月31日(水)19:00 ~ 21:30
場所:ゲンロンカフェ

内容:出版ベンチャーとして成長を続けるゲンロンが、出版業界・書店業界のこれからについて考えるイベントを行います。すでに20年にわたり、出版業界全体の売上は落ち込み続けています。この間に倒産した出版社、閉店した書店は数え切れません。一方で、この厳しい状況のなか、希望を持ってこの業界で挑戦し続けている方々もいます。話題の新刊『本屋、はじめました』の著者である辻山良雄さんは、長く全国のリブロで勤務した経験を活かし、本屋Titleの店主としてさまざまな試みを行っています。一方、もともとネット古書店として創業し現在は赤坂に実店鋪を構える双子のライオン堂の竹田信弥さんは、独特の選書サービスで読書家を魅了し続け、各方面で話題となっています。そんな新しいタイプの本屋を運営するおふたりとともに、出版業界の状況について積極的な情報発信を行っている月曜社の小林浩さんをお迎えし、本を作り、本を売り続けるために必要なことは何か、さまざまな視点から考え、語り合っていただきます。

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# by urag | 2017-09-16 16:07 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2017年 09月 15日

10月新刊その2:甲斐義明編訳『写真の理論』

2017年10月17日取次搬入予定 *芸術/写真

写真の理論
甲斐義明 編訳
月曜社 2017年10月 本体2,500円 46判(縦190mm×横130mm×束16mm)ソフトカバー装312頁 ISBN:978-4-86503-051-8

写真史と写真の論理を読み解くための英米語圏の重要論考五篇を翻訳。編訳者による詳細な解説(100頁)とブックガイドを付す。

収録論考[バッチェンをのぞき、四篇は本邦初訳]
ジョン・シャーカフスキー(John Szarkowski, 1925-1997)「『写真家の眼』序文」1966年
アラン・セクーラ(Allan Sekula, 1951-2013)「モダニズムを解体し、ドキュメンタリーを再創案する(表象の政治学についての覚書)」1978年
ロザリンド・クラウス(Rosalind Krauss, 1941-)「写真とシミュラークルについての覚書」1984年
ジェフ・ウォール(Jeff Wall, 1946-)「「取るに足らないものの印」――コンセプチュアル・アートにおける/としての写真の諸相」1995年
ジェフリー・バッチェン(Geoffrey Batchen, 1956-)「スナップ写真――美術史と民族誌的転回」2008年

甲斐義明(かい・よしあき)1981年生。専門は写真史および近現代美術史。ニューヨーク市立大学大学院センター博士程修了(Ph.D. in Art History)。2013年より新潟大学人文学部准教授。著書に『時の宙づり――生・写真・死』(IZU PHOTO MUSEUM、2010年。ジェフリー・バッチェン/小原真史共著)など。

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# by urag | 2017-09-15 12:16 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2017年 09月 14日

10月新刊:森山大道最新写真集『K』

2017年10月6日取次搬入予定*写真集

K(ケイ)
森山大道写真集
月曜社 2017年10月 本体2,500円 A5判(縦225mm×横152mm×束14mm)ソフトカバー装176頁(モノクロ2C:138点)
ISBN978-4-86503-050-1

アマゾン・ジャパンにて予約受付中

犬は盛り場へ行けというし、猫は路地裏へ入れというし、虫は風俗街はどうよという。俗世俗界を俗のままにコピーしつづけること、東京中をうろつく日々こそ、ぼくが生き写真を撮る意味の全てなのだと感じる他ない――(森山大道)。都市の片隅、人影、さまざまな「K=景」の断片を追い求めた、最新撮り下し写真集。

* 書下し「原点と現点――ニエプスへの旅/今日の三匹」収録。
* 東京以外の写真も数点ふくまれています。
* デジタルカメラによる作品集です。

森山大道(もりやま・だいどう)1938年生。近年の出版物に、『Pretty Woman』(Akio Nagasawa Publishing, 2017)、『鉄砲百合の射程距離』(内田美紗文、森山大道写真、大竹昭子編、月曜社、2017年)、『絶対平面都市』(鈴木一誌共著、月曜社、2016年)、『Osaka』(月曜社、2016年)などがある。

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# by urag | 2017-09-14 19:41 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2017年 09月 14日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる本屋さん

2017年11月27日(月)オープン
ブックファースト中野店:750坪(図書650坪、文具・カフェ100坪)
東京都中野区中野4-3-1 中野サンクォーレ 1~2F

トーハン帳合。弊社へのご注文は、人文、芸術、文芸、などの主要書。ブックファーストの代表取締役社長の庄司和人さんによる挨拶状によると、9月3日で閉店した「あおい書店中野本店」を大幅改装し、地域最大規模となる100席を擁するカフェスペースを設置するほか、文具雑貨売場も併設するとのことです。

周知の通り、トーハンの2017年3月1日付ニュースリリース「株式会社あおい書店再編についてのお知らせ」によれば、「トーハングループの書店事業会社である、株式会社あおい書店(本社・東京都中野区、代表取締役社長・佐々木基樹)は、平成29年4月1日に組織再編を行い、グループ内の別の書店事業会社3社へ、その事業及び店舗を移管、統合いたします」とのことでした。内訳は、あおい書店19店舗のうち、ブックファーストへの変更は6店舗(川崎駅前店、中野本店、六本木店、高田馬場店、横浜店、京都西院店)で、スーパーブックスへの変更が4店舗、らくだへの変更が9店舗。株式会社スーパーブックスは、山下書店/メディアライン/スーパーブックスなどを運営し、株式会社らくだは、らくだ書店/カフェベーカリー・ナギーを運営しています。

出版界に多少詳しい方は「なぜこれほどまでに取次傘下の書店が増えたのか」という印象をお持ちかもしれませんね。ちなみに名古屋市に本社のある「株式会社あおい書店」(名古屋市熱田区三本松町17番4号 神宮葵ビル、代表取締役社長・八木隆司)から会社分割されたのが上記の中野区法人(4月再編により解散)で、名古屋市法人の傘下では五反田店と新大府店が今年1月に閉店済で、残るは「あおい書店上大岡店」のみのようです。

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# by urag | 2017-09-14 14:46 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2017年 09月 12日

「週刊読書人」にロゴザンスキー『我と肉』の書評

弊社7月刊、ジャコブ・ロゴザンスキー『我と肉――自我分析への序論』(松葉祥一・村瀬鋼・本間義啓訳)の書評「あらたな思考の出発点をうちたてる――現象学的身体論の刷新へと波及する潜在性」が「週刊読書人」2017年9月8日号に掲載されました。評者は廣瀬浩司さんです。「本書は、デリダ的な「差延」や「散種」の否定的な側面をさらに脱構築し、それが「私の肉(体)」に内在していることを示し、現象学的身体論や他者論にあらたな洞察を切り開こうとしている」と評していただきました。廣瀬先生、ありがとうございました。


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# by urag | 2017-09-12 16:44 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2017年 09月 12日

ブックツリー「哲学読書室」に河野真太郎さんの選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、『戦う姫、働く少女』(堀之内出版、2017年7月)の著者・河野真太郎さんによる選書リスト「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在」が追加されました。下記リンク先一覧よりご覧ください。


◎哲学読書室

星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在

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# by urag | 2017-09-12 01:56 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)